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2015年7月12日日曜日

発言:大多和優子弁護士(28歳)


立憲主義を覆させてはいけない


弁護士会が主催した集会に9千人もの方が参加され、私たちスタッフ一同感激しています。

集会では、スピーチもさせていただきました。若手からということと、姫路からも誰か訴えてほしいと私に声がかかったんですが、こんなに大勢の前で話したことはなかったので、とても緊張しました。

集会は、弁護士会の憲法問題委員会が準備しましたが、「あすわか兵庫」のメンバーもスタッフとなり中心的に動いていました。私は姫路で、神戸になかなかいけなかったので、主にメールでやりとりしながら準備を進めて、担当したコールの練習も行いました。

当初は弁護士の参加表明が少なかったので、分担して弁護士のみなさんに電話かけもしました。なかには帰りの電車でコールを口ずさんでくれている人もいたということなのでよかったと思っています。

安全保障法制(平和安全法制整備法案と国際平和支援法案)について、スピーチでも訴えましたが、集団的自衛権の行使を容認することは、憲法9条に反するとともに、憲法が国家権力を縛って国民の権利や自由を保障する立憲主義にも反するということで反対をしています。

私は弁護士2年目ですが、ロースクールなどで学んだ近代憲法の基本である立憲主義を、安倍さんらが全然理解していないことに驚いています。憲法によって縛られているはずの権力者が、都合の良いように憲法の解釈を変えることは絶対に許されません。

祖父が私の地元の静岡で平和資料館の手伝いをしていたり、家族でも原爆ドームなどに行って戦争は怖いものだと感じていました。憲法9条を壊し、戦争の可能性を現実にする安全保障法制は、廃案しかないと思っています。

「あすわか」は、もともと自民党の憲法草案がだされたときに「護憲」ではなく「知憲」ということで結成され、いまは全国の本部のほかに兵庫、京都に支部があり、兵庫では39人が活動しています。

私も自民党の憲法草案は、国防軍や天皇元首などを規定するだけでなく、「立憲主義」を根底から覆す内容になっており、大日本帝国憲法に逆戻りする気がして、本当に怖いものだと思っていたので、弁護士になったばかりの頃、すぐに入りました。〝劇団〟があるのは兵庫だけで、みんなに親しみやすく憲法を知ってもらおうとしています。

国会の会期が延長され、安全保障法制の採決も狙われています。

私は憲法学習会の講師に呼ばれたりもしています。多くの人と憲法や集団的自衛権、安全保障法制を学び、危険性を訴えたり、SNSで情報を発信しながら、いま、若い人たちも動いていますから、若い人とも一緒に何か行動できたらなと思っています。

(明日の自由を守る若手弁護士の会兵庫支部・姫路総合法律事務所)(談)


(2015年7月12日付「兵庫民報」掲載)

戦争法案阻止:明石市民集会・パレードに350人


戦争する国づくりを許さない明石集会とパレード(実行委員会主催)が7月5日夕に行われ、350人が参加しました。

明石公園西芝生広場での集会では、門脇潤二郎実行委員長が「誰が憲法を読んでも、いつでも、どこでもアメリカの戦争に自衛隊が参加できるとは解釈できない。戦争法案は明確な憲法違反である。必ず阻止しましょう」と主催者挨拶。津川知久県憲法共同センター代表が連帯の挨拶をしたあと、各団体から決意表明しました。

「平和でなければ商売もできません。近所の方からもっと目立つ運動をしてと言われた。一緒に頑張ります」(小寺フヂエ民商会長)、「今止めないと子や孫を戦場に送ることになります。殺し殺されることになるのは許せません」(新婦人の会の藤浦享子さん)、「請願に反対した市議が恥ずかしいと感じるほど世論を盛り上げてゆきたい。戦争と暮らしは両立しません」(入山明生健会会長)などの発言がありました。また、永井俊作市議(市民クラブ)、辻本達也市議(日本共産党)も挨拶しました。

