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2015年4月26日日曜日

福井地裁の高浜原発仮処分決定について:金持徹さん

福井地裁民事第2部(樋口英明裁判長)は4月14日、関西電力高浜原発3・4号機の運転を差し止める仮処分決定を下しました。決定は、原子力規制委員会が策定した原発の新規制基準は「緩やかにすぎ、これに適合しても本件原発の安全性は確保されていない」「合理性を欠く」と指摘しています。関電は保全異議の申し立てや本裁判で決定を覆すことができなければ、法律上は再稼働できなくなりました。

この決定について原発をなくし自然エネルギーを推進する兵庫の会代表の金持徹神戸大学名誉教授に寄稿していただきました。(見出しは編集部)

原発推進の暴走政治 国民の投票行動で変えよう

原発をなくし自然エネルギーを推進する兵庫の会代表 金持 徹

金持徹氏
昨年5月に、大飯原発の再稼働の差し止めを求めた福井地裁の判決が出てからおよそ1年。今度は高浜原発3、4号機の再稼働を禁じる仮処分の決定が出た。昨年の「差し止め判決」に対して原発側は、早速「控訴」をして、判決を無効にしようとしているが、今回の「仮処分判決」には同じ手段がとれない。原発の危険を心配し、なんとか再稼働を止めたいと願う国民の側からすれば、とても有難い判決である。

しかし、この判決のおかげで高浜原発の再稼働は何年くらい引き延ばせるのだろうか。そして、その期間を利用して、我々は何をしなければならないのか。また、今後も各地の裁判所で、同様の「仮処分決定」をしてもらえるのかも問題である。

日本国では、首相が議会の多数党の党首を兼ねていて暴走ができる。例えば、「原子力規制委員会」は、純粋に科学的見地から意見を出す「独立した第三者機関」のはずだったが、そこの副委員長だった地震学者さんが、各地の原発の直下の活断層について強い懸念を表明すると、簡単に別の人と交代させられてしまった。

昨年と今年と、2回も我々に「国のあるべき姿」をさし示して下さった樋口英明裁判長は、4月1日付で名古屋家裁に異動された。(編注=今回の差し止め訴訟は、名古屋高裁が職務代行を発令し、樋口裁判長が引き続き担当した)。

こうした状況を根本的に変える手段は何か。それは、国民の投票行動であろう。政府は、各種の世論調査がどんな結果を示しても、そんな「民意」は少しも気にしないで暴走を続けるが、もし議席数が激減すれば色を失うに違いない。それには、目先の地方選挙をはじめ、あらゆる選挙を重視し、ていねいに国民に働きかける努力が基本であろう。

いま、日本政府は原発維持のために、再生可能エネルギー発電をおさえ込もうと必死だが、現在、再生可能エネルギー発電の総発電量の世界最大は中国、2位がアメリカ、全発電量の中での再生エネルギー発電の比率がトップは、ヨーロッパ諸国、そして日本は後進国である。

(2015年4月26日付「兵庫民報」掲載)

福井地裁の高浜原発仮処分決定について:電力兵庫の会

消費者・労働者と手つなぎ原子力発電からの撤退を


電力労働運動近畿センター・電力産業労働運動兵庫研究会(電力兵庫の会)も15日に声明を発表。前半部分で福井地裁の仮処分決定の概要を紹介した上で、「わたしたちは、消費者や電力現場で働く人々と手をつなぎ、原発にしがみつく経営をやめさせます」と表明するとともに、関西電力への要請を広げることを呼びかけています。その声明の後半部分の大要を紹介します。(文責編集部

*

電力現場で働く人々は、365日24時間消費者の暮らしの安全・安心のためライフライン維持に全力を上げていますが、「経営効率化による原発再稼働」のため労働条件が一気に破壊されています。

電力設備は原発だけではありません。送電線、変電所、配電線、生活・企業の現場、そこでの建設・保守に大変な維持費が必要です。原発に莫大な費用を持っていくことによって、こうしたライフラインの老朽化が心配です。

一方で、地球温暖化から、環境問題・エネルギー問題に関心を高める市民は急増し、再生可能エネルギーの電力供給能力は、福島事故後爆発的に増加し、2014年2月末現在2,760万㌔㍗となり、関電の発電供給力に匹敵するくらいとなっています。

