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2015年3月8日日曜日

阪神・淡路大震災20年の課題取り上げ、堀内衆院議員が初質問

被災者救済へ国は責任を


堀内衆院議員

2月26日、10年ぶりに兵庫県出身の国会議員として選出された堀内照文衆院議員が、衆院予算委員会で初質問に立ち、阪神・淡路大震災から20年の課題を取りあげ、兵庫の声と心を国会に響かせました。

借り上げ住宅


「私も、神戸在住で、被災者の一人」と述べた堀内議員は、政府の被災者支援、阪神・淡路大震災被災者への基本認識をただしたうえで、借り上げ公営住宅問題を取り上げ、「ついの住みか」であったはずの借り上げ住宅から「20年の期限が来る」と被災者が追い出されようとしている実態を告発しました。

神戸市が示す継続入居の条件「85歳以上」にわずか1カ月足りない84歳11カ月の女性の「震災の後遺症で重いものが持てず、買い物は何回も往復しないといけない。病院は5カ所に通う。スーパーも病院も近いから何とか暮せる」との実態を紹介。「こういう人に住みかえを迫ること自体が生活基盤を破壊することになるのではないか」と追及しました。

また、難病のため車椅子で生活している男性が「1階に住んでいたが、該当する住みかえ先は一つしかない」と市に言われ移った先が14階。その3カ月後に市は障害者は継続入居できると方針転換し、その上その借り上げ住宅を市が買い取ることになったのに、男性の戻りたいとの希望には応えていない事例も紹介しました。

堀内議員は、こうした実態を「政治によってまさに新たな苦難を強いている。復興災害と言わざるを得ない」「大震災で九死に一生を得た被災者に対しこんな仕打ちをするのが日本の政治であっていいのか」と批判し、国土交通大臣に「自治体まかせにせず、国としても責任を果たすべき」と迫りました。

これに対し、太田昭宏国土交通大臣は、「兵庫県や各市に対し、入居期限後の支援策全般について、きょう出た例などもだして、丁寧な対処をしていただけるようにしたい」と答弁せざるを得ませんでした。

災害援護資金


また被災者生活再建支援法がないもとで、多くの被災者が頼らざるを得なかった災害援護資金の返済問題では、月1,000円の少額返済で「完済まで147年」と報道されていることも紹介し、自治体の判断を尊重し、返済免除の弾力的運用を求めました。

被災者生活再建支援法


山谷防災担当相(向こう左端)、太田国交相(同右から2人目)らに迫る堀内議員(手前左端)

被災者生活再建支援法の抜本拡充については、「他の制度などとのバランスを勘案」することが必要だとする山谷えり子防災担当相に対し、堀内議員は、「被災者生活再建支援法は、阪神・淡路の被災者にとっても悲願。阪神・淡路の被災者がバランスを欠いていると言ったことはない。何よりも自分たちのような苦しみを今後同じ被災者に味わわせたくないと制度の実現を喜んだ。一人ひとりの生活再建を図るという基本にたって、被災者の実態から出発し、切実に求められている支援法の抜本拡充を」と迫りました。

兵庫県から4人が傍聴、県内各地でも視聴


兵庫県から4人が上京して傍聴しました。終了後の堀内議員との懇談では、「とてもよかった」「地元の被災者の励ましになる」「一緒にたたかってきた堀内さんの質問は、感無量。今後のたたかいに生かしたい」などの感想を話しました。堀内議員は「終わった後、大島理森予算委員長も『かわいそうだよなあ。追い出しちゃあ』と語っていた」と紹介しました。

懇談中には、堀内室に自民党支持者という方から「たいへんよかった。民主党みたいな足の引っ張りあいじゃなく、中身のある質問だった。新人ですね。頑張ってください」と連絡もありました。

当日、神戸市内では、ひょうご借り上げ住宅協議会が開かれ、堀内質問をインターネット中継の録画で視聴しました。質問で紹介された声を寄せた入居者も参加しており視聴後は拍手喝采。「私たちの声がこんなに直接、国会に届けられるなんて夢のよう」など感想が寄せられました。協議会は録画をDVDにして多くの入居者に視聴してもらうことにしました。