集会は、「憲法違反の『戦争法案』を必ず廃案にしましょう。戦争への道を阻止するため、いっしょに力を合わせましょう」とのアピールを採択しました。

その後、参加者らは、繁華街をパレード。銀座通りでは帰宅途中の高校生たちも「戦争絶対反対」「平和を守れ」と一緒に大きな声をあげてくれました。

(2015年7月12日付「兵庫民報」掲載)

戦争法案阻止:赤穂共同センターが学習会とパレード

赤穂駅前を行く共同センターのパレード

戦争法案ストップ赤穂共同センターは7月5日、「憲法9条を壊す安倍内閣と『戦争法』案」と題し、吉田竜一弁護士(姫路総合法律事務所)を講師に学習会を開きました。

講演の中で、吉田氏は安倍政権が集団的自衛権行使の根拠に砂川事件の最高裁判決を引用していることについて、同判決後の歴代内閣で集団的自衛権の行使を憲法上容認する方向での解釈見直しが行われたことは一度もないこと、今回も自民党内から異論が噴出していること―を紹介し、根拠になどなり得ないと厳しく批判しました。

また、憲法9条の破壊は格差社会の温存と無関係ではなく、徴兵制なしに自衛隊員を確保しようとすれば、アメリカ同様、這い上がるために自衛隊に入隊するしかない貧困層を確保しておくのが手っ取り早いと指摘しました。

最後に、6月4日の憲法調査会で与党推薦の憲法学者からも「違憲」と指摘されるなど、多くの憲法学者、保守政治家、日本弁護士会、若者たちも声をあげ、風向きが変わっていることを詳しく紹介し、「平和なくして、私たちの人権を守ることなどできない。改憲の企てを一致団結して阻止しよう」と訴えました。

*

終了後、参加者は「戦争法案絶対反対」と呼びかけ市内パレードを行いました。

(川本孝明=赤穂市議)

(2015年7月12日付「兵庫民報」掲載)

戦争法案阻止:金田氏先頭に県弁護士会、基督教団神戸教会など訪問・懇談

日本共産党兵庫県委員会は、金田峰生国会議員団兵庫事務所長を先頭に、「戦争法案」の問題で各団体を訪問し、「志位委員長の国会論戦パンフ」や「志位国会論戦ダイジェストDVD」をもって懇談・対話を広げています。

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懇談する吉田弁護士(左)と金田氏(右)

9千人が参加した兵庫大集会を成功させた兵庫県弁護士会とは7月2日に懇談。憲法問題委員会の吉田維一弁護士が応対しました。

吉田氏は、「集会成功へのご協力ありがとうございました」「安保法制法案廃案を求める県内の活動の力になれたならよかった」と語りました。

また、この間、発表した三つの県弁護士会会長声明を紹介。とりわけ6月8日の会長声明は「安保法制法案にきっぱり『廃案』を求めています」と強調しました。

さらに、吉田氏は、「私たち弁護士は、憲法に基づき国民の基本的人権を守るのが仕事です。憲法の原則を踏み破り、自由に解釈することが時の政権に許されるなら、弁護士の拠って立つものが揺らぐことになり、弁護士としての存在意義にもかかわります」と説明しました。

金田氏は、「憲法違反の法案はだめだという声が広がっています。現行憲法の豊かさも語り、また、安倍内閣が故意に集団的自衛権と個別的自衛権とを混同して発信するので、一部不安を感じている人もいるが、その声にもこたえながら、反対世論を広げていきたい」と話しました。

最後に吉田氏は、「1回の集会を成功させたからといって終わりにするわけにはいきません。引き続きさまざまな形でたたかいを広げていきたい」と語りました。

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3日は、日本基督教団神戸教会の渡辺真一伝道師と懇談しました。