再生可能エネルギーは、発電時にはCO2を排出しません。事故が起きてもその影響力はきわめて少なく、短時間で復旧できます。しかも、100%自給できます。

発電量が不安定とのマイナス面はありますが、天候の予測、風の予測、設置場所の分散化、電力系統の強化などでマイナス面を克服できることは、スペインなどの再生可能エネルギー50%以上などを見ても明らか。日本は火山国で。安定供給できる地熱発電などは世界第3位の賦存量があります。

危険な原子力から手を切ることを前提とするなら、いろんな新しい未来のエネルギーが想像できます。福島を忘れ、地球温暖化に目隠しをし、気候変動枠組み条約の国際会議で化石賞をもらう日本のエネルギー政策は根本的に見直すことが求められていると思います。

私たち電力現場で働く者、また働いて来た者として、電力消費者の皆さんと手をつなぎ、原子力発電から撤退し、再生可能エネルギーの優先導入を目指すことを基本に据えたビジョンを具体的に実現する運動を続けていきます。ご一緒に頑張りましょう。

(2015年4月26日付「兵庫民報」掲載)

厚生労働省関係独立行政法人の「改革」法案への堀内議員の反対討論


私は、日本共産党を代表して、ただいま議題となりました独立行政法人に係る改革を推進するための厚生労働省関係法律の整備等に関する法律案に反対の討論を行います。(4月14日衆院本会議

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本法案に反対する第1の理由は、労働安全衛生総合研究所と労働者健康福祉機構が、統合を機にいっそうの「合理化」「効率化」を迫られ、労働者の健康・安全を守るという重要な役割を阻害されることです。

長時間過密労働による精神疾患、健康障害、過労死・過労自殺はいっこうに減らず、重大労災事故が高止まりするなど、労働者の健康・安全は深刻な状況です。

労働安全衛生総合研究所は、理・工学、医学、健康科学等様々な観点から労災防止の調査研究を総合的・専門的に行っています。労働者健康福祉機構は、労災疾病に対する予防、治療、リハビリテーションから職場復帰に至るまで一貫した高度・専門医療の提供等を担っており、両法人の機能強化こそ必要です。

しかし、労働者健康福祉機構の中期目標は、統合メリットを発揮するための事務・事業の見直し、労災病院の譲渡や財務状況改善のための運営体制の見直しなどをあげています。統合により、両法人の役割が強化される保障などどこにもありません。数合わせのための統合といわざるをえないのであります。

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第2に、年金や中小企業の退職金といった、老後を保障する国民の資金を、投機的な運用に投げ込み、高リスクにさらそうとしています。

勤労者退職金共済制度は、運用の基本方針の審議も事後評価も、大臣が任命した資産運用委員会が担うことになります。資産運用に関する権限を集中する一方、積み立てる側の労使から、人選や決定に異議を申し立てることはできません。

年金積立金管理運用独立行政法人は、年金積立金の運用を見直し、国債比率を引き下げる一方、株式比率を倍化するとしています。新たに運用の専門理事を配置することは、株式運用をすすめるための体制整備そのものです。

変動が激しい株式市場での資金運用拡大は、積立金を大きなリスクにさらすものです。損失がでれば、そのつけは退職金や年金削減、保険料の引きあげとなって国民におしつけられます。巨額の積立金を株式市場に投じ、安定運用の原則を棚上げにすることは許されません。

以上、討論を終わります。
(2015年4月26日付「兵庫民報」掲載)

堀内議員が保育所改修・耐震化予算増額を要求

改修・耐震化予算の不足が民間保育所廃止・待機児童の一因に


堀内照文衆院議員は4月7日、衆院厚生労働委員会で質問に立ちました。厚生労働省関係の独立行政法人にかかわる法案への質問とともに、その問題に付随する問題とあわせて、前回おこなった保育についての質問に関連して、保育所老朽化問題をとりあげました。

堀内氏は、「保活」を特集した雑誌から、「まだ育休中にもかかわらず生後3カ月で預けなければならない」「病院のベッドから保活。認可外に20万円以上の負担」「復職が遅れたらアウト。第10希望にすべりこみ」「電話すらつながらない。もう引っ越すしかない」など保育所不足に対する切実な声を紹介。その一方で、施設の老朽化によって廃止する園もあることをあげたうえで、神戸市西区の枝吉保育所の改築問題をとりあげ、保育所の改修・改築のための予算が少なすぎることを提起しました。

