Web版の発行はしばらく休止します

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2015年5月24日日曜日

戦争法案反対!:いっせいに各地で行動

安倍内閣が5月14日、「戦争法案」を閣議決定したのに対し、兵庫県内各地でも日本共産党の支部・後援会や議員、民主団体、自発的な人々が街頭などで反対を訴えています。

党県委員会の集計だけでも14日から17日までの間に210数カ所以上で、700人近くが参加し8,600枚を超えるビラを配布しています。

加古川駅前でアピールする新婦人会員

加古川駅前では憲法改悪ストップ加印共同センターのよびかけで宣伝。72筆の署名を集めました。

総会後すぐに宣伝を行った西明石9条の会

西明石9条の会は第3回総会で、憲法「改正」国民投票を視野に全有権者過半数をめざし、アピール対話・署名行動をくりひろげようとの方針を決定し、閉会後、さっそく街頭宣伝を行いました。

高砂市委員会の横断幕

日本共産党高砂市委員会は横断幕を新調。さっそく取り組んだ曽根駅前での宣伝では女子中学生2人も署名に応じました。

姫路駅前でのスタンディング

姫路駅前では、市内の会社員らが呼びかけた「播州だまっと連」が16日以降、毎週水曜日、JR姫路駅前で横断幕やプラカードを掲げる「スタンディング」で訴えています。

尼崎の立花駅前では、高校生が宣伝を手伝ってくれました。

神戸市東灘区のJR住吉駅前では、元自衛官も「戦争法はあかん」と応えてくれました。

第32回原発NO!淡路市民行動が洲本市イオン前公園で行われ、再稼働反対をコールし、戦争法案反対も訴えました。

初めての青年もおおぜい―若者憲法集会



元自衛官の泥憲和氏、あすわか兵庫の吉江仁子弁護士、衆院議員の堀内照文氏をパネラーに招き、17日に神戸市内でひらかれた「兵庫若者憲法集会」には約60人が参加し、資料が足りなくなるほど。初対面の青年たちも多く、実行委員を驚かせました。

(2015年5月24日付「兵庫民報」掲載)

新人議員の決意:服部よしひろ伊丹市議

選挙戦で出会った1つひとつのドラマ、市民1人ひとりの思い積み重ね

妻の多眞子さんと選挙報告会で挨拶する服部さん

伊丹市議会議員選挙で初当選した服部よしひろ(好廣)です。

町内から市会議員が出るのは50年ぶりだそうです。地元町自治会の長老の方が事務所開きで期待を込めてこの話をされて、そのことをずっと意識してこの選挙をたたかいました。

「安倍政権の『戦争する国づくり』を止めることができるのは『大嫌いな』共産党だけ。がんばってほしい」――80代の女性は、樺太に3年間抑留された悲惨な戦争体験を語った後にこう言いました。

生活保護申請を2度も門前払いされ「死んでやる」と自暴自棄になっていたお年寄りにも出会いました。「議員に必ずなるから一緒に窓口に行こう」と言って励ましました。

幼稚園門前で子供の医療費無料化を訴えると、子どものお迎えのお母さんから、「所得制限は無くしてほしい」と訴えられました。

地元で小さなスーパーを営む老夫婦は「とても商売にはならないが、うちを頼っているお年寄りがいるので閉められない。消費税を何とかしてほしい」と訴えられました。

こうした1つひとつのドラマ、市民1人ひとりの思いが1票1票に積み重なって得られた勝利だと誰もが実感できる16票差での最下位当選。これからのすべての活動が4年後の選挙に結びつき、準備することになっていくのだと思います。

掲げた公約「福祉最優先・子育て一番の伊丹」実現に向け、また、伊丹に住む多くの自衛隊員のいのちとその家族の幸せを守るため、「戦争する国づくり」をストップさせ、憲法をくらしに活かす政策の推進に全力で頑張ります。

(2015年5月24日付「兵庫民報」掲載)

新人議員の決意:庄本けんじ西宮市議

すべての子どもたちが使える医療費無料制度に―など決意は満杯


街頭で訴える庄本さん

いまどこへ行っても、「よかったね!」と喜びの声を寄せていただきます。抱きかかえるようにして喜んでくださる人、涙ぐんで「よかった」といってくださる人、「当選が決まるまで寝られんかった」「うれしくて朝まで寝れんかった」…。定数41で40位の滑り込み! 薄氷を踏む大きな勝利でした。みんなで勝ち取った西宮の6議席。本当に喜んでくださっています。この期待に応えて頑張ります。

