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2015年8月30日日曜日

発言:井口克郎さん(神戸大学講師)

憲法9条と25条、同時破壊の進行


井口克郎さん

今回の安全保障関連法案による集団的自衛権の容認等は、平和主義を謳う憲法9条に違反し、人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果である日本国憲法全体の理念や方向性にも真っ向から違反するものです。

今日、真の平和を追求するにあたり私が敢えて指摘したいのは、現在、憲法が空洞化されているのは9条だけではないということです。特に重要なのが25条の空洞化です。

私は大学では社会保障(医療・福祉、年金、生活保護など)や人権といったことを教えています。社会保障は私たちが人間らしい尊厳ある生活をしていくために不可欠な公共サービスです。社会保障については、憲法25条が人々には健康で文化的な生活を営む権利(生存権、生活権、健康権)があり、国にはそれを保障する義務があることを規定しています。

しかしこの間、小泉「構造改革」をはじめ国は一連の社会保障費大幅抑制を進めており、現に生活保護の給付引き下げ、介護保険給付範囲の限定化等が行われています。

2012年に社会保障制度改革推進法という法律が成立しました。社会保障の国家責任については先述の通り憲法25条で規定されているのですが、この法律は、社会保障費抑制や国家責任軽減のため、極力生活問題は家族及び国民相互の助け合いで対応するよう、社会保障の責任・役割を国民に転嫁し社会保障の変質を進めることを意図しています。

安全保障関連法案の審議と並行して今年6月に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針2015」(「骨太の方針2015」)も、社会保障費抑制推進の方針を示しました。

これまで進められてきた社会保障抑制等の政策の結果が「格差社会」という貧困と不平等が大きな社会問題になっている今日の日本です。憲法9条の実質改憲と並行して、私たちの基本的人権を規定した25条も実質改憲が行われてきているのです。

これらは密接に関係があります。今後もし、日本が自衛隊をより積極的に海外展開したり、戦争に巻き込まれたりしていくようなことになれば、そこには膨大な資金がかかります。どこから捻出するかとなれば、社会保障をいっそう抑制するということになりかねません。安全保障関連法案が成立すれば、人々が平和の下で健康で文化的に生存および生活する権利(平和的生存権)が剥奪されていく危険性が大きいでしょう。

軍事力による威嚇の強化は、際限ない軍拡競争と人々の人権の剥奪を伴います。私たちには今、良心と知性に基づいた平和を求める不断の努力、すなわち貧困や不平等の撲滅及び人権の拡充を基盤とした、平和的外交手段や市民レベルの国内・国際的対話等による、真の平和を目指す努力こそが求められています。

(2015年8月30日付「兵庫民報」掲載)

大学関係者の声明・賛同広がる:安保関連法案に反対

県内の各大学などでも「安保関連法案に反対する」有志の会が結成され、声明を発表しています。(神戸大学緊急集会は8月9日付既報

○関西学院大学


関西学院大学では、8月10日、安保関連法案に反対する関西学院大学有志が声明を発表。署名フォームページを立ち上げフェイスブックなどで卒業生も含めた関係者に賛同を呼びかけています。準備会議には、20人ほどの教員が参加し、声明案や広げ方などを相談し、その日に発表となりました。

声明は―
「私たちの関西学院が創立された1889年は、近代日本の進路を決定する大きな分岐点となる年でした」「関西学院は軍国主義とファシズムが席捲する中、1940年にべーツ院長が、院長、学長職を辞任、同年、すべての外国人宣教師教授が帰国を余儀なくされました。1943年には、学生の徴兵延期の特典が撤廃され、関学生の大部分が徴兵検査を受け、『学徒出陣』として死地に動員されて行きました。戦死者は学院全体で218人と報告されています」
―と関学の歴史にも触れながら、「学院が経験した戦前の負の歴史に思いを馳せ、過去と未来に責任を負っている私たちは、安全保障関連法案に反対し、この法案の廃案を求めます」と明確に述べています。

8月22日現在、賛同人は、呼びかけ人53人を含めて475人となっており、賛同者からはコメントも寄せられています。

「ただの1人の主婦であり母である私にできることはほとんどないのかもしれません。でも、いくら考えてみても、この法案が私たちを守ってくれるとは思えないのです。9条を守ることのほうが、私たちを守ってくれる気がしてなりません。子どもや、もっと先の世代に、なぜあのとき大人たちは真剣に反対しなかったんだ、と思わせるわけにはいきません。先人の尽力で続いてきた70年の『戦後』を1日も長く続けていくことが、今を生きている私たちの責務だと思います」(社会学部卒業生)
「安保法案は平和国家日本の誇りを踏みにじるもの。断固反対します」(法学部卒業生)
―など、それぞれの思いが自由に記されています。