堀内氏は、「本来、保育所等整備交付金をうけ事業所の負担は4分の1ですむ」と基本的なことを確認。

そのうえで枝吉保育所では、2009年の民間移管に際し、建物診断を行ったところ、屋根、外壁、保育室、事務室、通気、給水、排水、衛生器具が軒並み早期補修が必要であることが判明。2014年に一部改修にふみきりました。

そのときにかかった費用は総額1億3,000万円。しかし神戸市の補助制度で受けた援助はたったの1,000万円。神戸市の場合は、待機児童解消や新規建設が優先され、財源不足で老朽化施設対策には上限がもうけられていることもあげ、「9割以上が自己負担になっている。枝吉保育所は、銀行から融資をうけているが、資金が足りず、改修も半分でとまったまま。保育所整備とは、別枠で改修や耐震化のための予算の抜本的増額が必要ではないか」と主張しました。

これに対し、厚労大臣は、「544億で必要な予算を確保している。各自治体における取り組み姿勢が重要。このとりくみを強力に促し、支援をしていきたい」と答弁しました。

堀内氏は「老朽化のための改修、耐震化の予算が少ないことが、保育所廃止の一因にもなっている。これでは、待機児童対策とは言えない。予算の抜本的増額を求める」と迫りました。


現場の実態からのていねいな論戦

枝吉保育所 前田千代

今回の堀内議員の質問で、全国的に公立施設の老朽化が問題になっている中、枝吉保育所がかかえる問題が国会の場で明らかになりました。保育所の問題だけでなく、福祉施設がかかえる問題を現場の実態から、ていねいに論戦を繰り広げる堀内議員の姿に、運動への励みと現場からもしっかり訴えなければ、と身の引き締まる思いでした。

公立保育所の改修計画や、住宅との合築での改修問題、民間施設の改修の財源など、子どもの安全を守る公的施設として問題は深刻です。枝吉保育所の改修も全面改修には、至っていません。今後も引き続き国会での論戦を後押しできるよう現場から発信していきます。


(2015年4月26日付「兵庫民報」掲載)

堀内議員が医療制度改悪法案撤回を主張

兵庫で差し押さえ4年間で1.5倍に
医療にかかれない事態生んではならない


堀内照文衆院議員は4月17日、厚生労働委員会で、国民健康保険の財政運営を市町村から都道府県に移す医療保険制度改悪法案について、国保料の値上げや徴収強化につながると追及しました。

堀内氏は、兵庫県保険医協会などから寄せられた調査報告をもとに、県内で国保料の減免制度を活用している世帯が6割、保険料滞納が17%にのぼり、尼崎に至っては、減免制度活用が83.9%、滞納世帯が35.7%にのぼることを明らかにし、「国保料が高すぎて払えない」というのが大きな問題になっていると指摘。国が、計3,400億円の財政支援を行うために、市町村による一般会計からの繰り入れの必要性は解消するとしている点にたいして、「負担軽減にはつながらない。繰り入れの解消を押し付けてはならない」とだたしました。

厚生労働省の唐澤剛保険局長は、「繰り入れを禁止することは考えていない」とする一方、都道府県が市町村に示す「標準保険料率」には、「繰入金を勘案しない」とし、市町村が都道府県に収める納付金についても「収納率は勘案しない」と答弁しました。堀内氏は、「収納率が低く、繰入金も解消となれば、国保料を上げるしかなくなる」と指摘。「どれも保険料引き上げの圧力になる」と批判しました。

堀内氏は、「徴収強化にもつながる」と述べ、すでに地元兵庫で、「滞納世帯への差し押さえ件数が、4年間で1.5倍に増え2013年には、5,332件にのぼっている」ことを示し、差し押さえの具体的事例も紹介しながら、「売掛金や生活費まで差し押さえるのは許せない」と追及。唐澤局長は「生活に著しく窮迫している場合は、差し押さえを停止できる。しゃくし定規でないていねいな対応をしてもらいたい」と答えました。

さらに堀内氏は短期保険証の期間が、納付額によって切り売りされている問題、患者申し入れ診療の問題などを追及。質問の最後に、20年前の震災で被災し、仕事を奪われ苦労しながら、息子さんを育ててきたが、その息子の20歳の成人式に立ち会うことなく、亡くなった被災者を紹介し、「彼には保険証がなく、病院に行きついた時には末期がんで手遅れ。医療にアクセスできないという事態を生んではならない」と指摘。今回の医療保険制度改悪法案の撤回を主張しました。