選挙中にも寄せられた切実な声。西宮の子どもの医療費は、兵庫県のなかでもいち早く、無料制度を中学校3年生卒業まで広げました。

ところが、所得制限がかかってしまったために、この無料制度を使えなくなった子どもたちが1万5,700人。ある人から切実な書きつけが寄せられました。〝やっと赤ちゃんが生まれた。お父さんも喜んで、仕事を頑張る、といって、頑張った。それで、給料があがった。そうすると、子どもの医療費の無料制度が使えなくなった。子どもを病院へ連れて行くたびに、まずお金のことを考えないといけなくなった。こんな切ないことは無い〟という訴えです。

子ども4人を育ててきた私にとっても、この訴えは、身につまされる思いでした。

なんとしても、所得制限を撤廃させて、西宮のすべての子どもたちが、子どもの医療費の無料制度を使えるようにしたい! 決意は満杯です。頑張ります。

(2015年5月24日付「兵庫民報」掲載)

新人議員の決意:みとみ稔之宝塚市議

平和第一に、市民の声をまっすぐ議会に届け市政を前進させたい

東阪神メーデー会場で

皆さんこんにちは。

4月26日に行われた宝塚市会議員選挙で、皆さんの大きなご支援のおかげで初当選を果たさせていただいた、みとみ稔之です。

選挙戦中には、駅前や街角で多くの有権者の方々と対話しましたが、「安倍さんの政治は怖い」「戦争する国づくりを止めてほしい」「暮らしが大変だ。何とかしてほしい」「医療や福祉をよくしてほしい」という声をたくさんいただきました。また、それをやれるのは共産党しかないという期待の声も多数いただきました。

そうした皆さんの期待にこたえ、いのち、暮らし、平和を第一に、市民の皆さんの声をまっすぐ議会に届け、宝塚市政を前にすすめるために奮闘する日本共産党宝塚市議団の一員として、頑張ってまいります。

4月30日には議員総会、5月8日に新人議員研修1回目がありました。研修では、議員としての心構え、政治倫理に関することや、議会の役割や議会運営についての説明を受けました。5月13日には、臨時本会議があり、正副議長はじめ役員の選出、各常任委員会への委員の選任などが行われました。私は、たぶち静子市議とともに産業建設常任委員会に所属することになりました。

いよいよ議員生活が始まっていくんだと日々実感しております。

議事の進行の仕方など初めてづくしで戸惑うことも多いですが、先輩議員さんのご指導もいただきながら、しっかり勉強して、一歩一歩、成長していきたいと思います。

皆さん、あらためて、よろしくお願いします。

(2015年5月24日付「兵庫民報」掲載)

新人議員の決意:ひろせ久美子芦屋市議

子どもたちを戦争に巻き込ませたくない
身近な問題でも声聞き、行動したい

森しずか市議、平野貞雄市議とともに
宣伝するひろせさん(右)

こんにちは、芦屋市議に木野下あきら議員の後任として立候補しました、ひろせ久美子です。皆様からの大きなご支援で初当選させていただきました。大変うれしく思うと同時に、これから始まる議員生活1,235票の重み又それ以上のご期待に身の引き締まる思いです。

生まれて初めての選挙戦は、支部の方々、後援会の方々、そして友人や家族のサポートのお蔭様で「明るく・楽しく・精一杯」をモットーに戦うことが出来ました。

「心を込めて訴えると聞いてもらえるし伝わる」とアドバイスもいただき、ひとつひとつの演説に心を強く込めて訴えました。

私が、子どもたちを戦争に巻き込ませたくないと思い立候補を決めた「平和の問題」。「憲法9条を守る力を芦屋市からみなさんとご一緒に大きく」することで、戦争する国づくりをストップさせようと訴えると、「安倍さんの考えが怖い」と声を掛けてこられる方が何人もいらっしゃいました。

子どもが健やかに育つことを優先にした保育所増設、公立幼稚園での3年保育実現に力を注ぐこと、私の母と主人の母の介護を通して介護保険サービスの利用料の引き下げや充実を訴えると、ベランダや窓辺に立ち、じっと聞いてくれる方や、訴えが終わった後に「がんばってね」とエールをくださる方、介護をする方も安心して仕事や生活ができるように望む、とお話しくださる方もありました。

公約に掲げていることはもちろんですが、身近な問題にも声を聴き・考え・行動したいと思います。頑張ってまいります!