関学有志の会は、全国のたたかいにも呼応しようと、安全保障関連法案に反対する学者の会が主催する8月26日の100大学有志共同行動にも4人が参加することになっています。

○神戸女学院


安全保障関連法案に反対する神戸女学院有志の会は、8月20日にホームページを立ち上げ、声明を発表し、大学だけでなく中高も含めた関係者、卒業生などに賛同をよびかけています。

声明では――
「神戸女学院(1875年創立)は、戦時の苦難の一時期もふくめ、『キリスト教主義』『リベラルアーツ&サイエンス』『国際理解』を教育の柱に据え、聖書の言葉に基づく『愛神愛隣』を学院標語に掲げてきました」と学院の成り立ちを述べながら――
「戦争は、子どもたちを含む多くの犠牲者を生み出し、命の尊厳を踏みにじります。憲法に明記された平和主義に反し、戦争への道を開く安全保障関連法案の廃案を、強く要求するものです」
―と主張しています。

賛同者は、8月25日午前9時現在で114人になっています。

(2015年8月30日付「兵庫民報」掲載)

若者が戦争法案反対!全国一斉行動:神戸デモに150人


SEALDs(自由と民主主義を求める学生緊急行動)が8月23日に「戦争法案に反対する全国若者一斉行動」を呼びかけ、全国60数カ所で取り組まれました。

兵庫でも「戦争法案に反対する神戸デモ」が行われ、150人が参加しました。主催したのは兵庫労連や民青県委員会などで作る実行委員会。

出発前の集会やデモでは、高校生、学生、労働者、看護師、薬剤師、教員など幅広い分野の青年がそれぞれの思いで戦争法案に反対するスピーチをしました。

子どもが産まれたばかりという教員は「私には家族がいます。友だちがいます。同僚や仲間がいます。そして、産まれたばかりの4カ月の娘がいます。可愛くて可愛くて仕方がないんです。そんな当たり前の幸せを奪われてたまるか!と強い怒りをおぼえます。私は平和を1人の青年として、父親として、教師として当たり前に願う。そして、1人の主権者として安全保障関連法案廃案に向けて声をあげます」とスピーチしました。

看護師の青年は、「集団的自衛権で日本や世界の平和を守ることはできません。本気で日本と世界の平和を守りたいなら、憲法9条を発揮して非軍事の話し合いの外交を広げるべきだと思います。私は看護師として働いていますが、日本の平和のために自衛隊に入った希望ある若者が病んでいく。そんな国を私は望みません。私は昨年結婚しました。旅行に行ったり、映画を見たり、将来を語ったりする日々こそが平和なんだなと実感します。この幸せな平和を壊したくないし、当たり前のものとして私の子どもや孫やその先の世代まで託したいと思います。詳しくなくてもいい、対案を示さなくてもいい。戦争か平和かその一点だと思います。私は戦争法案に反対します」と思いを語りました。

デモでは「民主主義って何だ?これだ!」「めっちゃ自民党感じ悪いよね」「安倍はやめろ」「戦争法案絶対廃案」「憲法違反の法律反対」「戦争するな」「憲法壊すな」とコールしながら、多くの人でにぎわう三宮センター街などを歩くと、スマホやデジカメで写真をとったり、一緒にコールする人などもいて大きな注目を集めました。

参加者からは「コールが楽しかった」「またやりたい」と意欲が語られています。

実行委員会では戦争法案をなんとしても廃案に追い込むため、もっと若者が声をあげようと9月にもデモを計画中です。

(2015年8月30日付「兵庫民報」掲載)

大門参院議員、金田氏、堀内衆院議員ら宣伝

宣伝する(右から)大門参院議員、堀内衆院議員、
金田国会議員団兵庫事務所長、森本神戸市議

日本共産党の「戦争法案阻止いっせい宣伝週間」初日の23日、県委員会は、大門みきし参院議員、堀内照文衆院議員を迎え、金田峰生党国会議員団兵庫事務所長とともに、三宮で街頭演説を行いました。森本真神戸市議団幹事長が進行役を務めました。

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金田氏は、戦争法案の違憲性があきらかになっている状況の中で、「憲法を一番守らなければならない安倍首相が、憲法を踏みにじる。法治国家としてありえない」と鋭く批判。平和と民主主義を掲げて93年奮闘してきた日本共産党の一員として、廃案に全力を尽くす決意を述べました。