(2015年3月8日付「兵庫民報」掲載)

借り上げ住宅入居者が弁護団に交渉を委任

借上復興住宅弁護団は3月2日、西宮市のUR借り上げ市営住宅「シティハイツ西宮北口」入居者7世帯と委任契約を結び、今後、西宮市との交渉窓口となることを発表しました。

西宮市は2月3日、同住宅が今年9月に「返還期限」を迎えるとして、入居世帯に「期限内に退去しない場合は法的手続きをとる」という内容の「明け渡し通知」を送付しています。

また市は昨年来、執拗に戸別訪問を繰り返し、期限内の退去を迫ってきました。

同弁護団は2月7、8の両日、住民相談会を開催。入居者の精神的負担は相当に高まっていることから、市との交渉についての委託契約の締結を提案しました。

それに応え、7世帯が契約を結びました。今後は入居者の代理人として弁護団が明け渡し通知の撤回、継続入居へ交渉することになります。

(2015年3月8日付「兵庫民報」掲載)

借り上げ住宅問題でパンフ発行:「きずなを奪わないで」


借り上げ復興公営住宅からの転居を迫られている入居者らをサポートしている借上復興住宅弁護団など3団体がこのほど、パンフレットをつくりました。

パンフレットは、「3度も地域のつながりや友人とのきずなを奪わないで」というタイトルで、同弁護団、ひょうご震災復興借り上げ住宅協議会、西宮UR借り上げ公営住宅入居者を励まし、支援する会が発行しました。

「住み続けさせてほしい」という入居者の願いの正当性を、五つの「Q&A」で、わかりやすく示しています。

(2015年3月8日付「兵庫民報」掲載)

2015年度県予算案:大企業・開発優先、安倍暴走政治を反映

「5年連続の緊縮」の予算規模


新聞各紙に「5年連続の緊縮」と報道された新年度の県予算。中小企業制度融資枠の見直し影響(793億円減)や「行革」路線の継続で、前年度比マイナス1.4%の1兆9220億円の一般会計で、特別会計や企業会計もあわせた全体は、3兆4225億円(前年比マイナス3.5%)となっています。

企業立地補助金、反省なく拡充


アベノミクスによる恩恵は、一部の輸出に強い大企業や資産家にだけまわっています。

県は、新年度の法人事業税の大幅な増(前年比プラス25%)を見込んでいますが、業種別にみると、電力、鉄鋼、電機など大手が並びます。

いま問われているのは、トリクルダウンと呼ばれる、大企業「呼び込み」型の経済対策からの転換です。

兵庫県は、これまで全国でもまれな天井知らずの大企業立地のための補助金をつづけてきましたが、尼崎のパナソニック工場が全面撤退して、その破綻が明らかとなり、知事も「地域の元気づくりには、トリクルダウンと正反対の地域の内発的発展をめざすのが基本」(提案説明で)と認めざるをえなくなってきました。

しかし、新年度予算では、国の「地方再生」路線に沿って、「本社機能の移転」などを名目に企業立地補助金を拡充。予算額を昨年から4億円も上乗せし、18億円に。

中小企業の応援の予算や賃上げにつながる政策にこそもっと予算をつけるべきです。

社会保障改悪の「防波堤」の県予算こそ


安倍政権がすすめる、消費税の増税にあわせた「社会保障税・一体改革」と称した改悪がすすめられようとしていますが、井戸知事は、根っからの「消費税増税論者」。安倍政権の暴走の「防波堤」になるどころか、ストレートに反映させているのです。

保育
  • 4月から「子ども・子育て支援新制度」
介護
  • 要支援者外し
  • 介護報酬の引き下げ
医療
  • 70歳からの患者負担増
  • 病床削減
  • 国保広域化へ