(2015年5月24日付「兵庫民報」掲載)

借り上げ住宅協議会の要請に神戸市:「従来どおりの対応をしていく」

ひょうご震災復興借り上げ住宅協議会は5月18日、神戸市に要請を行いました。

協議会とともに神戸市を追及する味口、大かわら市議

今回の要請は、2月26日の衆議院予算委員会で堀内照文衆院議員が、難病で車椅子で生活している借り上げ住宅入居者が、神戸市から退去を迫られ、市営住宅の14階に転居させられたケースをとりあげ、「政治によってまさに新たな苦難を強いている。復興災害と言わざるを得ない」「大震災で九死に一生を得た被災者に対しこんな仕打ちをするのが日本の政治であっていいのか」と追及したのに対し、太田昭宏国土交通大臣が「兵庫県や各市に対し、入居期限後の支援策全般について……丁寧な対処をしていただけるようにしたい」と答弁したことを受け、協議会が提出し、神戸市の見解を求めていたものです。

しかし、今回の要請に対し住宅都市局は、「方針を変えていこうという議論にはなっていない」「従来通り対応をしていく」と応答。堀内議員が取り上げたケースについても現地調査をしないまま放置していたことが判明しました。

協議会側が「職務怠慢ではないか」と追及しても、「そうは思わない」と開き直りました。また、協議会の度重なる要求にも関わらず課長が対応し、部長・局長は交渉には応じません。

安田秋成代表は、「国会の答弁でさえ多少人情味が出ているが、市にはないですね」「神戸市の恥部をさらすことになりますよ」と厳しく批判しました。

この日の要請には、日本共産党神戸市議団から味口としゆき、大かわら鈴子市議が同席。味口議員は、「困っている人がいるならば、まず現場に行き、話を聞くことは当たり前の事ではないでしょうか。引き続き、被災者である入居者のみなさんといっしょに頑張ります」と語っています。

(2015年5月24日付「兵庫民報」掲載)

堀内衆院議員が労働者派遣法改悪案で質問

堀内照文衆院議員は、国会審議に入った労働者派遣法改悪案にかかわって、この間、2度質問にたちました。

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5月12日は、衆議院本会議で、法案の趣旨説明に対して、安倍首相などに党を代表して質問しました。

堀内議員は、労働法制は本来、人間らしく働ける環境をつくるためのもので、「打破すべき岩盤規制」とは呼べないと、安倍晋三首相の姿勢を厳しく批判。戦後の労働法制の大原則である直接雇用に風穴を開けるのが労働者派遣法の制定だったと指摘。その後、規制緩和が進められ、非正規雇用を拡大させたと述べました。さらに、今回の改悪案は①派遣元に無期雇用されていれば期間制限をなくす②労働組合から意見聴取すれば、受け入れ期間を際限なく延長できる③別の部署に配置換えすれば、同じ人を使い続けられる―と問題点を指摘。「正社員から派遣への置き換えがますます進むことになる」と迫りました。

安倍首相は、派遣延長について、「(会社側が)事前に対応方針を説明する」というだけで常用代替防止の担保を何も示せませんでした。派遣労働者の正社員化についても、「正社員募集の情報提供を義務付ける」と繰り返すだけ。堀内議員は「教育訓練や情報提供をいくら進めても、正社員への登用が保障されない。派遣先に雇用責任を果たさせるべきだ」と求めました。

また、堀内議員は日本の雇用慣行が損なわれる場合は再検討するなどとの「修正」がくわえられたことについて、「派遣労働が拡大することを危惧しているということだ」と指摘。「労働者に『生涯派遣』を押し付けるような法案は廃案以外ない」と批判しました。

*

5月15日には、厚生労働委員会で質問しました。

堀内議員は、今回の派遣法改悪が派遣を使い続けたいとの経済界の要望を受けたもので、とても審議するに値しないことを浮き彫りにするべく質問をおこないました。

堀内議員が、派遣先企業が派遣の受け入れを延長する場合に義務とされる職場の過半数労働組合などの意見聴取について、「組合がそもそも応じなければどうなるのか」とただすと、坂口卓厚労省派遣・有期労働対策部長は「派遣先は意見聴取を働きかけたので、手続きを怠ったとは考えにくいが、審議会で議論してほしい」とのべ、意見を聞かなくても期間延長できることを示唆しました。堀内議員は「(法案には)意見を聞かなければならないとはっきり書いてある」と批判しました。

また堀内議員は、技術者派遣大手シーテックが2009年、無期雇用の派遣労働者4,800人を1~2カ月「自宅待機」にした後に解雇した事例を示し、「安定とは程遠い」と強調したうえで、無期雇用の派遣労働者の実態を告発しました。

