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2015年8月9日日曜日

社会福祉法等改正案:堀内議員が反対討論

堀内照文衆院議員
私は、日本共産党を代表し、社会福祉法等改正案に反対の討論を行います。

社会福祉法人は、家族関係者の血のにじむような資金づくりの上に成り立ち、ぎりぎりの運営を強いられています。当事者、家族、職員などから寄せられる、内部留保などどこにもない、せめて実態を把握してから議論してほしいとの訴えは当然であり、7時間の質疑で採決するなどあり得ません。

以下、反対の理由を述べます。

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第1に、実態のない内部留保を前提に、営利企業との公平性を強調し、全ての社会福祉法人に無料、低額の福祉サービス提供の責務を課すとともに、余裕財産の地域公益活動等への投下を義務づけています。これは、格差、貧困の拡大や社会福祉制度の後退などで生じた問題への対処を社会福祉法人の慈善的事業に肩がわりさせようとするもので、さらなる制度後退につながります。

重大なのは、利用者への支援の質、量の低下、労働者の処遇悪化につながることです。

現在の報酬単価、職員配置基準は、人として当たり前の生活を保障するにはほど遠い水準です。それを放置したまま新たな責務を課すことなど許されません。

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第2に、福祉従事者の労働条件の一層の悪化をもたらすことです。

障害者施設への退職共済の公費助成を廃止することは、人材確保に逆行します。極めて低い賃金水準の上、退職金も保障されなければ、人手不足に拍車をかけることは明らかです。

フィリピンEPAのため導入された准介護福祉士資格は、介護職全体の労働条件引き下げにつながるもので、廃止すべきです。

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参考人も語られたように、社会福祉法人には、資金を集め、自主的、先駆的に事業を立ち上げ、制度化をなしてきた歴史があります。重度障害を持つ子供たちの卒業後の進路先がなかった時代から作業所づくりを続けてきた女性から、手紙をいただきました。

「受け入れてくれるところがないのなら、行ってきますと毎日出かけていく場所を自分たちでつくるしかないと、学校の先生方や地域の方々の力をかりて社会福祉法人を立ち上げ、作業所をつくってきました。

障害のある子供を抱えながら、バザーを初め、さまざまな資金づくりに身を粉にして取り組んできました。我が子たちがさまざまな仕事に取り組み、社会の一員として頑張っている姿に接し、私たちも喜びを持てる親に成長させてもらいました。

そして、社会資源を私たちの手でつくり上げてきたことに誇りを持ってきました。

しかし、今は、運営は厳しく、人手不足も深刻です。我が子たちのあすが続くのか、本当に不安です。

内部留保なんてとんでもありません。福祉現場が人間らしく暮らせる場となるよう、徹底した改善こそ望みます」―

社会福祉制度が国民の権利であることを否定し、公的責任を投げ捨てるとともに、社会福祉法人の役割の変質を迫る本法案は廃案にすべきであることを指摘し、討論を終わります。

(2015年8月9日付「兵庫民報」掲載)

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