「医療介護推進基金」(90億円)では、国のお金を積み立て、県に医療ビジョンをつくらせ、国の方針にそって病院の病床を削減していこうとねらっています。

また、国保の広域化、都道府県への移行によって、住民の意見が反映しづらくなり、「保険証とりあげ」「差し押え」などが増加する危険性も。

さらに、県は、2018(平成30)年までの「行革」方針で、昨年、高齢者や母子家庭などの福祉医療を改悪し、新年度も継続しています。

県は消費税アップにより、社会保障関係が「245億円も充実」と説明していますが、その全額が実質的な充実だとはいえません。

保育分野で見てみると「子ども・子育て支援新制度」で154億円の予算額。充実分(消費税充当)は「140億円」ですが、その内訳は、以前県予算を通過していなかった政令・中核市分の80億円、別予算だった幼稚園の28億円などでかさ上げしたものです。実質の充実・改善は、配置基準などで1割ほどにすぎません。

住宅耐震化補助が増額



年度ごとの住宅耐震改修戸数
2003年度 17戸
2004年度 63戸
2005年度 136戸
2006年度 240戸
2007年度 200戸
2008年度 275戸
2009年度 469戸
2010年度 553戸
2011年度 224戸
2012年度 304戸
2013年度 387戸

2003年臨時県議会で日本共産党が質問したのをきっかけにスタートした県の民間住宅耐震化補助。はじめは金額も戸数も多くありませんでしたが、新年度は改修補助が100万円にまで拡充、建替えや簡易改修などの制度もつくられ、予算も増額されました(グラフ)。

また、土砂災害対策箇所の上乗せ、学童保育の土日加算の復活、神戸電鉄の粟生線利活用検討などの予算がつきました。

一方で、不要・不急の大型開発、名神湾岸連絡線の調査費(1,000万円)、播磨臨海地域道路の調査費(1,500万円)や、但馬空港の羽田直行便のPR(630万円)なども相変わらずすすめており、今後もきびしいチェックが必要です。



(2015年3月8日付「兵庫民報」掲載)

日本共産党・杉本県議が一般質問

産業振興、エネルギー、介護、産廃:県民本位に転換を


2月24日、兵庫県議会で、日本共産党の杉本ちさと議員が一般質問を行いました。

大企業立地補助金やめ中小企業振興に


杉本議員は、パナソニック撤退で明らかになったにもかかわらず、県が新年度予算案で「産業立地促進補助」をさらに拡充していることを、「トリクルダウンの誤りを続けるもの」と批判。大企業補助をやめ、中小企業振興条例を制定し中小企業振興中心の対策への転換を求めました。

井戸敏三知事は、「呼びこみ型経済対策」の破綻を認めず、大企業補助は必要だとした上で、中小企業振興条例については「必要性も含め検討」と答弁しました。

エネルギー長期展望


杉本議員は、県が策定中の「エネルギー長期展望」について、石炭火力発電を「ベースロード電源」として立地を推進する中身で、地球温暖化防止に逆行すると批判しました。

しかも、石炭火力発電所を増設する神戸製鋼所や、電力を買い取る関西電力などが検討会議にゲストスピーカーとして参加し、「大企業の利益優先のエネルギー政策が作られている」として転換を求めました。

介護の充実を


杉本議員は、介護保険からの「要支援」外しについて、高齢者に安上がりのサービス利用を押しつけないよう市町に徹底することを求め、県も「現行相当サービスが必要と認められる要支援高齢者が継続して利用できるよう配慮する必要がある」と認めました。

赤穂・福浦の産廃処分場計画の中止を


杉本議員は、住民や周辺自治体から大きな反対運動が起こっている赤穂市福浦の産廃処分場について、専門家の調査によって、脆弱な岩盤で、大規模な地すべり・崩壊等の危険性が高いことや、地下水や海水汚染の可能性があり、産廃最終処分場の計画地として「不適格」であると指摘。民意を受け止め、中止させるよう強く求め、井戸知事も「法律上の手続きに移る前に慎重に審査する」などと約束しました。

(2015年3月8日付「兵庫民報」掲載)

2015年度神戸市予算案

大型開発、企業誘致路線を継続
子ども医療費助成は1、2歳児の所得制限を撤廃


神戸市が発表した2015年度当初予算案は、一般会計7282億円(前年度比211億円・3%増)、特別会計7486億円(同575億円・8.3%増)、企業会計3308億円(同356億円・9.7%減)、合計11兆8076億円(同431億円・2.4%増)となっています。特別会計が大幅増となったのは、国民健康保険で県内市町間の医療費負担の調整を行う共同事業の拡大や、道路整備などにかかる市債の元金償還の増加に伴い、公債費が増加したことなどが影響しています。