「実情に応じ」との保険局長答弁、行政窓口に徹底を

兵商連合事務局長 那須由美子

消費税の増税と原材料高騰で、中小業者の資金ぐりは悪化しています。そのような中、高すぎる国保料(税)の滞納で、売掛金を差押えられたなどの事例はあとを絶ちません。

4月17日に行われた衆議院厚生労働委員会の堀内照文議員の質問をインターネットで見ました。差押えの実態や、納付金額により決められる短期証の期限など、現場でおこっていることが直接国会に取り上げられていることに、感動しました。

保険局長からは、「きめこまかな対応」「個別の事情をよくお聞きし、生活を著しく急迫させるおそれがある場合、滞納の執行停止も」「しゃくし定規でなく個々の実情に応じ」という言葉が出されました。ぜひ、行政窓口でも徹底させて欲しいと考えます。

国保は国民のいのちと健康を守る、いのち綱です。医療改革法案により、国保の都道府県化(広域化)が出されていますが、保険料の徴収強化、制裁措置の強化につながらないよう、国会質問と運動を連携させていきたいと、考えます。


(2015年4月26日付「兵庫民報」掲載)

生活保護費過少支給事件に思う(上)

元ケースワーカー 大久保嘉浩

神戸市は敗訴して〝残念〟というが


大阪高裁の勝利判決を喜ぶ支援者(2月26日)

この事件は、北区で自営業を営むAさん夫妻が、本来受給すべき生活保護費を2年あまりにわたって過少に支給されていたことを不服とし、神戸市を相手に訴えを起こした裁判です。

本来、神戸市が誠実に、適切に対応しておれば裁判にまでいたらなかった事件です。

神戸市は2月26日の大阪高裁判決を受けて、3月9日、神戸市議会福祉環境委員会あてに「国家賠償請求控訴事件判決への対応について」という文書を出して、上告を断念したことを伝えています。

この文書では〝コメント〟として、「国の通知等に基づいて処理を行ってまいりましたが、このような結果となり残念です。今回の判決を厳粛に受けとめて再発防止に取り組んでまいりたい」としています。

言葉尻を取り上げるつもりはありませんが、神戸市は今回の事件を「国の通知等」の何に基づいて処理をしたというのでしょうか?

一般に、保護費の遡及変更は、不服申し立ての可能な期間が60日とされていることなどから、発見月およびその前日までの2カ月間とされています。しかし、福祉事務所の過失などにより保護費が過少に支給された場合は、一定の要件が整えば2カ月を超えて遡及されうることを、1990(平成2)年3月の全国保護係長会議で確認し、厚生労働省も追認しています。

したがって、今回の事件は、神戸市が「国の通知等に基づかず処理をした」と言えます。そのため、する必要もない裁判をすることになったのです。

しかも、神戸市は裁判の結果を「残念」としています。「残念」と言うのは、いまだ自らのあやまりを認めていない、ということではないでしょうか。自らのあやまりを認めず、どうして再発防止に取り組むというのでしょうか。(続く


(2015年4月26日付「兵庫民報」掲載)



支援する会、神戸北生活と健康を守る会、兵庫県生活と健康を守る会連合会
生活保護・神戸過少支給国家賠償請求裁判の勝利を祝う会/28日(火)13時30分/兵庫県中央労働センター1階小ホール/第1部:裁判勝利報告、第2部:レセプション/会費1000円/☎078‐592‐1751(北生健会)、078‐341‐6088(生健会県連)


編注:この事件の概要については本紙3月8日付記事などもご参照ください。

被爆国の自分たちが核廃絶 声を大に発信したい

NPT再検討会議に芦屋原水協代表として参加する高校生M君の抱負


非核「神戸方式」決議40周年記念集会で紹介された兵庫代表団

自分が生まれてくる前から核兵器があって、その中で生活していることに疑問を抱いています。

過去に原子爆弾の投下やチェルノブイリ、福島原発事故が起こり、人間と核は共存できないことは明確です。しかし、未だ核廃絶の道を進んでいない世界にとても怒りを感じています。