金田氏が、パンフレットなどを渡し、この間の論戦の特徴を紹介しました。

渡辺氏は、「この法案には反対です。この会堂は、戦時中、防空司令部として軍に接収され黒塗りにさせられていました。牧師も一人、空襲で亡くなっています。戦争に協力させられたという痛苦の経験から、教団は戦争責任告白をし、誤りを認めています。キリスト教の教えは、たたかいではなく『愛』なんです。非暴力、不服従をどこまで貫けるかにかかっています」と語りました。

(2015年7月12日付「兵庫民報」掲載)

最賃大幅引き上げを:兵庫労連が労働局前座り込み行動


7月2日、兵庫労連は、最低賃金1,000円をめざし、兵庫労働局前で座り込み行動を実施。のべ70名が参加しました。

同じ日には最賃額を答申する機関である兵庫地方最低賃金審議会の第1回目が労働局内で開かれ、5名の方が傍聴しました。

座り込みスタートの挨拶に立った津川知久議長は「私たちの声を労働局・審議会に届けよう」と語り、中村伸治事務局次長は、労働局に1,000円以上の要求と審議会の運営について懇談を行うよう申し入れたことと合わせ、最賃1,000円以上に引き上げることを求めた署名を提出したことも報告しました。

座り込み中には参加者のリレートークが行われ、兵庫の最賃776円は低すぎる、地域間格差はおかしい、アメリカでは引き上げが進んでいる、賃金が低いと年金にも波及するなど多くの参加者が最賃への思いを語り合いました。

審議会の傍聴では参加した5名から報告を受けました。審議というより当局の説明だけだった、筋書きがすでに出来上がっているなどの報告がされるなか、私たちが取り組んだ署名が審議会の中で報告され各委員にも署名用紙が配布されたので私たちの要求は伝わっただろうという感想もありました。

今回の座り込みは時折、「最賃1,000円に引き上げよ」などのシュプレヒコールを行いながら、審議会や労働局、通行人など多くの方にアピールできた行動となりました。今後も兵庫労連はすべての労働者の賃金底上げをめざし、署名を取り組むなど8月の答申まで全力でたたかい続けます。

(土井直樹=兵庫労連事務局次長)

(2015年7月12日付「兵庫民報」掲載)

堀内衆院議員が歯科技工士問題で質問

堀内照文衆院議員は、7月1日の厚生労働委員会で、歯科技工士問題と和歌山での年金機構事務センターの業務委託問題について質問しました。

歯科技工士問題について、堀内氏は、現在の歯科医療の重要性を確認させながら、「4、5人の従業員の技工所でも帰りはほとんど終電。どんなに歯科医師に尽くしても突然仕事が来なくなるので、リスク回避のために仕事をオーバー気味に抱えなければならない」と困難な実情を告発。また、兵庫県では技工士の養成学校がなくなり、今年の兵庫県歯科技工士会の新規会員は1人か2人、「これでは、技工士がいなくなるというゆゆしき事態だ」と指摘しました。

そのうえで、1988年の大臣告示によって技工物に対する技術料の割合が7、管理料の割合が3といういわゆる7・3告示が守られていない実態があると指摘し、「どうやって7・3告示の趣旨が生きるようにするのかは、政治の責任」「根本的には、診療報酬を思い切って手当てし、7対3の7が払えるような環境をつくることが求められるのではないか」と問いました。

塩崎恭久厚生労働大臣は、「歯科技工士がかかわる治療に関して点数をどうするのか工夫がいるかもしれないが、診療報酬の改定は、総合的に勘案して改定率を決めないといけない」と答弁。

さらに堀内氏は、養成学校がなくなっていることは全国的にも共通した課題であり、「国としても本腰を入れて、若い技工士を育て、働き続け、事業を支える環境をつくることが必要ではないか」とただしました。

塩崎大臣は、「質の高い歯科技工士を確保していくことが何より大事」と問題をすりかえて答弁。

堀内氏は、「技工士は、患者のために技工物をつくるということに喜びを感じ、自らの技術に誇りをもっている。その喜びや誇りが将来を見通せない低賃金、劣悪な労働環境によって傷つけられている。質の改善というけれど、むしろ今の歯科技工士の働き、役割をもっと評価するということが必要だと思う。彼らが誇りを持って仕事を続けられる環境をつくるため、政治の責任を果たすことを強く求める」と質問を結びました。