予算規模(億円)
2015年度 2014年度 増減 増減率
一般会計 7,282 7,071 211 3.0%
特別会計 7,486 6,911 575 8.3%
企業会計 3,308 3,664 -356 -9.7%
合計 18,076 17,466 431 2.4%

安倍暴走政治に追随


神戸市の2015年度当初予算案は、従来通りの大型開発推進とともに、国が進める地方創生と歩調を合わせています。安倍暴走政治に追随する姿勢が顕著になっています。その一方、既存中小業者への支援や福祉、教育分野への予算配分はおさえられている、というのが特徴です。

市税収入総額は2700億円(前年度比22億円、0.8%減)となっています。法人市民税が税制改革の影響で20億円減少したのが影響しています。固定資産税も4億円減少しています。消費税増税に伴う地方消費税交付金が47億円増えています。この増収分は、乳幼児医療費助成、障害児保育等の充実にあてたとしています。

久元喜造市長は、震災20年にあたって「着実に復興し財政状況も他都市と比べてそん色ない」などとしています。予算編成の基本的な考え方では「人口減少社会にふさわしい都市像を構築していく」などとして「(神戸が)全国から選ばれるまちになることが大切」などと、都市間競争に勝ち抜く、との姿勢を鮮明にしています。そのために「居住環境・操業環境を向上させる施策をバランスよくスピーディーに進めていく必要」があると強調しています。

しかし、「安定した成長のために」必要な対策としてあげているのは「都心の再生、神戸空港・神戸港・高速道路など交通インフラの整備・活性化、医療産業都市のプロジェクト」などです。

コンテナ貨物は増えないのにさらに…


こうした施策が、人口減少社会に向けて取り組むべき中心的課題でしょうか。いずれも高度成長時代の施策を継承した大型開発を基本とした施策です。

現実問題として、神戸空港はただの一度も需要予測に達していません。借金返済の目途も立っていません。神戸港では大型港湾施設を建設してもコンテナ貨物量は停滞したままです。高速道路の整備もこれからの低成長社会に必要なのかという疑問が提起されています。

低成長時代には特に、福祉・教育分野に重点を置き、既存の中小企業支援で、地域内経済の循環を推進する施策が求められています。

大型開発では三宮駅周辺の整備など「都心の再整備」で22億6000万円。LRT(次世代型路面電車システム)の導入検討もすすめるとしています。

医療産業都市には59億円を計上。国家戦略プロジェクトの「(仮称)神戸アイセンター」の整備促進、高度専門医療機関の一体的運用、大手製薬会社や創薬ベンチャーの誘致に向け「創薬研究拠点」の整備などをすすめるとしています。本社機能を神戸市に移転した場合や神戸市の本社機能を拡充した場合に助成するとしています。挑戦企業、起業・創業支援も拡充されています。

コンテナ貨物量が停滞している現実と真摯に向き合うことなく「船舶の大型化に対応するため」にさらなる港湾機能の強化を図るとして111億円を計上しています。

神戸空港については、3空港一体運営に向けた調査を進めるとして2億円を計上しています。スカイマークの「民事再生法の適用申請」などで、まさに八方ふさがり。借金返済のめどは立ちません。

神戸経済の活性化策についても、人口減少社会への対応として位置づけているのは「産業の競争力強化」が必要というとらえ方です。あいかわらず「起業・創業支援」に偏重しているのも特徴です。他方、既存の中小企業対策は、融資中心という従来の対策と変わりません。商店街・小売市場の活性化策は、従来施策が若干拡充されている程度で、予算も2億円余りにとどまっています。

保育所定員増やすが質の低下が懸念


「安心して子育て・教育ができる街の実現」などとして、子育て支援を充実するとしています。保育所待機児童解消として定員を1,200人拡大するとしていますが、小規模保育等もふくめたもので「保育の質」の低下が懸念されます。子ども医療費助成は、新年度予算案で拡充されたものの、1、2歳児の所得制限を撤廃した程度です。このための予算は5200万円です。

