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2015年10月11日日曜日

憲法が輝く兵庫県政へ(2):被災者支援

いまこそ「憲法」にもとづく被災者支援に

兵庫県自治体問題研究所事務局長 小田桐功

阪神・淡路大震災から二十年が経過していますが未だに大震災からの復旧・復興が終わるどころか「復興災害」ともいえる事態が続いています。

兵庫県が進めた震災復興は、「創造的復興」といって「多核・ネットワーク型都市圏形成」として大規模開発や神戸空港や関西空港建設の補助や高規格道路など震災復旧・復興とは直接関係のない事業も推進されました。

また、個人補償を拒否したことなどによる被災者支援の遅れによって孤独死や震災障がい者支援の遅れ、アスベスト被害、被災商工業者への直接支援がなかったことによる生業苦など二次、三次災害ともいえる復興災害が続き生活再建は道半ばです。

特に、震災復興借り上げ住宅入居の被災者は、借り上げ住宅の提供者である兵庫県や神戸市、西宮市などによって「二十年の入居が過ぎたから」と住んでいる災害公営住宅から出て行けとの強行「追い出し」を受け、心を痛めています。

これに対して入居者の方々は、「ひょうご震災復興借り上げ住宅協議会」を結成し「希望するすべての入居者が継続入居できるように」と行政に働きかけています。借り上げ入居者の弁護団も取り組み、兵庫県弁護士会も「借上公営住宅における入居期限に関する意見書」を提出し「希望者が原則的に入居継続できる方策」を行政に求めています。

そもそも借り上げ公営住宅は、兵庫県など行政が住宅を失った被災者に災害公営住宅を建設し提供しなければならず、建設が用地難などで至急対応できないことから「UR」などから借り上げた安上りの施策です。「二十年の借り上げ期間」は行政の都合によるものであって被災者の追い出しや入居を認めない行為は不作為に当たります。

借り上げ公営住宅に入居する被災者は、避難所から仮設住宅、コミュニティを無視されながらやっと住まいが保障されたのです。生存権の保障であり、「住まいは人権です」。

日本国憲法は、「この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利」(第一一条)であり、第九八条では「この憲法は、国の最高法規であつて、その条規に反する法律、命令……は、その効力を有しない」こと。第九九条では「公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ」ことを求められています。

県知事(神戸市長、西宮市長)らが、借り上げ住宅入居者の「住み続けたいとの願いに」応えることは「すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については……最大の尊重を必要とする」(一三条)ことから「住民の福祉の増進」(地方自治法一条の二)に資することになり、知事の責務であり、地方自治体に働く公務員の役割ではないでしょうか。

また、私たち国民が主権者として「憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によつて、これを保持しなければならない」(第一二条)ことを肝に命じ、安倍自公政権による強行採決された憲法違反の「戦争法」を許さないたたかいとも呼応し、被災者支援を強めなければならないと思います。


(2015年10月11日付「兵庫民報」掲載)

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