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2015年10月11日日曜日

革新芦屋の会―「ナコン事件」について聞く

〝戦争のなかで誰がどんな目にあうか…〟


「革新芦屋の会」は九月二十六日、豊中と芦屋、両『9条の会』などでご活躍の鵜崎泰さんの「ナコン事件のお話」を聞くつどいを開きました。

一九四一年十二月八日。「真珠湾攻撃の日」としてはよく知られた日ですが、東南アジアでもイギリスやアメリカ(の植民地)に対する開戦の日でもあります。

日本軍は、フランスの「ビシー政府」がドイツの傀儡政権であったことを利用して、仏領インドシナを足がかりに、イギリス領だったビルマ(現ミャンマー)、マレーシア、シンガポールなどに攻めていくため、中立国であったタイに「兵員通過」を認めるよう強要。タイ当局が応じなかったにもかかわらず、日本軍は南部タイに不法な上陸作戦を強行。タイの現地軍と日本軍の双方に百数十人の戦死者がでる戦闘となりました。

そのなかで、たまたま現地にいた「昭和通商」社員の日本人六人がタイ警察に射殺される事件が起こりました。これが「ナコン事件」です。民間日本人殺害についてタイ当局が非を認めた形で、この事件は「なかったこと」にされ、ごく一部の人だけに語り継がれてきました。

鵜崎泰さんは、事件前夜にその「六人」と別れたために難を逃れた方のご子息。戦争のなかで誰がどんな目にあうか、その生々しい実例を「戦争法制」とも重ね合わせ、熱弁をふるい、三十人の市民が聴き入った二時間近くでした。

なお、「六人」のうちの一人の娘さんである奈良迫ミチさんが、鵜崎さんのお父さんから聞き取ったことをまとめた本『ナコン事件』が九一年に日本随筆家協会から刊行されています。
(副島圀義=革新芦屋の会)

(2015年10月11日付「兵庫民報」掲載)

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