市民負担も増加


市民福祉の切り捨ては継続しています。介護保険料の値上げ、公立幼稚園の廃園、幼稚園保育料値上げ、老人いこいの家の完全廃止、保育所や児童養護施設などへの上下水道料金の減免廃止などが計画されています。

市民生活分野の職員削減


「聖域なき行財政改革の実行」に継続して取り組むとして、新年度で255人の職員が削減されます。

震災以降7,071人の削減となります。削減された職員は、学校給食調理業務(93人)、道路等維持管理業務(24人)、高齢者等福祉施設運営業務(55人)、保育士等(89人)、水道事業(117人)など市民生活に影響がある分野での削減が目立っています。民間移管、民営化などによる削減で、各職場では派遣職員やアルバイトなど、非正規職員が増えているのが実態です。

市民の運動の成果も


電車、バス通学の小中学生に補助


歳出では市民の粘り強い運動なども一部反映されています。

子どもの医療費助成の拡充、中学校給食の新年度中の全校実施、小中学校への学校司書の配置拡充、公共交通機関を利用して遠距離通学している児童生徒への交通費助成制度の創設、北神急行への助成継続、地域猫の不妊手術に対する支援拡充、障害者の社会参加促進へガイドヘルプの基礎時間の延長、手話通訳者の処遇改善、学童保育の過密解消と2019年度までにすべての高学年の受け入れ、市東部地域での特別支援学校整備の調査、コミュニティバスの拡充、垂水・塩屋地域にコミュニティタクシーの導入、消防団員の装備充実などが予算化されています。

神戸電鉄への高齢者支援も予算化されていますが、内容は神戸電鉄が実施している料金割引制度を受け継ぐもので、利用者にとっては改悪となる内容も含まれています。

子どもの医療費についても「中学校卒業までの無料化」には程遠い内容ですが、市民の運動で少しずつですが前進しています。保育所待機児童対策についても1,200人の定員を増やすとしています。ただ、このうち240人は、駅前ビルなどを活用した小規模保育事業での対応。最良の保育環境を保障するという点では、問題を残しています。

引き続き制度改善へ運動を


全体の予算案を貫いているのは、市民の運動や世論に押されて市民要求を取り入れながら、これまでの「大型事業と企業誘致優先」という路線の継続です。

今後、中学校給食の改善、乳幼児医療費助成制度や神戸電鉄への支援策の改善・強化など、市民の運動で市民要求が反映される施策実現への取り組みが求められています。

(2015年3月8日付「兵庫民報」掲載)

こども病院連絡会が建設現場を視察

災害時対応、通院の足、連携先に懸念:何のためのポートアイランド移転か



県立こども病院のポーアイ移転計画を撤回させ周産期医療の充実を求める会がこのほど、県立こども病院建設現場を視察し、県病院管理局と施工管理者から説明を聞きました。

地盤の高さ、ライフラインの確保(液状化問題)などについて県側の説明は、神戸市が大丈夫と言っているというだけのものに終わりました。

また、災害時の備蓄については、水関係が3日間、非常用発電燃料も3日間との説明でした。

最寄りの駅はポートライナー南公園駅。車での来院では、現病院(須磨区)敷地内の駐車場が273台分あるのに、新病院では100台分しか確保されていません。隣接する南公園地下に400台分あるとしています。ポートライナーの混雑とともに、通院の足の確保に懸念が残ります。


総合病院である神戸中央市民病院との連携については、医局で話し合いをしているとは言うものの、具体的な説明はありませんでした。以前は、ガンの治療で中央市民病院との隣接で助かる命があると強調していましたが、こども病院の院長交代後、連携先が神戸大学病院に変更されています。

同会では、何のための人工島移転か改めて考える必要があるとしています。

中川和彦=同会事務局長)

(2015年3月8日付「兵庫民報」掲載)

