いっせい地方選挙後、初の定例県議会(6月12日~25日)が開かれ、新しく任期がはじまった各県議が、本会議一般質問、常任委員会での質疑を行いました。
戦争法案を廃案に:入江議員が一般質問で迫る
国会会期の延長が決まった直後の県議会で、日本共産党の入江次郎県議が初質問。井戸知事に、「戦争法案の廃案」を国に求めるよう迫りました。
入江県議は、安倍内閣の戦争法案が、立憲主義に反し、憲法違反であると指摘し、日米新ガイドラインにより兵庫県も協力を求められる危険なもので、国民の多くが説明不足と回答していることからも、知事として廃案を求めるべきだと主張しました。
これに対し、井戸敏三知事は、法案への自身の態度は示さず、「様々な意見があるなかで、国会で国民の納得が得られるよう、10分かつ慎重な論議がなされるべき」と答弁しました。
庄本・きだ議員が請願採択に奮闘
日本共産党の庄本えつこ県議は、総務常任委員会で、「安保関連法案の速やかな廃案を求める意見書提出」請願の採択を求め、きだ結県議は、本会議で採択を求めて討論を行いましたが、自民党・公明党・維新などの反対で不採択になりました。
「集団的自衛権の本質は『他国防衛』。自国への直接の侵略の意味の自衛とは異質」(22日国会、元内閣法制局長官・宮崎礼壹氏)と指摘されているにもかかわらず、自民党は「必要最低限の自衛の措置」「過去の政府見解や最高裁判決を基本的に踏襲」、公明党は「違憲であるという指摘はあたらない。戦争を抑止する法案」などと不採択を主張しました。
一方、庄本県議は、「国会で審議中の法案は、議論すればするほど、法案の危険性が浮き彫りに」「いつでも、戦闘地域でもどこでも、どんな戦争にも、弾薬の輸送・提供から、道路建設までなんでも、つまり、集団的自衛権の行使でアメリカの戦争に直接参戦する道を開くもの」と採択を求めました。
民主党は、「まず廃案にして国民的な議論を」と賛成し、維新の党は、「領海警備などの法整備の対案を出す予定」でただちに廃案は賛同できないと意見表明しました。無所属で採択に反対したのは、大前はるよ(西宮市)、盛耕三(相生市)、樫野孝人(須磨区)各県議でした。
高い国保料の引き下げを
入江県議は、県に移行する国民健康保険制度について、国のあらたな支援が、市町の保険料引き下げに10分反映していない実態を示し、今後の国庫負担の抜本的な増額や保険料を下げるための県支援制度の創設を求めました。
産廃「厳正な対処」約束させる
姫路や赤穂で大きな問題となっている産業廃棄物の最終処分場の建設問題で、入江県議は、地域住民からの不信の根本に、悪質な業者にたいする厳しい行政処分を行ってこなかった県の姿勢があることを指摘し、環境省の指針にもとづく厳格な対応を求め、県当局も「行政処分を含めて積極的かつ厳正に対処」することを約束しました。
こども医療費の完全無料化、公契約条例など要求
また、こども医療費について、県制度に上乗せし、姫路市でもこの7月から中学卒業まで無料化がはじまり、県下の4分の3にあたる30市町となっていることから、県制度の中学卒業まで完全無料化を要求。また、建設業者の賃金の実態を示して、下請け業者の賃金を保障するための公契約条例の制定を求め、県当局に「条例制定自治体の運用状況など情報収集」を約束させました。
安全・防災面では、姫路などの石油コンビナートの液状化対策を取り上げ、「13の事業所が改修の必要があるが未着手……必要な液状化対策の実施を指導する」と回答がありました。
(2015年7月5日付「兵庫民報」掲載)