そのことを今回のNPT再検討会議を成功させるにあたって声を大にして発信していきたい。

自分はまだまだ核兵器がどれだけあって、どこに集中してあるのかも知りませんが、そもそも地球を破滅させるほどの威力のあるものを人間が操作してはならないと思います。また、「核をたくさんの国が所持して核戦争を起こさないようにする」という取り組みも疑問を感じます。「やるか、やられるか」の状態は果たして平和と呼べるのでしょうか。

日本は唯一原子爆弾を投下された国だからこそ、もっと核兵器廃絶を訴えるべきです。日本政府がそれをやらないのなら今回のように自分たち国民がそれぞれ世界に訴えかけるしかないように思います。

(2015年4月26日付「兵庫民報」掲載)

ノーモアヒバクシャ近畿訴訟・傍聴記 '15-4-16

「原子力ムラ学者」の証言は不採用

副島圀義

4月16日の大阪高裁。去年3月に大阪地裁で勝訴したのに国が控訴。その直後に死去した故武田さんについての3回目の弁論です。国側が申請していた「原子力ムラ学者」の証言不採用、次回での結審が決まりました。

高裁は昨年末の弁論で、双方とも2月末までに主張をそろえるよう指示。ほんらいならこの日で結審となる見込みでした。ところが国側は弁論直前の4月13日に「さらに書面、証拠を出したい」と言い出したのです。しかも出してきた「証拠」というのがIAEAの1998年の論文の一部に仮訳をつけただけ、というお粗末。

原告代理人が厳しく批判。結局あと1回の弁論(7月7日)だけで審理を終えることになりました。



国は「もうこれ以上被爆者が裁判で争わなくてもよいように解決する」という約束(麻生首相と被団協などの合意)を完全に投げ捨て。多人数の訟務官を繰り出して、遅延戦術、同じことの蒸し返し、等々。

何が何でも、内部被曝や2次被曝、残留放射能の影響などを否定する構えが透けて見えた裁判でした。



国がこんな構えで臨んできているだけに、裁判傍聴や裁判所への要請署名などへのご協力を訴えます。


当面の弁論日程
6月10日、午前11時、大阪地裁1007号法廷
7月7日、午後2時、大阪高裁別館81号法廷
7月14日、午前11時30分、大阪地裁806号法廷

(2015年4月26日付「兵庫民報」掲載)

東日本「救援バザー」6月13日開催

物品受け入れは5月1日から/救援募金も募集中


第1回バザー(2011年6月)

東日本大震災救援バザー実行委員会が、5回目となる「救援バザー」を6月13日(土)10時~16時、神戸市兵庫区新開地の日本共産党兵庫県委員会で行います。

大震災から4年が経過した被災地の福島県では、いまだに12万人の方々が県外に避難しなければならない状況で、そのうち8万人の方々が仮設住宅で暮らしています。自宅は除染がすすまずにもどれず、復興住宅の建設もアベノミクスによる資材の高騰で建設が大幅に遅れているため、あきらめて県外に移転してしまうか、体を壊す方も増えています。

いったん事故がおこれば異質の危険をともなう原発の再稼働を許さない運動をひろげると同時に、こうした福島の現状に心を寄せ、〝できることを〟と続けてきた「救援バザー」が5回目になりました。

場所を借りている日本共産党県委員会の近隣にお住まいの方々、周りの商店の方々にも定着してきており、いつも3月におこなうことに期待をしている方々が今回わざわざ県委員会に「今年はやらないんですか?」と問い合わせてくださるほどになっています。

物品提供(日用品・雑貨・食器・台所用品・手作り作品・新品衣類・靴・鞄・装飾・手芸品、食料品ほか、受け付けは5月1日から6月5日まで)や救援募金(郵便振替00950・0・172055、東日本大震災救援バザー実行委員会)、当日のお買い上げなど全県の皆様の物心両面でのご協力をお願します。 (平松順子)

(2015年4月26日付「兵庫民報」掲載)

各地の憲法集会(予定)

実行委員会
神戸憲法集会/5月2日(土)13時30分/神戸芸術センター2階芸術劇場/講演1「日本は戦争をするのか―集団的自衛権と自衛隊」半田滋(東京新聞論説兼編集委員)/講演2「沖縄から見る日本の民主主義の現状と課題」前泊博盛(沖縄国際大学経済学部教授)/☎078‐351‐0677(憲法会議)