(2015年7月12日付「兵庫民報」掲載)

努力と荷重労働で技術支える技工士に光あてた質問に感謝

「保険でより良い歯科医療を」兵庫連絡会世話人 雨松真希人

限られた貴重な質問時間で「歯科技工士問題」を取り上げていただいたことに心より感謝申し上げます。制度的にも理解するのが非常に難しく、光の当たらない技工問題を非常に勉強されたうえでポイントをおさえ、非常に内容のある質問をしていただいたと感じました。

技工士は平均50歳代の平均労働時間が週60時間を超え、平均年収は300万円台と超長時間労働・低賃金の状況にあります。また、より過酷な就労状況が想像できる若い技工士は、国家資格を得て卒業後5年以内の離職率が約8割と言われています。そのことにより、将来の担い手不足や、質と安全性の低下が危惧されています。それに対しての大臣の回答は、現状に問題認識はあるとしつつも、「歯科技工の質の向上」が問題解決につながるかのような、論理のすり替えのような回答でした。

また技工士の1人としては、世界でも最も高い技術と評価される日本の歯科技工を、みんなが並々ならぬ努力と過重労働で支えているにもかかわらず、現状が適正に評価されておらず、全く相関関係のない質の向上が就労環境改善につながるかのような回答には納得できません。

今後ともみなさまのお知恵とお力添えを賜りながら、問題解決の道を切り開いていきたいと考えます。今後ともよろしくお願いいたします。

(2015年7月12日付「兵庫民報」掲載)

市川町長選:岩見武三氏が立候補へ

8月4日告示・9日投票

市川町長選挙は8月4日告示・9日投開票で行われ、日本共産党町議だった岩見武三氏(74)が無所属での立候補を表明しています。

岩見氏は神戸大を卒業後、中学校教員を経て、2011年の市川町議選で初当選し、先月23日に辞職するまで議長を務めていました。

岩見氏は「子育て支援や定住促進に加えて、公共下水道や県道・生活道路の改善などのインフラ整備がまだまだ必要。住民のみなさん、町職員と力をあわせて、元気で誇れる市川町づくりに取り組みたい」と決意を語っています。

同町長選には、現在1期目の現職町長が立候補を表明しており、一騎打ちとなる見込みです。

日本共産党は、岩見氏を支援する「市川町 絆(きずな)の会」と、力をあわせて町長選挙をたたかいます。

(2015年7月12日付「兵庫民報」掲載)

県が借上住宅「継続入居可否判定」説明会

借上弁護団が反対声明発表、中止求める

兵庫県が2016年度中にURからの借り上げ期間満了を迎える借上県営住宅15団地145世帯に対し、7月3日から「継続入居可否判定に関する説明」を説明会や個別訪問で行っています。

これに対し、借上復興住宅弁護団は7月2日、反対声明を発表し、県に要請しました。

声明は、借上期間満了を理由とした明け渡し請求は、公営住宅法、借地借家法の解釈を誤っていると指摘。こうした誤った説明を繰り返すおそれがあるため、説明会及び戸別訪問を中止するよう求めています。

さらに、退去を強制する方針・政策を撤回し、法令に則って希望する入居者が継続入居できるよう、URとの賃貸借契約の更新などの交渉を行うよう求めています。



(2015年7月12日付「兵庫民報」掲載)

神戸市の「明け渡し通知」に抗議宣伝:借り上げ住宅協議会


神戸市が兵庫区キャナルタウンの借り上げ住宅居住者に対し「借上期間満了に伴う明け渡しについて(通知)」を内容証明郵便で送りつけ、退去を迫っている問題で、ひょうご震災復興借り上げ住宅協議会は7月3日朝、神戸市役所前で抗議宣伝を行いました。

