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2015年11月22日日曜日

過労死等防止対策推進シンポジウム

憲法のいう健康で文化的な生活へ国と企業は対応強化を



「過労死等防止対策推進シンポジウム」(主催=厚生労働省、後援=兵庫県・神戸市、協力=過労死等防止対策推進兵庫センターなど)が十一月十三日、神戸市内で開催されました。

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過労死遺族の思いとして、兵庫労災を考える家族の会、東京過労死を考える家族の会から四人が発言しました。

▽公務災害で三十九歳の夫を亡くした女性は、「新しい仕事で残業が続き月百時間を越えていた。泣いている子どももあやそうとしなくなっていた。この時期を乗り越えればと思ったけど、うつ病の知識もなく対処できなかったことが悔やまれる。公務災害として認定されるのに十二年。二度とこのようなことが起きないようにしたい」と語りました。

▽また、九州の子会社に転勤直後、過労自殺で四十八歳の夫を亡くした女性は、「夫の身に何が起こったのか理由を知りたい」と労災申請を行ったと紹介。機械のメンテナンスという初めての仕事で、休日もなく月の残業は百二十時間を越えることもあったと語りました。女性は、「過労死等防止対策推進法が実効性のあるものになることを切に願っている」と訴えました。

▽うつ病を発症し四十九歳の自死で夫を亡くした女性は、「過重な労働が身体をむしばむ。仕事が原因で命を亡くすことなどこれ以上あってはならない。過労死等防止対策推進法の充実をもとめたい」と語りました。

▽職場の同僚を亡くし、自らもうつ病を発症しているという男性は、「亡くなった友人に助けられたこともあった。友人を救えなくて悔しい。私も今も通院治療をしている。これ以上過労死、過労自死する人をつくりたくない」と訴えました。

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基調講演として岩井圭司兵庫教育大学教授が、「過労による精神疾患―過労、ストレス、燃え尽き、自殺」と題し講演しました。リレートークでは連合兵庫、経営者、過労死等防止推進兵庫センターの代表が取り組みを紹介し、過労死等防止対策推進法の活用、充実などを語りました。

啓明学院高等学校は、過労死した男性の母親から話を聞いた内容で作ったラジオドキュメント『息子が残した宿題』を披露。取り組んだ高校生は、「過労死の問題は、私たち高校生全員が考えないといけない問題だと感じた。どう過労死のない社会をつくるのか、私たちにとっても宿題だと感じた」と語りました。

兵庫労連、ひょうご労働安全衛生センターなどからの会場発言もありました。

兵庫労働局が主催者挨拶をし、兵庫県、神戸市も後援挨拶をしました。

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閉会挨拶に立った藤原精吾過労死等防止対策推進兵庫センター共同代表幹事は、「過労死等防止対策推進法には、不十分さもあるが、ここまできたととらえたい。これをさらに現実のものにしていく必要がある。憲法には、健康で文化的な生活を営むとある。国、企業がこのことを受け止め、対応を強めることを促していく」と述べました。


(2015年11月22日付「兵庫民報」掲載)

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