兵庫県弁護士会憲法問題委員会 吉田維一委員長
「集団的自衛権行使容認」反対、「特定秘密保護法」反対の市民集会などもやってきましたが、従来の市民集会と比べても関心が高く、参加者が多かったことから、市民集会よりも、多くの方々に参加してもらえるようなイベントが期待されていると考え、今回、弁護士会として初めて、「大集会&パレード」に取り組むことにしました。
この集会に向けては、これまで以上に、若手弁護士が力強い協力をしてくれています。これまでにも多くの参加の呼びかけを行ってきましたが、この間は、弁護士会の公式キャラクターである「ヒマリオン」も投入し、大学近くで、大学生向けの宣伝も行いました。30分で500枚のポストカードがなくなるなど、若い人たちにも反響は大きいんだと実感しました。
ある憲法学者の言葉で、「政治は憲法に従わなくてはならない」という言葉がありますが、とにかく今回の法案は、政治が越えてはならない一線を越えています。今回の集会で掲げている「集団的自衛権行使容認」反対、「特定秘密保護法」反対は、日弁連と全国52のすべての弁護士会が一致しています。明確な憲法9条違反です。
兵庫県弁護士会は、安全保障法制についても、集団的自衛権行使を認める点で憲法違反の法律であるとともに、後方支援活動の範囲が拡大し、他国の軍隊の武力行使と一体となる危険性が高く、海外における武力行使につながると考えており、「平和安全法制整備法」案、「国際平和支援法」案に反対し廃案をもとめる会長声明を発表しています。
今回の法案は、自衛隊員の生命を危険にさらすだけでなく、私たちの生活にも影響がある改正であることも忘れてはならないと思います。
特定秘密保護法がある中で、10分な情報提供が国会や報道機関になされない状況で、「存立危機事態」だとして集団的自衛権が行使されることになれば、日本を攻撃していない国に対して攻撃を行うことになります。攻撃を受けた相手の国も、日本に対し反撃しようとするでしょうから、日本は武力攻撃されるおそれがあるとして、今度は「武力攻撃事態」を認定することになるでしょう。そうなれば、すでに2004年に制定された有事法制の一つである自衛隊法103条が起動します。この条文は、私たちの土地や建物の収用を可能にし、生活必需品の輸送を制限でき、空港や港湾なども軍事優先に利用されるようになりますし、医療従事者なども徴用することができます。
日本が攻められていなくても自衛隊が海外で武力行使をする、その影響が私たちの生活にも及んでくるといった「リアルな現実」を想像し、これまで国民が憲法9条によって、渡してこなかった強大な権限を差し出す法案であることも知っていただきたいと思います。
私たち弁護士の最大の使命は、基本的人権の擁護にあります。戦争は最大の人権侵害であり、市民の人権は平和の中でしか守ることができないことは歴史が証明しています。弁護士の使命にかけて、6月21日の集会(14時~、三宮・東遊園地)を成功させるためにがんばります。ご協力をお願いします。(談)