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堀内議員は、国会で大問題になっている戦争法案の先取り的内容の検討を示す自衛隊内部文書問題について詳しく紹介。安倍首相の70年談話を戦前の戦争推進勢力の論理に通じるものとして批判。70年前の3月17日、6月5日の空襲で1万人以上の犠牲がでたことにもふれ、戦争法案廃案への共同を呼びかけました。

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現在の国会審議の最前線で奮闘している大門みきし参院議員は、審議すればするほど法案の違憲性が浮き彫りになっていると語り、そのうえで、政府が持ち出している中国・北朝鮮脅威論を自らの質問で論破したことを報告。「経済での一番のパートナーとなっている中国を政府も『脅威』とは見なしていないことを浮き彫りにした」と述べ、「北朝鮮の国力で日本を攻撃してくるようなことは空想でしかない」と指摘。「最後は国民世論が決める。8~9割の反対世論に広げ、なんとしても廃案に追い込みましょう」と訴えました。

*
沿道から「アベ政治を許さない」のプラスターを掲げる人、信号待ちでじっと聞き入る人もあり、チラシを受け取り、署名に応じる人もたくさんいました。

通りがかりの中学生2人組に、「戦争法案って知っている?」と聞くと、「よくわからない」というので、「あなたたちの友だちや彼氏などが、戦場に行かされるという法律ができるかもしれないのよ。ぜひ署名して」というと、「それは嫌や」と2人とも署名してくれました。

(2015年8月30日付「兵庫民報」掲載)

渡久地修沖縄訪米団長が神戸で講演

講演する渡久地氏

「まもろう憲法、沖縄新基地反対集会―翁長知事を支える訪米団・渡久地修団長講演会」が22日、神戸市勤労会館で開かれました。主催は兵庫労連、県憲法共同センターと県原水協の共催です。

兵庫労連の津川知久議長が開会挨拶をし、「戦後70年、被爆70年、非核『神戸方式』40年の年に安倍政権はこの土台である平和憲法を破る戦争法案を今国会で強行しようとしている。安倍暴走政治反対の1つの焦点である沖縄新基地建設反対のたたかいに学び、今後のたたかいにいかそう」と呼びかけました。

日本共産党沖縄県議で訪米団長の渡久地修氏は、映像を使って沖縄の歴史から説明しました。

戦時中、沖縄は本土防衛の捨て石とされ、県内に基地が18もつくられ、14歳から兵士にされ、結果、県民の4人に1人が亡くなったことを示し、「戦争の美化は許せない」と強調。戦後については、アメリカ軍政の蛮行、基地化の歴史、たたかいの歴史を語りました。

さらに、1995年の少女暴行事件以来の県民運動を紹介。裏切りや分断を乗り越え、たたかいを通じて、県民の苦難の原因に迫って行くなかで、知事選などの一連の勝利を勝ちとった「オール沖縄」の共同がどう広がっていったかを熱く語りました。

今や「基地は沖縄経済発展の阻害物」だと経済界や県も表明するまでになっていると報告。この流れをつくった運動と世論、特に沖縄と本土が一体になった世論の力がカギだと指摘。そのため辺野古基金もできたこと、近く全国で一斉に「意見広告」を出す計画も明らかにしました。

今回の訪米については、食事時間も全て会談にする過密日程で上院・下院議員や補佐官、シンクタンクと懇談してきたと報告。リンカーンの「人民の人民による人民のための政治」との言葉は人類共通の精神だと訴え、相手側からも「沖縄の実情や声を聞けて良かったと」感想が出るなど、道理と正義の力を実感したと語りました。

政府が辺野古沖工事を1カ月中断したのも世論と運動が追い込んだもの、知事も辺野古建設反対を貫き、県議会で埋め立て土砂規制の条例も準備されていることなども報告しました。

渡久地氏は会場からの質問に答え、「オール沖縄を全国からも支えて欲しい」と訴えました。

その後、NPT再検討会議、原水爆禁止世界大会に参加した若者からの報告発言もあり、参加者から「次の担い手が育っている。勇気をもらった」との感想も出されました。

この集会には堀内照文衆議院議員も参加しました。

(2015年8月30日付「兵庫民報」掲載)

芦屋平和委員会「第3回平和のわ」

『けんぽうができるまで』

芦屋市で「第3回平和のわ」が8月22日、同市立市民センターで開催され、約60人が参加しました。芦屋平和委員会の主催、新日本婦人の会芦屋支部との共催です。

今年のメイン企画は、明日の自由を守る若手弁護士の会(略称「あすわか」)メンバーによる「あすわか兵庫劇団」の憲法劇で、第1部『けんぽうができるまで』と第2部『せんそうがおきるまで』が続けて上演されました。