9条の会かわにし
憲法記念日のつどい/5月2日(土)13時30分/川西市中央公民館講座室/講演「海軍情報士官が戦争体験を回想する―なぜ戦争を早期に集結できなかったのか」山口慶四郎(大阪外国語大学名誉教授)/参加費無料/☎072‐794‐3320(竹村)

実行委員会
第37回憲法を守るはりま集会/5月3日(日・祝)13時/姫路市文化センター小ホール/講演「安倍版ニュースピークにご用心」池田香代子(平和運動家・ドイツ文学者)/憲法を歌う:合唱団「希望」/入場無料/☎079‐222‐0684(姫路総合法律事務所)

平和と民主主義を進める西宮・芦屋の会
5・3集会「朝日新聞阪神支局襲撃事件を忘れない―憲法が保障する言論・表現の自由を活かそう」/5月3日(日・祝)10時/西宮市役所東館ホール/講演「戦後70年のメディア状況」小山帥人(自由ジャーナリスト、元NHK大阪報道部・映像取材)/入場無料/開会前に朝日新聞阪神支局で献花/☎&Fax 0798‐26‐0537

実行委員会
5・3憲法集会@尼崎―戦争・原発・貧困・差別を許さない共同行動/5月3日(日・祝)13時/阪神尼崎駅前中央公園/雨天決行/ピースウォーク:14時出発/☎06‐6481‐3984

平和のつどい実行委員会
但馬憲法講演会―戦後70年・今・平和と憲法を考える/5月6日(水・振休)13時30分/豊岡市民会館/講演「戦後70年・日本国憲法の岐路―戦争立法を斬る」和田進(神戸大学名誉教授・兵庫県憲法会議代表幹事)/資料代500円(学生無料)/☎&Fax 0796‐42‐3005

(2015年4月26日付「兵庫民報」掲載)

兵庫山河の会「山河」53号より

孔子の語総理批判のもののごと「巧言令色鮮すくなし仁」と
古賀哲夫

新基地を何がなんでも造らんと日米軍事最優先だ
西澤 愼

病院の地下食堂で飲むコーヒー明日退院の夫とふたりで
古賀悦子

子どもらに読み聞かせして楽しめり松谷みよ子の「龍の子太郎」
鵜尾和代

いかなご漁終えし船待つ鳥の群れ朝の船着き賑わいにけり
塩谷凉子

辛夷咲く北国の春はいま如何に「原発なくせ」こだましてくる
大中 肇

鶯の初鳴きとよみ六甲の山も微笑を浮かべるらしき
山下洋美

いくさへと雪崩るる世相にさわだてる心鎮めん術などもたず
安武ひろ子

(2015年4月26日付「兵庫民報」掲載)

戦後70年の歴史の改竄(かいざん)を狙う

段 重喜

(2015年4月26日付「兵庫民報」掲載)

観感楽学

天皇の戦没者慰霊のパラオ・ペリリュー訪問が行われた。不破哲三氏が「無謀無策の飢餓戦争」と喝破した「玉砕島」の一つだ。さらに南方には玉砕の美名もかなわぬガダルカナルもニューギニアもある。70回忌、現代の総理が誓うべき「談話」とは何か▼一人の勤勉な国鉄峰山駅電信係員がいた。位牌には「昭和19年ニューギニア方面戦死」と彫られている。徴兵された関東軍電信第3連隊は、敗色濃い南進各部隊にばらまかれ通信兵として送られたのだ。帰還を待ちわびた母親のもとに、敗戦1年後に戦死公報と遺骨ならぬ木切れが届けられた。息子の行方は母親にさえ軍機密だった▼位牌をたよりに通信兵の甥が弔う妻子もない叔父の消息をたどった。兵庫県庁に軍歴を照会、防衛庁編の『戦史叢書』をなぞり、戦没地点はパプアニューギニア北岸のセピック川付近と突き止めた。敗走渡河する兵たちの有様は「さなきだに地獄とはかくのごときものならん」惨状だった(復員した副官報告)▼母親に遺骨さえ帰せなかった帝国が、いかにして靖国に霊を帰したか。現代の総理は故通信兵と故母親にどんな談話を届けるか。戦後70年、アジア太平洋の問いは深く重い。(A)

(2015年4月26日付「兵庫民報」掲載)