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2015年10月25日日曜日

ノーモアヒバクシャ近畿訴訟・傍聴記(10/5)

〝中途半端な地裁判決〟の克服掲げ

副島圀義

十月五日の大阪高裁大法廷。ことし一月三十日の地裁判決(四人勝訴・三人敗訴)に対して原告と国の双方が控訴。その一回目の弁論でした。

尾藤廣喜弁護士

「ノーモアヒバクシャ訴訟」は、国が日本被団協と交わした約束を守らなかった結果、被爆者が裁判を起こさざるを得なくなったもの。国の不当性は明らかだ。

集団訴訟以来、司法の場で確立してきたことは「被爆状況とその後の経過を通じて、発病に被爆が相当な原因をなしていることが明らかであれば『原爆症』と認定するべきだ。『被曝線量の立証責任』を被爆者に負わせるのは間違いだ」ということだった。

しかし、地裁判決は「健康に影響した程度の被曝は認めるが、心臓病になるほどの高い被曝とは認められない」と、被爆者に被曝線量の立証責任を負わせる誤りを犯した。この誤りを克服することは、被爆者援護法の立法趣旨を堅持するためにきわめて重要だ(「内部被曝の影響を考慮していない点を含め、地理的範囲及び線量評価の両方において過小評価」と、国を批判もしているが…)。

原告・柴田幸枝さん

五歳の時に長崎で被爆。父に連れられ爆心地付近を五日間歩き回り脱毛・発熱などの急性症状もあり、以後ずっと病気がち。甲状腺機能低下症で原爆症認定を申請したが却下。地裁で勝訴してホッとしたが控訴された。同じように、地裁で勝訴したのに国が控訴、直後に亡くなった武田さんもさぞかし口惜しかったと思う。国の態度を改めさせるためにとことんたたかう。

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この十月には、二十三日に故梶川一雄さんについての高裁弁論、二十九日に故武田武俊さんについての高裁判決と、裁判が続きます。



(2015年10月25日付「兵庫民報」掲載)

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