金田、入江、苦瓜の3氏ら新日鉄住金広畑門前で宣伝

労働法制改悪ストップ、労働者の安全第一の社会に


宣伝する金田氏(車の右)、入江氏ら

新日鉄住金広畑製鉄所門前で3月2日朝、「日本共産党の躍進で労働法制改悪ストップ、労働者の安全第一の社会つくろう」と党西播地区委員会が出退勤する労働者への宣伝を行いました。

金田峰生党国会議員団兵庫事務所長、入江じろう県議予定候補(姫路市)、苦瓜かずしげ姫路市議予定候補が訴え、姫路労働者後援会、地域後援会の人たちが正門、東門でビラを配布、プラスターで宣伝しました。西播地区委員会は、労働者の中に共産党の風を吹かせようと2月末から市内7カ所で職場門前宣伝を計画、その2カ所目の宣伝です。

金田氏は、広畑製鉄所で2月に起こった労働者が死亡する労働災害に触れ、亡くなられた方のご冥福を祈るとともに、再発防止へ徹底した原因究明を行うことを求め、堀内照文衆議院議員とともに、働きやすい職場づくりに全力をあげる決意を表明。政府が提案している残業代ゼロ、非正規労働者化をすすめる労働法制改悪は絶対に許してはならない、いっせい地方選挙で「ノー」の審判をと訴えました。

苦瓜氏

これに対し、車の窓を開けてビラを受け取ったり、「頑張れよ」と激励の声をかける労働者が相次ぎました。

(2015年3月8日付「兵庫民報」掲載)

生活保護・神戸過少支給裁判高裁判決:「収入認定は福祉事務所の職責」

利用者夫妻への過少分全額と慰謝料支払い命じる


高裁門前で勝訴を喜ぶ支援する会の人々

神戸市北区に住む生活保護利用者A夫妻について、北福祉事務所が正確な収入認定を怠り、2年3カ月にわたり生活保護費を過少に支給。A夫妻がその過少分の支給と慰謝料の支払いを求め、神戸市を相手に起こした国家賠償請求裁判の控訴審で、大阪高裁第14民事部(森義之裁判長)は2月26日、神戸市の違法行為を認め、過少分の全額と慰謝料の支払いを市に命じる判決を言い渡しました。

1審の神戸地裁第4民事部(植屋伸一裁判長)の判決(昨年8月26日)は、収入を正確に計算する責任が生活保護利用者にあるとして、原告の請求をすべて棄却していました。

高裁判決は、「収入の認定は生活保護の実施機関の職責であり、実施機関が、被保護者の届出の内容やその他の資料に基づいて職権で行うべきもの」「職責を適切に果たさず、収入の認定を誤った場合には、国家賠償法上も違法になり、損害賠償責任が発生する場合がある」と神戸市の行為を検証しています。

最初のケースワーカーB氏については、純収入の計算方法についてA夫妻に誤った説明をしたことを違法行為だと判断。その説明がA夫妻を混乱させ、収入申告を誤らせたが、後任のC氏が「極めて発見が容易な事項について、それを発見するためのわずかな注意も払わず、誤った収入を認定した」ことは違法行為だと判断。これらの結果生じた損害を賠償する責任があるとしています。

また、A夫妻の収入申告の誤りも一因であるとはいえ、福祉事務所の責任・違法行為との過失相殺をすることは相当ではないと判断しました。

さらに、2年以上にわたって最低限度の生活を下回る生活を余儀なくされていたことから、A夫妻の慰謝料請求を認めました。

A夫妻の国家賠償請求裁判を支援する会は、神戸市に対し、上告しないよう求めるとともに、過少支給の再発防止に努め、福祉事務所の体制を強化することなどを求めています。判決の翌日27日には神戸市役所前で宣伝。市長あての要請はがき運動も展開しています。
(2015年3月8日付「兵庫民報」掲載)

重税反対全国統一行動:県内の予定

3.13重税反対全国統一行動兵庫県実行委員会
☎078‐341‐0563(兵商連)