この宣伝には日本共産党神戸市会議員団も参加しました。

(2015年7月12日付「兵庫民報」掲載)

国民平和大行進が兵庫入り:戦争法案阻止の世論も広げよう

日本海コースを行く(右3人目から)
通し行進の西田、見満、賀川の各氏

7月4日、兵庫県境の豊岡市側の河梨峠で京都府京丹後市からの国民平和大行進(日本海コース)の引き継ぎが行われました。

引継ぎ集会では、但馬原水協の福井茂夫会長が、「隣町の久美浜町とは原発反対のたたかいなどでいつも共同してきた。核兵器廃絶を求める共通の思いを受け継ぎ兵庫県の行進を続けたい」と挨拶。兵庫県実行委員会の梶本修史事務局長は、これまで実行委員長を務めた西岡幸利氏が5月に逝去されたことを報告し、「西岡さんの平和にかけた遺志を引き継ぎ平和行進を成功させる」と決意を述べました。

兵庫県の平和行進は豊岡市城崎町でスタート。全国通し行進者の西田重好さん(滋賀県)が兵庫県内通し行進の見満豪さん(神戸港原水協)、賀川純子さん(年金者組合)などと1緒に観光客で賑わう温泉街を行進。古池信幸豊岡市議など地元の人々が事前に沿道に折り紙を配布しており、次々と折り鶴や募金が寄せられました。

夕刻、豊岡市民会館での出発集会では、梶本事務局長が、平和行進の中で戦争法案阻止の世論を広げることを訴えました。また、豊岡市議会で戦争法案慎重審議の意見書が全会1致で採択され、新温泉町議会が同法案廃案の意見書を採択したことなどを紹介し、「米軍機低空飛行訓練空域の但馬で、戦争する日本にするなの声を響かせよう」と呼びかけました。

雨が降り出す中を元気よく、行進は豊岡市の目抜き通りを進みました。

*

太平洋コースも7日、大阪府から兵庫県へ引き継がれました。また、加東市で年金者組合が中心となり実行委員会を結成、7日にはじめての平和行進を行なうなど、県内各地で網の目行進が取り組まれています。

(2015年7月12日付「兵庫民報」掲載)

伊丹革新懇が沖縄ツアー

伊丹革新懇は7月1日から3日まで2泊3日で沖縄ツアーを行いました。伊丹、川西の日本共産党市議全員を含む17名の方が参加しました。


1日目、新基地建設反対名護共同センターで、宮里昇所長からこの間の沖縄の新基地をめぐるたたかいの経過と教訓、今後のたたかいの展望などについて聞き、その後、学習と交流をしました。

一点共闘を追求しながらオール県民といわれるまでに広げてきた沖縄のたたかいの歴史の一端に触れることができました。

2日目は宮里さんの案内で瀬嵩の浜を訪れました。美しい大浦湾は広い範囲にわたってオイルフェンスで囲われていました。

これが新基地建設予定の場所です。ここに大量の土砂をぶち込み美しい景色を破壊し、ジュゴン、サンゴをはじめ豊かな海の生物のすみかを奪うというのです。しかも、戦争で人を殺す軍用機が飛び立つ場所にするというのです。


キャンプシュワブゲート前は、日本各地の仲間たちの交流の場にもなっていました。新基地建設反対のたたかいをオール沖縄からオール日本へと広げ、なんとしても新基地建設は阻止しなければならないと強く実感しました。

3日目は普天間飛行場、基地外住宅、嘉手納基地などの見学。北谷町議の中村重一さんにガイドしていただきました。

普天間はまさに住宅地に囲まれた危険極まりない基地。9千人以上の住民を武装米兵とブルドーザーで追い出し、家々をなぎ倒し、焼き払い土地を取り上げ基地にしたものです。住民の方はどれほど悔しかったことか。