「医療材料の物流を行う会社で、初めは登録型派遣で働き、その後、無期雇用の派遣社員となった。要冷品を扱うため、5℃の冷蔵庫で一日働き、無期雇用ということで日直や当直を次々入れられる。10年つとめたが身体がボロボロになり、辞めざるを得なかった」という神戸の労働者の実態を紹介し、「無期雇用といっても、心身を壊してやめなければ、劣悪な雇用環境が継続するだけ。安定とはほど遠い」と語気を強めました。

堀内議員は、改悪案の施行日を9月1日にしたのは、違法派遣の場合に派遣労働者を直接雇用にする「みなし制度」の10月施行を発動させないためだとのべ、「動機も目的も労働者保護とはかけ離れたものだ」と批判しました。

(2015年5月24日付「兵庫民報」掲載)

戦争法案阻止へ一点共闘などとりくみ確認:伊丹革新懇総会

伊丹革新懇第3回総会が5月16日、伊丹市立図書館「ことば蔵」で開かれ、60人が参加しました。

記念講演はフリージャーナリストの西谷文和氏。4度も内戦中のシリアに潜入し、自身が銃弾が飛び交う中で撮影した生々しい映像を交えながらの話でした。


ISによる後藤健二さん殺害事件について、西谷氏は、後藤氏が拘束されている間、信頼できる筋から「イスラム国は後藤さんを殺すつもりはない」という情報を得、何度も外務省に働きかけたことを明らかにしました。

ところが日本政府は何度もあった後藤さん救出のチャンスを生かさず、安倍首相のエジプトでの演説など、ISを挑発するなどし、「その上で後藤さんの死を〝テロとのたたかいに加わる〟と集団的自衛権行使のため、改憲のために利用ようとした」と批判しました。

また、中東の内戦がいつまでも終わらず、ISのような過激な集団ができた裏には戦争で儲ける人たちの存在があることも指摘しました。

続く総会では「学習」「宣伝」「研修旅行」「文化活動」の4つの柱で活動していく方針を確認しました。

特に今年度は、①「戦争法案を何としても阻止するための一点共闘および市民にその危険性を訴えていく宣伝行動」②「沖縄辺野古新基地建設反対に連帯する旅の計画」③「文化活動として『木津川計一人語り』を成功させる」ことを執行部から提案し、満場一致で確認されました。

(中島隆夫=伊丹革新懇事務局)

(2015年5月24日付「兵庫民報」掲載)

加西市議選:井上芳弘氏が8選

加西市議選(定数15立候補19人)は5月17日投開票の結果、日本共産党の現職・井上芳弘氏(63)が1,341票(得票率5.6%)6位で当選し、8期目の議席を獲得しました。

井上氏の得票は前回比113票減ですが得票率は0.2㌽増となりました。昨年の衆院選比例比では492票減(得票率3.7㌽減)。

井上氏は、国保税・介護保険料引き下げ、保育料・学校給食費無料化、買い物に便利な公共交通、中小企業振興条例、進出企業に地元正規雇用を求めるなどの公約とともに、戦争する国ノー・憲法9条を守れと訴えました。


(2015年5月24日付「兵庫民報」掲載)

原発再稼働反対、脱原発求め関電神戸支店前行動「第150夜」

2012年7月6日以来毎週金曜休まずのべ10,605人参加



原発再稼働反対、脱原発を求める毎週金曜関西電力神戸支店前行動が5月15日に150回目を迎え、記念行動「百五十夜」が行われました。

関電神戸支店前行動は、2012年7月6日の第1回行動からスタートし、年末年始やお盆なども休まずに取り組み、149回行動までで、のべ10,605人が参加して「原発なくせ!」の声をあげ続けてきました。

「百五十夜」には180人が参加し、「原発再稼働反対」「原発なくせ」の思いを交流しました。

福井地裁で仮処分判決が下された高浜原発再稼働差し止め訴訟の原告は、「判決では、原子力規制委員会の基準そもそもが緩すぎると下された。規制委員会の委員長自身が審査基準満たしたから安全だとは言えないと言っている。安全だという規制まで作らせないといけない。それまで戦い続けしょう」と呼びかけました。

ゴールデンウィークに福島県でのボランティアに参加した学生は、「放射性汚染物を詰めたフレコンバッグが何100メートルも積まれているのを見た。現地の人から『もうこの町はなくなるしかない』という話を聞いて、原発はなくさないといけないと思った」と語りました。

原発賠償ひょうご訴訟弁護団の弁護士や、元関電職員、4月の地方選で当選した神戸市議などもスピーチ。トランペット演奏、毎週の行動で定番になっている原発なくせの思いが込められた替え歌など多彩なアピールも行われました。