第1部で、わがままな王様「キングイマニッシ」が自分を批判する歌を禁止したことに人々が抗議して辞めたあと、歌手に転向。替わって王様になった「カズヤーギ」は、「自由」を認める「憲法」を定めますが、第2部では、その「自由」が「公共の福祉」を理由にことごとく禁じられることになります。特定秘密保護法をパロディ化した『超限定!国家ヒミツ☆漏えい防止法案』なども登場。元「キングイマニッシ」がその危険性を指摘するなど、コミカルな中にも安倍政権の危険性に迫るストーリーに会場内に笑いと拍手が広がりました。

参加者からは「弁護士さんってお堅い感じがしていたけど今日は親しみが持てました」「若い弁護士の皆さんが頑張っておられる姿に励まされました」などの感想が寄せられました。

演劇の間には、被爆した少女を描いた大型絵本『まちんと』も上演されました。

(芦屋平和委員会・平野貞雄)

(2015年8月30日付「兵庫民報」掲載)

「憲法は宝だ」集会:戦争への道、いまくい止めなければ

NHK問題を考える会・兵庫、兵庫革新懇などでつくる実行委員会の主催で「憲法は宝だ」集会が8月22日に開かれ、会場の神戸国際会議場メインホールは満席となりました。

宝田氏の講演

俳優の宝田明氏が「私の戦争体験・子どもたちに平和な未来を!」と題し講演。旧満州からの引き揚げなど、自らの壮絶な体験を語り、聴衆は、「戦争への道、いまくい止めなければ」の思いを強くしました。

石川教授の報告

また、神戸女学院大学の石川康宏教授が、安保法案について報告。安倍政権を決定的に追い詰め戦争法案を阻止するために、いまなにをすべきかを解明しました。

(2015年8月30日付「兵庫民報」掲載)

市川町:岩見武三新町長が抱負

住民によりそい町政すすめる


武見新町長

市川町長選挙で岩見武三氏を擁立して選挙戦をたたかった「市川町 絆の会・岩見武三君を励ます会」の主催する「納涼のつどい」が8月22日、鶴居公民館で開かれ、57人が参加しました。

最初に挨拶に立った「絆の会」の藤本敏一会長(鶴居区長)は「選挙戦ではみなさんのパワーとまとまりに感心しました。これからも絆を大切によろしくお願いします」と述べました。

続いて挨拶に立った岩見武三新町長は「投票日の翌日から新町長として仕事をはじめている」「町職員には公務員として憲法をしっかり守る義務があることなどを伝えている」と語り、「住民によりそった姿勢で町政をすすめていく」と抱負を述べ、大きな拍手に包まれました。

その後、会費による軽食で和やかな歓談の場が持たれました。

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岩見武三氏(74)は、前日本共産党町議。幅広い町民に推され、町議を辞職して、8月9日投票で行われた町長選に「市川町 絆の会」から無所属で立候補し、現職の岡本修平氏(60)を破り当選しました。

(2015年8月30日付「兵庫民報」掲載)

兵庫県日本共産党後援会が総会

決意を表明する金田峰生氏

「戦争法ストップ、安倍政権打倒、参院選―大門みきし、金田峰生必勝へ」―兵庫県日本共産党後援会は8月22日、第37回定期総会を新長田勤労市民センターで開催しました。

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森原健一会長が「昨年衆院選では近畿ブロック比例4議席を確保、堀内衆院議員を誕生させた。兵庫が大きな役割を果たした。来年の参院選で大門みきしさん、金田峰生さんの必勝に向け、後援会の役割は大きい。スタートはニュースを作り、読んでもらう人を広げること。はじめは何党支持かわからなくても、続けていけば必ず変化がある。大きな後援会を作って頑張ろう」と挨拶しました。

来賓として、県議会のねりき惠子団長と神戸市議会の森本真幹事長が挨拶し、いっせい地方選挙での支援への感謝と、来年の参院選での必勝めざし全力をあげる決意を述べました。

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堀内照文衆議員議員も駆けつけ、厚労委員会での歯科技工士問題、アスベスト問題など論戦(兵庫民報で既報)を紹介しました。

また、「政治を動かすのは世論の力だということを痛感」「戦争法案は参院での審議が行われているが、小池晃参議院が自衛隊内部文書(5月26日に作成)を暴露、共産党の論戦が政府を追い詰めている」「その中でわが党が議会制民主主義に果たした役割は大きい」「来年の参院選で共産党の議員が増えればもっと力を発揮でき、役割を果たすことができる」などリアルな報告をしました。