私たちは沖縄に連帯し、辺野古新基地建設反対、戦争法案反対のたたかいを広げることを決意して伊丹空港に帰ってきました。(中島隆夫=伊丹革新懇事務局)

(2015年7月12日付「兵庫民報」掲載)

兵庫県平和委員会が総会と学習講演会

兵庫県平和委員会は7月4日、神戸市役所水道局たちばな職員研修センターで、2015年度定期総会と学習講演会を行いました。

挨拶する西澤代表理事

開会挨拶に立った西澤槇平和委員会代表理事は、「6・21兵庫県大集会が9,000人以上の参加で平和への新しい流れを実感した。戦後70年の節目の年。戦争は絶対だめだという世代。どうしても戦争法案は止めなければならない。そのためにあらゆる行動をしていきたい。日々行動して〝平和委員会ここにあり〟の取り組みをしたい。今日の総会を機に全国全県に取り組みを発信していきたい」と訴えました。

続いて岩月康範日本平和委員会事務局次長は、「戦争法案を巡って重大な局面になっている。それに対して各地で阻止するために反対運動がかつてなく広がっている。平和と戦争をめぐって大きな課題が私たちに課せられ、大いに語り、全国のすすんだ経験にも学びながら、運動の先頭に立って活動していこう」と訴えました。

高橋正明事務局長からは、この1年の活動、緊迫した情勢と今年度のたたかいの課題として①戦争法廃案をめざし、憲法改悪を許さない活動を当面の重点取り組みにする②沖縄のたたかいに連帯し、支援していく活動を行う③米軍・自衛隊の強化再編に反対し、安保破棄に向けたたたかいをすすめる④核兵器廃絶のたたかい⑤〝2015年日本平和大会in富士山〟の成功への取り組みなどが提起され、そのためにも会員400人の早期回復と500人をめざし、地域の組織をつくることが提案されました。

討論では、芦屋平和委員会から平野貞雄芦屋市議が報告の冒頭、議会質問で戦争法案への態度をただしたのに対し、山中健市長が答弁の中で「憲法順守の立場であり平和安全法には反対」「戦争できない国から戦争できる国にする愚かな選択を取ってはならない」と語ったことを紹介、神戸の西川幸さんは8月22日の「戦争への道 いま、くい止めなければ」集会への取り組みを報告、尼崎平和委員会からも報告がありました。

最後に活動方針・予算・新役員が提案されて採択。新しく選出された田中信一事務局長が力を合わせ、兵庫の平和委員会の発展のために全力をあげる決意を表明して総会を締めくくりました。

総会後には「学習講演会」が開かれ、「戦争法は憲法違反」と題して上脇博之神戸学院大学法学部教授(憲法学)が記念講演を行いました。質疑応答も交えながら、世論と運動を広げて、戦争法案を絶対に阻止しようと参加者が決意する場にもなりました。

(2015年7月12日付「兵庫民報」掲載)

なまの舞台をごいっしょに:こまつ座『父と暮せば』

神戸演劇鑑賞会7月例会


父・竹造(辻萬長)と娘・美津江(栗田桃子)

登場人物は、娘と父のふたりきり。この父娘の会話を通して浮き彫りになるのが「生き地獄」、今から70年前の夏。ヒロシマに投下された原子爆弾による惨状が、具体的に語られる。

1948年(昭和23)。広島市の比治山でひとりで暮らす福吉美津江23歳。彼女は図書館に勤めている。原爆病がいつ発症するのか。そして、原爆投下の日、家の下敷きになって焼け死んだ父・竹造を助けられなかった悔恨に苦しみながら。

ある日。ひとりの青年が図書館にやって来た。集めた原爆資料を図書館で保管して欲しいと。青年の下宿は資料の置き場がない。その上、床が抜けるとの大家の苦情が出ている。

美津江は青年とたびたび会うことに。やがて、恋心が芽生え始める。だが、美津江は素直に、自分の気持ちを青年に伝えられない。いじいじしている美津江を見て、焼け死んだはずの竹造が、のこのこ出張ってくる。