関電前行動後には150人を超える参加者で「再稼働反対! 日本のどこにも原発いらない!」と三宮センター街などをアピールして歩きました。

(2015年5月24日付「兵庫民報」掲載)

戦後70年を日中戦争の視点で考える:日中友好協会加古川


日中友好協会加古川支部は4月29日、市内で協会創立65周年を記念して、支部第12回定期総会と公開学習講演会を開催しあわせて30人が参加しました。

学習講演会は「戦後70年を日中戦争の視点で考えよう」をテーマに行われました。

第1部では昨年2度にわたり協会員が湖南省を現地調査し、研究者と事件被害者から聞いた証言と記録にもとづき、上田雅美県連事務局長が映像で報告しました。「廠窖(しょうこう)虐殺事件」は、日本軍により太平洋戦争期、中国最大の3万人余が虐殺されたとされるもの。県内での報告会でも大きな話題となり、週刊誌で2度も報道され反響が広がっています。

小田文雄さん

第2部では、元中支派遣軍20軍(主計曹長)兵士であった織田文雄さんが(95歳=3田市在住)、中国での体験を講演しました。織田さんは「1940年安徽省に上陸後、湖北省、湖南省と各地を侵攻、激戦を幸いに生き抜いて転戦、長沙で敗戦武装解除。捕虜となった時、日本軍の侵してきた行為から、死刑か重労働20年以上も覚悟したが、思いがけず、帰国するまで統率のとれた生活ができ、長沙ではさんざん攻撃した現地農民の方に世話になり、帰国の時は手を振って見送ってもらった。平時ではみんな同じ人間です。絶対に戦争にしてはならない」との言葉に参加者は感銘を受けました。

*

学習講演会に先立ち第12回総会を開催。「戦後70年」にあたって「不再戦平和活動」を基本に、中国現代史研究会の発足や、日中相互理解をすすめる力となる「中国検定」など諸活動の中で「仲間づくり」を重視する方針をきめました。また、前田清支部長、高原事務局長など諸役員を再任しました。(前田清)

(2015年5月24日付「兵庫民報」掲載)

「あさぎ」5月詠草:姫路年金者組合

青空に宙返りして飛行機は新装成りし白鷺城祝う
大見出しの「高浜再稼働差し止め」にきっと呑み込む喝采の声
衣川有賀子

春の雨花も一緒につれて来て樫の若葉が透けて揺れいる
春の山パレットの色を筆ではくやわらかき色に心うきたつ
藤原信子

天空にとどく小鳥の影写し壁は真白にまぶしく光る
ボートこぐ夕暮の水面に影うつす白亜の城は揺らぎて見ゆる
江藤雅江

庭隅の山蕗つみて佃煮に香と苦味を一人楽しむ
孫娘投票日来て二十歳権利行使に香川より帰省
常田洋子

自衛隊は地球規模で米軍と共に参戦と安倍の演説
安倍暴走民主主義をけちらして七十年の平和を壊す
田渕茂美

(2015年5月24日付「兵庫民報」掲載)

ひなたぽっころりん(554)



(2015年5月24日付「兵庫民報」掲載)

観感楽学

1949年ひとりの高校教員が同人雑誌に小説「美しい島」を発表した。初めて洋上から望見したポルトガル人が「おお麗しの島!」と叫んだ台湾島。小説は日本統治期の1930年に起きた霧社事件の真相を描く希望を綴っている。作者は後に豊岡高校教員となる故高田三良氏▼原住民を「蕃ばん」とよび高地に追い込んだ清、日本や欧州列強。台湾に漂着した琉球漁民虐殺の報復を名分に1874年帝国日本初の海外侵略・台湾出兵を行った。直後の日清戦争で原住民の意思など顧慮せず帝国領土とした。故高田氏は縁故と人生の曲折あって、昭和10年代に台湾でくらし結婚もした▼氏は日本『帝国主義下の台湾』(矢内原忠雄著)であることを明確に認識して、台北帝大教室に展示された霧社蕃反乱の頭目モーナルーダオのミイラを観ている。西欧、日本、中国大陸との歴史綾なす台湾と原住民の帰き趨すうは今日も問われている▼日中韓研究者共同の『新しい東アジアの近代史』(日本評論社)刊行や、日本共産党の北東アジア平和協力構想の提唱は、故矢内原氏や故高田氏の熱望にも応える道だろう。歴史認識の共有をめざす近代100年の日本国民の最良の蓄積の成果だ。 (A)

(2015年5月24日付「兵庫民報」掲載)