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参院兵庫選挙区予定候補の金田峰生氏は、「人の生命と尊厳を大切にする社会にしたい」と取り組んできたことや、県内での医療・農業・漁業・災害等多くの問題に取り組みながら、来年の参院選で必ず議席を勝ち取るため全力をあげると力強く決意表明し、大きな激励の拍手に包まれました。

比例代表予定候補で近畿を活動地域とする大門みきし参院議員もメッセージを寄せました。

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松田隆彦県委員長は記念講演で、「来年の参院選は、戦争か平和かを決める選挙、改憲派に審判を下す選挙です。比例代表選挙850万票、得票率15%以上を必ず勝ち取り、比例代表で8議席(第1次分)以上、兵庫選挙区で金田峰生さんを必ず国会へ送る。そのため、兵庫では、比例46万票(前回16万票、昨年衆院選26万票)をめざし奮闘しましょう」と呼びかけ、戦争法案をめぐる情勢の大きな変化を紹介し、客観的な条件はあると強調しました。

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野中一清事務局長が議案提案。この間取り組んだ総選挙・いっせい地方選挙・中間選挙の活動と結果を報告、ニュースを発行して後援会員大きくしようと、後援会員倍加・30万人会員めざす特別期間を5月~7月に設定し、取り組んできたことなど紹介しました。

今後の活動方針として、「戦争法案」阻止へ全後援会が立ち上がり草の根の運動を強めること、参院選で比例代表・大門みきし参院議員の当選と、改選定数が1議席増の3となる兵庫選挙区で金田峰生氏を勝利させ12年ぶりに選挙区議席を奪還するため、後援会活動の日常化とすべての党支部に対応する単位後援会を確立することなどを強調しました。

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討論では、たつの市の堀譲氏が、空白になった同市議選を教訓に、「勝たなければならない選挙には、勝てる体制・得票に見合った後援会が必要。後援会の確立をめざしたい」と発言。

兵庫区後援会の亀井洋示氏はニュースの発行について発言。「選挙の電話作戦でも『後援会ニュースをよく読んでいますよ』から始まるので対話しやすい。行政区のニュースと単位後援会のニュースが合計6,600入っており、市議選で大かわら鈴子さんは7,000票獲得した。今後も地域の問題が載ってるニュースをさらに広げ、後援会を大きくし、2人区の県議選で議席を勝ち取りたい」と発言しました。

他に長田区後援会、明石後援会、西宮甲子園後援会が発言しました。

総会は、会長に森原健一氏、事務局長に野中一清氏(ともに再選)ら役員を選出し、最後に、参院選で大門みきし・金田峰生両氏の勝利に向け、「ガンバロー」を三唱しました。

(2015年8月30日付「兵庫民報」掲載)

猪名川町議選9月22日告示・27日投票

猪名川町議選は9月22日告示・27日投開票で行われます。

下坊辰雄氏 池上哲男氏
日本共産党は、現職議員の下坊辰雄(62)、池上哲男(62)の2氏を擁立してたたかいます。定数16に対し、現職全員と元職・新人を含め20人ほどが立候補を予定。激戦が予想されます。

国会で審議が続く「戦争法案ストップ!の声を猪名川から」と、両議員を先頭に町中で声の宣伝を届けようと宣伝カーを運行し、憲法守れの世論の先頭に立つとともに、市民アンケートにもとりくみ、町民の声を町政に生かすため奮闘しています。

町議員団は、この間、水道料金の引き下げや、国民健康保険税の引き下げ、こども医療費の中学卒業まで入院費の無料化、学童保育料引き下げ・保育時間の延長など住民要求を実現させてきました。

また、介護保険料の引き下げ・サービスの継続などの福祉の充実、都市計画税の引き下げ・廃止や住宅リフォーム助成、ごみ戸別収集など地域住民の要求をくみ、実現に向けて取り組んでいます。

この4年間、日本共産党議員団以外は、介護保険料引き上げ議案に賛成、「こども医療費助成を中学卒業まで」「年金引き下げに反対する」請願に反対という状況です。

日本共産党は、9月は国会会期末、戦争法案を廃案させるためにも日本共産党の町議会選挙での勝利が求められており、平和と町民のいのちとくらし守る2議席を絶対守りぬくために、支援の輪を広げつつ、全力でたたかうとしています。

(2015年8月30日付「兵庫民報」掲載)

中国の劇作家・田漢と日本の文豪の交流

講演する劉平教授

「田漢と谷崎潤一郎―中国の劇作家と日本の文豪―友好と交流の物語」セミナーが、NPO法人田漢文化交流会主催で、8月2日に芦屋市谷崎潤一郎記念館で、8日に中華会館(神戸市中央区)で開催され、のべ100人余が参加しました。