生きることに後ろ向きになっている娘に、生きよ、生き抜けと、励ましの応援歌をおくる。

作者・井上ひさしは、残された被爆者たちの膨大な手記の中から台詞を編み出し、独特のユーモアを交えている。だから、台詞のひとつ、ひとつは、優しいが奥深く、胸に滲みうる。

原子爆弾を投下された直接の激しい憤りはない。が、父と娘の会話から、それ以上の激情が湧いてくる。平和で有ること、そして、生き抜くことの大切さを感じる舞台です。

(小谷博子)


こまつ座公演『父と暮せば』/作=井上ひさし、演出=鵜山仁、出演=辻萬長、栗田桃子/①7月26日(日)16時②27日(月)19時③28日(火)13時30分/神戸文化ホール中ホール/会員制(入会時に入会金1,000円と月会費2カ月前納)、月会費3,500円(大学生2,000円、中高生1,000円)/☎078・222・8651、Fax078・222・8653


(2015年7月12日付「兵庫民報」掲載)

みんぽう川柳〈6月〉「紫陽花」

 選者 島村美津子

特選


紫陽花と平和憲法 日本産
篠山市 鳴瀬美智子

【評】そうだそうだと納得の1句。世界に誇る平和憲法を踏みにじって戦争法案をごり押ししようとする悪魔の安倍政権、こころを慰めてくれる紫陽花の花も平和であってこそ咲く。

入選


署名簿があじさい添えて届けられ
神戸市 長沼幸正

紫陽花を持って反戦署名する
神戸市 小川嘉憲

戦争色ダメよダメよと紫陽花怒る
稲美町 川島ヤエ子

紫陽花もデモする人を励まして
神戸市 与茂田正

反戦のデモに鮮やかなアジサイ
神戸市 高馬士朗

紫陽花に非核港の波光る
神戸市 兵頭和子

あじさいの頃征きし兄還り来ず
神戸市 古賀哲夫

紫陽花も団結すれば見事です
神戸市 小林尚子

紫陽花の根元に埋めてある小鳥
明石市 種田淑子

学校にアジサイ持たす母でした
神戸市 誠かおる

アルカリと酸をあじさい混ぜている
吹田市 喜田啓之

花ことば伏せてアジサイ艶やかに
神戸市 玉山歳子

福島のあじさい忘れないでと咲く
神戸市 吉田利秋

紫陽花は立ち枯れるまで寄り添って
神戸市 妹尾 凛

(2015年7月12日付「兵庫民報」掲載)

ペンの力を思い知らせよう

段 重喜

(2015年7月12日付「兵庫民報」掲載)

観感楽学

きっかけは、息子が幼稚園から借りてきた絵本「おしいれのぼうけん」(古田足日・田畑精一)でした。妻も「懐かしいなあ。ママも大好きな絵本だった」といいます▼気になってパソコンで調べると、軍国少年だった戦前、戦後の思想的葛藤、そして憲法9条への熱い思いを語る古田さんの言葉をみつけました。もっとその生き方や考え方を知りたいと、古田さんの『現代児童文学を問い続けて』『わたしたちのアジア・太平洋戦争』を読みました▼古田さんはその本で、アンデルセンの「皇帝の新しい着物」(「はだかの王様」)が児童文学との出会いだったと述べ、「天皇も王様もただの人間だという真実があると、ぼくは思った」と戦争への反省が深められていきます▼もっともハッとしたのは戦争についての「体験の思想化」という言葉。古田さんは、「加害体験にもっと向き合わないと」と語ります▼現代の「裸の王様」安倍首相は、過去の日本の戦争を「侵略戦争」はおろか「間違った戦争」とも認めない、驚くべき歴史認識を披歴しました。戦後70年、日本の戦争の真実を若い世代と学び、語り合い、「戦争法案」を止める力にしたい。 (T)

(2015年7月12日付「兵庫民報」掲載)