子育て、中小企業支援こそ
兵庫県議会で2月16日、国の補正予算による県補正予算の審議が行われ、日本共産党のきだ結県議が質疑を行い、ねりき恵子県議が反対討論を行いました。
《きだ結県議の質疑》
全県で第3子の保育料を無料に
きだ県議は、そもそも地方経済を疲弊させている一番の原因は、アベノミクスと消費税増税であり、景気回復どころか、ますます県民の暮らしと地方を疲弊させると指摘。働く人の賃上げ、地域に根付いた中小企業や農林水産業への支援、社会保障を充実して格差と貧困を是正する対策を求め、第一に、子育て支援や介護の充実を提案。
兵庫県内での、相生市の「子育て応援都市宣言」によって、近隣市町のなかで唯一転入者が転出者を上回る状況をつくりだした経験や、全国では、京都府が、府下すべての自治体の保育料を、(所得制限つきで)第3子以降無料にする方針を打ち出し、福井県では、国の交付金を使って、県と市町が協力して、保育料の無料化拡充などすすめていることを紹介し、兵庫県でも、こどもの医療費の無料化や、保育料の無料化、すくなくとも全県で第3子の保育料を無料にする対策や、介護サービスの購入支援等の拡充を行うことを求めました。
井戸知事は、「経済対策で、乳児子育て支援事業等や特定不妊治療費助成事業に追加助成を行う。第3子の全県的な保育料無料化については、財政的な制約もあり、県としては直ちに困難」と答弁しました。
新規就農支援の強化を
きだ県議は、国が、TPPや大企業の農業進出をすすめる国家戦略特区を推進するなか、大規模農家への集約化一辺倒でなく、小規模・家族で行う農業、新規就農者への支援を、金額上乗せや条件を柔軟にするなど、抜本的な支援の拡充を強く求めました。
《ねりき恵子県議の反対討論》
破綻した「大企業呼び込み」型の補助金
ねりき県議は、兵庫県の、昨年7~9月期の実質県内総生産は、前年同月比で3.1%減、名目県内総生産も 1.8%減となり、実質県民雇用者報酬は2.8%減となっていることを指摘。「アベノミクス」が波及していないのではなく、消費税増税で暮らしと中小企業の営業をこわし、アベノミクスそのものが破綻していると主張しました。
外からの大企業「呼び込み」にたよる兵庫県の地域振興策の破綻が、90億円の税金を県がつぎ込みながら、わずか数年で撤退したパナソニック尼崎の例で浮き彫りになっていると指摘。税金を使った支援は、「呼び込み型」に偏るのではなく、地域に根づき地域経済を支えている、中小企業の育成や雇用補助などに切り替えていくべきと提案しました。
県補正予算のなかで、「促進地域への事業活動立地支援事業」1億3千万円は、企業立地の少ない郡部での立地に限られ、補助対象となる企業の設備投資額もそれ以外の地域の「10億円以上」から「1億円以上」に引き下げられていますが、この間の実績を見ると、結局制度を使っているのは大手企業が中心で、中小企業には使いにくい制度になっています。
雇用補助は正規雇用に対してだけでなく、期限付きの「非正規雇用」にも一人当たり30万円が支給されることになっています。不安定雇用を増やすことにつながりかねないと指摘し、反対しました。
不要不急の道路や農道、農地の集積・大規模化(中間管理機構)、「社会保障・税番号制度」(マイナンバー制度)実施に向けたシステム改修の費用1億7950万円が含まれていることにも反対しました。
(2015年3月1日付「兵庫民報」掲載)