田漢文化交流会は、中国国歌の作詞者でもある劇作家・田漢(湖南省出身)と日本の作家との交流の研究を目的に2012年12月に神戸で結成され、研究交流をすすめています。

今年は中国から中国社会科学院教授・中国田漢研究会副秘書長の劉平氏を招き、セミナーを芦屋と神戸で開催しました。

劉平教授は「田漢氏が1916年以降日本に留学、7年間の滞在とその後の内山完造氏を介しての中国での交流も含め、当時の著名な作家―谷崎潤一郎、佐藤春夫、菊池寛、秋田雨雀、厨川白村―らと友情と交流を深め、それぞれの作品に影響を与えた」と作品名と内容を紹介。特に谷崎とは、日本の文学と劇脚本、中国翻訳、中国映画などの共通の話題で、紹興酒を交わし、意気投合したことも紹介しました。

日中友好協会兵庫県連合会もセミナー成功に協力しました。

(前田清=日本中国友好協会兵庫県連合会)

(2015年8月30日付「兵庫民報」掲載)

兵庫山河の会「山河」より

この子らを戦場兵士にさせまいと近所のママとパレード歩く
岸本 守

若者がいくさ反対大挙して青い芽伸びて大樹の予感
塩谷凉子

もしやして我にも赤紙来るかやと朝日歌壇にホームレス愁う
古賀哲夫

沖縄の高校生の朗読に平和への思いに胸揺さぶらる
鵜尾和代

多国籍軍の隊長日本人ニュースを聞いて鳥肌が立つ
新井 幸

ヒロシマへ核廃絶の道のりは険しいけれどわれら歩まん
西澤 愼

台風を起こしてやるぞと思いつつせみしぐれのなか集金にいく
山下 勇

繰り返す世の営みに倦むなかれボレロは終わる大団円で
山下洋美

七十年歩きし道はでこぼこで鳥花木々が心救いし
高木庸子

征きし君の遺言かとも憲法を抱き来たりしわれの半生
安武ひろ子

(2015年8月30日付「兵庫民報」掲載)

元首相も怒る


段 重喜

(2015年8月30日付「兵庫民報」掲載)

観感楽学

1944年丹後大宮町(現京丹後市)に旧海軍峰山航空隊基地が建設され、大宮、間人、津居山、豊岡上空を結ぶ訓練飛行が行われ、複葉練習機「赤とんぼ」が100機はいた。敗戦間際の45年7月、ゼロ戦の半分以下の鈍足練習機に過重2倍の250㌔爆装で特攻出撃させる哀話で「峰空物語」は終わる▼大宮、峰山は丹後ちりめんの本場、そのど真ん中の軍用滑走路だった。今度は風光明媚な経ヶ岬に米軍のXバンド・レーダー基地が建設中だ。米軍のレーダーはすでに稼働し、ロシア、南北朝鮮、中国東北部一帯を照射している。すでに電磁波による健康被害・環境影響が懸念され、騒音被害、米軍人による交通事故も頻発している▼経ヶ岬の500年の信仰を誇る穴文殊菩薩堂を囲んで自衛隊基地・米軍基地がある。松並木の参道から両基地は丸見えだ。抗議デモもできる。参道入口の道路前には村人の戦没者墓標が睨んでいる▼旧海軍飛行場工事には青年団員や朝鮮人徴用者も動員された。Xバンド・レーダー基地に対し、沖縄にも呼応して粘り強い抗議運動が続けられている。伊達に70年が経過したわけではない。丹後半島一周観光に行こう!(A)

(2015年8月30日付「兵庫民報」掲載)

2015年8月23日日曜日

発言:馬渡英樹さん(明日の自由を守る若手弁護士の会・弁護士)

戦争繰り返させないため行動を



明日の自由を守る若手弁護士の会の一員として市民の方と一緒に「憲法カフェ」「憲法茶話会」を開催するなどの活動をしています。なぜ憲法ができたのかを紙芝居を使ったりして、なるべく分かりやすく説明できるように心がけています。ママさんも、パパさんも、日本と子どもの将来を心配し、憲法について耳を傾けてくれますし、思いを熱心に語ってくれます。

私たち弁護士は、司法試験を受験するときに、憲法を学びます。その憲法の意味を、内閣総理大臣である安倍首相が全く理解していないことに驚いています。私自身、政治に対して特に意見を持っている人間ではありませんでした。でも、戦争を経験した人たちが守ってきた憲法を破壊することには、声をあげて反対していかなければならないと考えています。憲法を学んだ弁護士の使命といってもいいかもしれません。

