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2015年12月6日日曜日

絶望の社会保障:大門みきしエッセイ(6)

アベノミクスの新三本の矢が「強い経済」「子育て支援」「安心できる社会保障」と聞いたとき、〝おちょくってんのか〟と思いました。「強い大企業」「子育て妨害」「絶望の社会保障」が正しいのではないか。

特に社会保障は改悪の一途。十月に財務省は医療、介護、年金、生活保護など六十四項目にのぼる社会保障の改悪メニューを打ち出し、来年度予算でも社会保障関係費の自然増を大幅に抑制しようとしています。

財務省の役人と話して感じるのは、お金がないのではなく、社会保障にお金を使う気がないということです。

財務省が導入をめざす「外来時定額負担金」はその典型。病院の外来受診時に、現在の三割などの定率負担に加え百円や二百円といった一定額を窓口で徴収する制度です。高齢者や慢性疾患の人など、通院回数の多い人ほど重い負担になります。制度の第一のねらいは受診抑制をはかること。第二はただ金を出せ、医療財政にカンパしろということです。タチの悪い社会保障の理念とは無縁の財源論です。しかも少額だからといって油断はできません。最初は少額でも、いったんこの制度が導入されれば五百円、千円へと引き上げられるに決まっています。大体、カンパというものは、最初は「小銭で結構です」といいながら、だんだん図々しくなって、「音のしないお金を」となるものです。

これ以上、安倍内閣の暴走を許せば、社会保障の制度も理念も崩壊していくと思いました。
(参院議員・参院選比例予定候補)

(2015年12月6日付「兵庫民報」掲載)

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