国民主権の新しいステージへ
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吉江さん |
明日の自由を守る若手弁護士の会(あすわか)は憲法改正にかかる情報、とりわけ、自由民主党の「日本国憲法改正草案」の内容と問題点を広く知らせようと二〇一三年一月に結成。あすわか兵庫は同年十月に立ち上げました。
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憲法カフェで憲法のお話をしてほしいというご依頼は去年の二月ごろから入るようになって、月二回から四回ぐらい会員が代わる代わる出かけてきました。
日本国憲法は、人も国土も荒廃させた戦争の反省のなかで生まれたものです。だから、「全体主義はあかん」「個人が尊重されなあかん」「平和でないとあかん」と書かれていて、それを国民でなく、国家に対して守るよう求めている――という話をしています。
「個人の尊重」という言葉は硬いですけれど、憲法カフェに来られる人は、今の社会や自分の生活について、「何かおかしい」「これは正しくないじゃないか」と思っているけれども、井戸端会議なんかでは言えず、当たり障りのない話をしていらっしゃるんだな、と感じます。そういう人たちがカフェに来られて、「やっぱり、おかしかったんだよね」「一人ひとりが自由で平等な存在で、尊厳ある個人として生きていきたいという、私の考えでよかったんだ」と元気になって帰って行かれます。
日本国憲法の持っている価値そのものに皆さんが勇気づけられるのだと感じます。
私たち、あすわかとしては、憲法カフェが続けていかれることに希望を感じます。戦争法案の〝おかげ〟で憲法の話をさせていただく機会がものすごく増えました。
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「国民主権の国だから、自分たちが政治を選ぶことができるのだ」と思う人が一人でも二人でも増えれば、日本は変わると思ってやってきました。
一昨年十一月以来、月一回続けて来たJR神戸駅前などでの朝宣伝も、雑踏のなかのBGMみたいなものですが、去年の閣議決定が問題になった頃にはポケットティッシュ付きのビラが三十分ほどで八百五十枚はけるなど、反応がすごくよくなりました。
今年夏には、戦争法案廃案を求める署名運動に取り組みました。八月末から九月初めのたった二週間ほどの取り組みでしたが四千人以上の方にご協力頂きました。そのうち二百十三人の個人の方と二十八の団体からはわざわざ郵送して頂きました。
郵送してくださった皆さんに法成立後、九月二十日に発表したあすわか兵庫の声明と報告文を送ったのですが、さらに、そのお返事を頂きました。
「辺境の地のわが村でもこうした署名運動ができたことをうれしく思っています。ウチの小さな畑に『平和』のノボリを立てました……国民主権、民主主義の新しいステージに立つよろこびを与えてくださりありがとう」。読んでいて、本当にうれしくなりました。
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戦争法成立後も憲法カフェは続いています。
「なぜ、この戦争法はだめなのか」を聞きたいというご依頼がまだあります。いかに憲法違反なのかや、民意を無視して米国との約束を優先させたことなどを話しています。最後には、「選挙は、『僕たち抜きに、僕たちのことを決めないで』という仕組みです」「国民主権ですから、議員さんとつながっていきましょう。そのために署名をしたり、集会をしたり、そこに議員さんを呼んだり、政党の事務所を訪ねたり……自分で選べるぐらい情報を集めて選挙に行きましょう」と呼びかけています。
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違憲の法律がいつまでも国民生活を規律していては困ります。早期に廃止しなければなりません。日本共産党の「戦争法(安保法制)廃止のための国民連合政府」の提案には注目しています。
あすわか兵庫も街頭宣伝、憲法カフェなど、ひきつづき頑張っていきます。 (談)