今、集団的自衛権を容認するための安保法案が成立しようとしています。安保法案は、憲法9条に反するものであり、時の権力者の解釈によって、戦争を起こすことが容易になるものです。廃案にするしかないと思っています。

よく議論になるのが、集団的自衛権の〝抑止力〟です。本当に、集団的自衛権には、抑止力があるのでしょうか。最も軍事力のあるアメリカは、常に戦争をしています。抑止力があれば、戦争をしていないはずです。特に、自分の命を犠牲にすることをいとわないテロリストに対して、抑止力の効果はありません。むしろ、〝後方支援〟という名目の下に、戦争に参加することによって、日本がテロリストの標的になる可能性が高くなるでしょう。

また、日本に対する脅威はあるのでしょうか。たとえば、中国はたびたび日本を挑発するような行動に出ます。しかし、中国が日本に対して軍事的行動に出るような事態にはなく、すぐに安保法制を構築しなければならないほどの脅威はありません。

このような話をすると、安保法案賛成の方々からは、「平和ボケ」していると言われます。しかし、安保法案を可決し、アメリカの戦争に参加する行為こそ、日本が戦争に巻き込まれ、日本人が命を落とす可能性が高まることを無視してはいけません。

ヒトラーの下、ドイツ軍の空軍総司令官であったヘルマン・ゲーリングは、次のように語りました。「一般市民は戦争を望んでいない。しかし、国民は常に指導者たちの意のままになるものだ。自分たちが外国から攻撃されると説明するだけでよい。そして、平和主義者については、彼らは愛国心がなく国家を危険に晒す人々だと公然と非難すればいいだけのことだ」。最近の日本の風潮を示しているのではないでしょうか。

戦争をしないためには、対立する国と経済的に協力態勢を構築し、互いに必要な存在であることを認識することが、最大の抑止力になります。このようにして、私たちの先祖は、戦後70年間、戦争しない国を作ってくれたのです。

集団的自衛権を容認した場合、アメリカの戦争に参加することになります。きっと、アメリカは正義のための戦争と旗を掲げるでしょう。イラク戦争がそうでした。歴史を振り返ると、人間は平和を叫びながら戦争を起こしてきました。無実の一般市民を殺すかもしれない戦争に、日本人も参加してもいいのか。賛成の方も、反対の方も、私たち1人1人が向き合って話し合うことが大切だと思います。また、違憲の法律が成立しようとしている緊急事態です。日本が間違った方向に進まないために、政党や宗教を超えた協力が必要なときではないでしょうか。

2度と戦争を繰り返さないために、負の遺産を私たちの子孫に残さないために、皆さんと一緒にちょっとずつ行動していきたいと思います。(談)

(2015年8月23日付「兵庫民報」掲載)

SEALDs KANSAI街宣アピール元町駅前に700人


SEALDs KANSAIが神戸で初めてとなる街宣アピールを8月7日、JR元町駅東口前で行いました。聴衆は、開始前からどんどん膨れ上がり700人となりました。

はじめに主催者を代表して関西学院大3年の大野至さんが呼びかけ―「なぜ安保法案に反対するか、それは議会制民主主義と立憲主義を否定しているから。一緒に声をあげようと今日は初めて神戸で行っています」と訴えました。

続いて学生や学者らが次つぎとマイクを握りました。

神戸大学の緊急集会を主催した岩佐卓也准教授は、「神戸大学で集会をやれたのは、SEALDsのみなさんのおかげ。みなさんの取り組みをみていて恥ずかしくなり、神戸大学で声があがらないのなら自分があげればいいんだと集会を呼びかけ、短期間で成功させることができました。各大学で声をあげましょう」と呼びかけました。

学生のスピーチでは―

「戦後教育は戦争に反対する力をはぐくむために行われたはず。間違いというなら、それは『戦争に行きたくないと言うのは利己主義だ』という武藤議員のような思想を生んだことだ」(神戸大院生)
「原爆死没者慰霊碑には『過ちは繰返しませぬから』と刻まれていますが、繰り返してはいけないのは戦争の過ちだけじゃない。戦争中に『戦争反対』といえる空気はなかった。この言論弾圧による過ちも歴史から学んだ」(関西学院大生)―などの訴えがありました。

SEALDs KANSAIの神戸での街宣アピール次回は8月28日19時から(場所は未発表)と予定されています。

(2015年8月23日付「兵庫民報」掲載)

堀内・金田氏が終戦記念日宣伝

8月15日・戦後70年目の終戦記念日、堀内照文衆院議員と金田峰生参院兵庫選挙区予定候補は甲子園前、JR六甲道駅北側、元町大丸前の3カ所で地元市会議員とともに街頭演説を行いました。

