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2015年8月23日日曜日

なまの舞台をごいっしょに:俳優座『春、忍び難きを』

神戸演劇鑑賞会9月例会



2幕の舞台に登場人物が13人。この人物たち、ひとり、ひとりに変化する時代を背負わせて舞台は進行する。

敗戦の年、1945(昭和20)年から1年間。信州・松本近郊の庄屋一家が、敗戦をどの様に受け止めたのか。混乱の時代をどの様に生き抜いたのか。作者・斎藤憐が、自身の体験も踏まえた時代を深く見つめ。また、その時代を生き抜いた人たちを慈しみ、限りない愛情を注いでいる。

幕開きは、トメ、サヨ、よし江の3人の女たちが、日常の会話を交わして居るところから。望月家は土地の名士。庄屋であり、村長でもある。トメは当主多聞の妻。サヨは、一度嫁いだが、今はこの家にもどってきている。よし江は、この家を継ぐ次男の嫁で、帰還の知らせは未だにない。

この年は、敗戦による食料難と、半世紀に一度の大凶作。都会から子どもたちが帰ってきたりで、望月家は大所帯に成っていた。やがて、農地改革がしかれ、一日、一日と時代の変化が見え始めてきた。男たちは変化に怯える。しかし、女たちは、黙々と農作業に精を出していた。やがて…。

戦後70年の節目の年。そして、時代の変化のただ中に生きている私たちに、生きる原点を考えるヒントを示している舞台です。 (小谷博子)


俳優座公演『春、忍び難きを』/作=斎藤憐、演出=佐藤信・眞鍋卓嗣/出演=小笠原良知・川口敦子ほか/①9月3日(木)18時30分②4日(金)18時30分③5日(土)13時30分/神戸文化ホール中ホール/会員制(入会時に入会金1000円と月会費2カ月前納)、月会費3500(大学生2000円、中高生1000円)/☎078-222-8651、Fax078-222-8653

(2015年8月23日付「兵庫民報」掲載)

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