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2015年8月2日日曜日

妄想敵:大門みきしエッセイ(2)

戦争法案に賛成という人がまだ2、3割います。その理由としてよくあげられるのが、「北朝鮮や中国のことが心配」ということ。この間、自民党がさかんに宣伝してきた「北朝鮮・中国脅威論」が浸透しているようです。

さらに反対世論を増やし廃案に追い込むにはこの論を打ち破ることが必要です。この間、近畿各地の街頭演説や集会では必ず「北朝鮮・中国脅威論」がいかに根拠のないものか、北朝鮮の国状や日中の経済関係の親密さなどデータをあげてお話しています。様々な問題もすべて外交努力で解決すべきものです。

実際に北朝鮮がアメリカに向けてミサイルを撃つとか、中国と日本が一戦交えるなどありないことは自民党議員だって100も承知です。中東派兵という戦争法案の本質をごまかすために、身近な「仮想敵」を演出しようとしているに過ぎません。

「仮想敵」が「妄想敵」になると珍事件が起こります。2008年9月、高知県・足摺岬沖で国籍不明の潜水艦が領海侵犯したと防衛省が発表しました。軍事アナリスト(当時)の小川和久氏などはテレビで「中国海軍の潜水艦に違いない」と断定しました。しかし1週間後、防衛省はクジラを潜水艦と見誤った公算が大きいと発表を訂正。交信しても返事がないのは当たり前です。

お化けなどいないのにお化けがいると思いこみ、恐怖のあまり銃をかまえて撃ったら、そこにいたのは人間だった。妄想から戦争が始まることだってあるのです。

(参院選比例予定候補・活動地域=近畿2府4県)

(2015年8月2日付「兵庫民報」掲載)

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