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2015年11月15日日曜日

憲法が輝く兵庫県政へ(7):公共事業

県民の暮らし守る公共事業へ

日本共産党兵庫県議 入江次郎

兵庫県は二〇〇八年度~二〇一八年度(平成二十年度~三十年度)を「新行政改革期間」として位置づけ、県民の福祉・暮らし・安全を切り捨てる県政をすすめてきました。

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県民の安心安全を担う地域土木事務所は二十二事務所から十三事務所へと統廃合し、土木事務所職員数も九百九十三名から七百五十六名へと削減しました。

二〇〇九(平成二十一)年に佐用町を襲った大水害では、これまであった佐用土木事務所が廃止されており、災害当日に土木職員が現地に入れなかったという報告もされています。

県は、県民にとって最も身近な土木事務所を行政改革の名のもと統廃合する一方で、不要不急・需要予測の甘い大型開発事業を推進しています。一例をあげると、明石~太子間を海岸線で結ぶ播磨臨海地域道路網計画です(総延長五十㌔㍍、総額五千億~六千億円)。

当初計画は一九七三年にされたものですが、直前の一九六〇年代は、GDP成長率が年率換算平均で一〇%、自動車保有台数が三百四十万台から一千九百万台へと五・六倍に、生産年齢人口も六千万人から七千二百万人へと増加するなど、経済も人口も右肩上がりの高度経済成長期です。

一方で二〇〇〇年代に入ってからのGDP成長率はマイナスが続き、自動車保有台数は、二〇〇三年の七千七百万台から二〇〇一三年の八千万台へとわずか一・〇四倍に留まり、今後自動車保有台数が減少に転じる事は明らかです。また、今後四十年の労働生産人口は現在の七千六百万人から五千万人まで減少するとの推測がされています。

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広畑港区の水深14mバース(2013年)

県はこれまでも甘い需要予測のもとでの大型公共事業を推進してきました。

但馬空港は、年間乗客見込み数四万七千人に対し、二〇一四(平成二十六)年度実績は二万九千人でした。姫路港広畑港区では、年間六十四万㌧の貨物量と三万㌧超の巨大コンテナ船が入港できるようにと四十億円以上かけて水深十四㍍バースを整備しましたが、二〇一四(平成二十六)年度実績は貨物量九万㌧、三万㌧超の巨大コンテナ船入港実績は一隻です。

こうした大型公共事業の結果、県は財政を大幅に悪化させ、福祉・暮らし・安全のための予算を「行政改革」のもと切り捨ててきました。

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これからの公共事業は、不要不急の大型開発型から、老朽化が進む社会基盤への維持管理型の公共事業への転換が必要です。

しかし、県が発表した今後十年のメンテナンス計画は、例えば橋脚は四千六百五十四橋のうち、わずか三百二十四橋、経年三十年以上の下水道管は五十二㌔㍍の内〇・七二㌔㍍に留まっています。今から二十年~三十年後には一気に社会基盤の老朽化が進み莫大な維持管理費が必要になってきます。

大型公共事業では地元建設業者の受注率は限定的ですが、維持管理型の公共事業は地元建設業者への仕事おこしにもつながります。防災・老朽化対策型への公共事業への転換が必要です。

(2015年11月15日付「兵庫民報」掲載)

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