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2015年11月22日日曜日

憲法が輝く兵庫県政へ(8):中小企業

「中小企業振興条例」をいかした県政への転換を

兵庫県商工団体連合会会長 磯谷吉夫

兵庫県下には二十一万八千の事業所があり、そこで二百十七万三千人が働いています。その内、従業者数三十人未満の小規模事業所が二十万六千事業所と九四%を占め、雇用の上でも五一%を支えています。兵庫県の地域社会・経済はこうした中小商工業の営みによって支えられています。

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兵庫県議会は十月二十九日、中小企業・小規模企業への支援を明文化した「中小企業振興条例」を全会一致で可決・成立させました。前文では、「地域の経済の活性化、ひいては本県の持続的発展を確固たるものにするため、各般の施策を総動員することによって、地域ぐるみで本県の中小企業の振興、とりわけ小規模企業の振興に県が先頭に立ち積極的に取り組む事を決意し、この条例を制定する」としています。

兵庫県では、二〇〇二年に兵商連など百三十五団体が署名した「兵庫県地域経済振興条例制定を求める請願」が、日本共産党を除く会派の反対で否決されました。その後も、民商・兵商連は毎年、中小業者施策の充実とともに、「地域経済振興条例」(中小企業振興条例)の制定を求め続けてきました。今回の「条例」制定は、その取り組みが実ったものです。

「中小企業振興基本条例」を制定している自治体は、三十一道府県百十六市区町(二〇一四年四月全商連調べ)で、その後も増え続けています。地域経済が疲弊する中で、改めて中小業者の役割を見直し、地域経済を守る行政の役割を位置づけようとする意識が自治体の中に広がっています。小規模企業への支援を国とすべての自治体の責務だと定めた「小規模企業振興基本法」が二〇一四年六月に成立したことも、「条例」制定を後押ししていると言えます。

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安倍内閣の経済政策「アベノミクス」が、いっそう行き詰まりを深め、政権発足・「三本の矢」から三年近くたっても、中小業者・国民の経営と暮らしの困難は増すばかりです。円安や株高は進み、大企業などの利益は記録的な水準になっていますが、そのほとんどは内部留保にまわり、国民の収入や消費は増えていません。

兵商連が半年に一度行っている「会員景況調査」では、「消費税増税後、特に客単価が下がっている」(小売業)、「消費税増税で住宅の建築数が大変少なくなった」(建設業)、「材料費・光熱費の値上げで利益減少」(飲食店)など、地域経済と雇用を支えている中小業者から悲鳴ともいえる声が寄せられています。

安倍政権は、好循環を地方にも波及させる姿勢を示すため、「地方創生」を強調していますが、地方の競争をあおるものでしかありません。

一方、地域経済に大きな効果を発揮し住環境の整備にもつながる「住宅リフォーム助成制度」を二〇一三年度に実施した自治体が全国で五県六百二十三市区町村(二〇一四年四月全国商工新聞調べ)にまで広がっています。兵庫県議会は、二〇一一年十二月に「制度実現」を採択しましたが、兵庫県政は私たちや建設関係団体の要望に応えようとしていません。

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民商・兵商連は十一月十二日、兵庫県中小業者決起大会を開き、緊急・切実な要求を掲げた兵庫県各部局・金融機関十五カ所への要請行動を行いました。

制定された「中小企業振興条例」を真に実効あるものにしていくために、地域経済活性化に必要な施策の提案と実行を求めていく運動が求められています。

(2015年11月22日付「兵庫民報」掲載)

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