川西
13日10時
川西市文化会館 2階レセプションルーム

伊丹
11日10時
スワンホール 大ホール

尼崎
12日13時
アルカイックホール・オクト

西宮・宝塚
13日13時45分
西宮市勤労会館 大ホール

三田
13日10時30分
キッピーモール 多目的ホール

芦屋・東灘
13日14時30分
芦屋市民センター 401室

灘区
13日13時30分
灘区民ホール

中央区
13日14時
兵庫県民会館 9階けんみんホール

兵庫区・北区
13日13時30分
湊川公園

長田区
13日13時30分
長田神社境内

須磨区
13日9時30分
下中島公園(元区役所前広場)

垂水区
13日9時30分
レバンテホール

西神・明石
13日13時
明石公園 東芝生広場

三木
13日13時30分
美嚢川河川敷

はりま中央
12日13時30分
社公民館

北はりま
13日14時
西脇市総合市民センター

加印
13日12時
金剛寺浦公園

姫路
13日13時
鍛冶屋公園

揖竜宍粟
13日13時
たつの市青少年館 ホール

赤穂・相生
13日13時
相生市総合福祉会館

北但馬
13日13時
豊岡卸団地会館

南但馬
12日10時
和田山駅前公会堂

丹波
13日11時
柏原自治会館

淡路
13日14時30分
洲本市総合福祉会館前

(2015年3月8日付「兵庫民報」掲載)

みんぽう川柳〈2月〉「キャベツ」

選者 島村美津子

特 選

十円のお好み焼きはキャベツだけ
神戸市 誠かおる

【評】あははと笑いながらキャベツだけで充分、ソースの焦げる匂いも漂ってくる。戸外では子どもたちの歓声が響き老人は尊厳を持っていきている、十円のお好み焼きという具象はそんなことまで想起させてくれる。

入 選

球形のキャベツどこにも戦なし
神戸市 長沼幸正

特売日キャベツはそっと咳払い
神戸市 兵頭わこ

トンカツにキャベツのような夫妻です
大阪市 鈴ケ嶺輝美

固く巻くキャベツ淋しくないように
播磨町 石川街子

孤独にも千切りキャベツてんこ盛り
神戸市 妹尾 凛

春キャベツお好み焼きがうまかです
神戸市 藤田幸子

青虫の試食キャベツの自負がある
神戸市 玉山歳子

青虫はキャベツ畑で育んだ
尼崎市 岡美穂子

キャベツ玉値上がりすれば半玉に
神戸市 高馬士郎

キャベツ玉割れば迷路が花開く
神戸市 山元三恵子

ひと皮ずつ剝いて納得するキャベツ
明石市 小西正剛

キャベツにはキャベツの事情あり以上
 神戸市 吉田利秋

母一人子ども四人のキャベツなり
神戸市 松尾美恵子

九条を守る姿が玉菜巻く
神戸市 古賀哲夫

(2015年3月8日付「兵庫民報」掲載)

大きく見える堀内衆院議員 (予算委員会を傍聴して)


段 重喜


(2015年3月8日付「兵庫民報」掲載)

観感楽学

身体を抜ける冷たい風のなかにも春を感じる季節となりました。今日3月8日は国際女性デーです。起源は1904年3月8日にニューヨークで女性労働者が婦人参政権を要求してデモを起こしたこととされています。また1917年ロシア2月革命は国際女性デーに女性労働者を中心としたデモが大規模な蜂起となり、帝政を崩壊に追い込んだとされています▼今年は男女平等の世界のルールを定めた国連女性差別撤廃条約を日本が批准して30年となります。安倍首相は「女性が輝く社会」をアピールしています。しかし長時間労働、保育所に入れないなどで妊娠・出産を機に6割が仕事をやめざるをえない女性がおかれている現実は「輝く」とは程遠い状況と言わなければなりません▼先日も保育所がないので兄弟バラバラで預けなければならなくなったママ友さんから連絡がありました。「わずか一桁のゼロ歳児定員。じゃあ働くな?預けるな?そうやって働けない母親をつくってる」「上の子は4月から一緒に通えると楽しみにしていた。なんて伝えよう。兄弟そろって通わせたいって普通の願いだと思います」この願いに政治は応えなければなりません。 (Y)

(2015年3月8日付「兵庫民報」掲載)