甲子園球場前で演説する金田峰生氏

金田候補は、自らの母親から聞いた戦争体験を紹介し、2度と戦争を繰り返させない決意を語り、堀内議員は、甲子園では戦争に参加させられた球児、プロ野球選手の無念を紹介、前日に発表された安倍首相談話を批判し、戦争法案の廃案をもとめました。

「何かあったら誰が守るんや」と聞いてきた通りがかりの男性に運動員が「実力に実力で応じれば泥沼になるだけ。6カ国協議という枠組みもある。東南アジア諸国のように、話し合いで解決するテーブルにつかせる外交努力こそ日本が行うべきではないでしょうか」と話すと、「そうやな」と納得してくれました。

年配の夫婦は最後まで訴えを聞き、議員とも握手し、「がんばってや」と激励してくれました。元町大丸前では、若者が何人もチラシを受けとり、署名もしていきました。

(2015年8月23日付「兵庫民報」掲載)

再度の強行採決許さない:川西市でレッドアクション


「戦争にいくな!川西連絡会」が呼びかけた『8.16強行採決忘れへんレッドアクション』が8月16日、アステ川西2階広場で開かれ、120名が集会・パレードを行いました。

集会では、歌声・ギターで盛り上がるなか、参加者が次つぎリレートーク。日本共産党国会議員団からの連帯メッセージは猪名川町の下坊辰雄町議が紹介しました。

参加者から「川西で市民集会をと願っていて、参加でき嬉しかった」「集会に参加し元気をもらいました」「これから戦争法廃案へ市民世論をさらに広げたい」などの感想が寄せられています。

ブログを見て参加した20代の男性は「リレートークは緊張するので出来ませんが思いは同じ」と語っていました。
(吉岡健次)

(2015年8月23日付「兵庫民報」掲載)

上ヶ原後援会が長岡関学教授招き学習会


西宮の日本共産党上ヶ原後援会と支部が「70年目の終戦記念日に平和を考える」学習会を8月15日、甲東公民館で開きました。

講師に招かれた関西学院大学法学部の長岡徹教授は、「安全保障関連法案」の内容を紹介し、「戦争法」あるいは「戦争参加法」に他ならないと批判しました。

また、日本はこれまで、ベトナム戦争、湾岸戦争、イラク戦争などアメリカの戦争に巻き込まれてきたものの1人の戦死者も出さず、自衛隊は1人の人も殺してはいないが、それは日米安保があったからではなく、憲法9条とそれを支持する国民世論があったからだと指摘し、いまこそ国民の頑張り時であり、戦争法案を廃案にしようと訴えました。

参加者からは、関学のキャンパスが軍需工場に接収されていたこと、空襲の記憶など、戦争体験が語られたり、「家でも話は聞いていたが詳しく聞きたいと参加した」という19歳の女性の発言もありました。

(Web版のみ)

神戸西区革新懇が終戦記念日宣伝


神戸西区革新懇は、8月15日昨年に引き続き終戦記念日宣伝行動を取りくみました。30人の会員が行動に参加しました。

宣伝行動に先がけ、NPT会議と原水爆禁止世界大会に参加された西区原水協竹中登事務局長の報告を聞きました。

次いで3週間前の7月27日深夜に放送された毎日放送の「映像'15 よみがえる最前線~神戸と核と日米同盟」を視聴し、地元神戸の動きを学習しました。

参加者からは、「見ていて涙がでてきた」「非核神戸方式が危ない」「医療産業都市建設にあたって神戸市が米企業に1億円もの破格のコンサルタント料を払っているのを初めて知った」「戦争法が通れば神戸が兵站の基地となる」「周りの人にもぜひ見てもらいたい」などの感想が寄せられました。

11時から地下鉄西神中央駅前で「きょうは終戦記念日です。戦争で再び犠牲者を出さないため戦争法に反対しましょう」と喪章リボンを着用しビラを配布しました。

12時に参加者全員が1か所に集まり戦争で犠牲となられた国内外の人々を偲び黙とうをしました。
(西区革新懇事務局員・新谷良春)

(Web版のみ)

西ひめじ:地域からも「戦争法案NO!」


地域からも「憲法違反の『戦争法案』NO!」の声をあげようと、西ひめじ住民集会実行委員会の呼びかけに、7月26日、姫路市網干区の狭間公園に「アベ政権は許さない」と、老若男女130人が集いました。

集会は河野太通龍門寺住職の連帯メッセージの紹介に始まり、青年・学生、戦争体験者、元自衛隊員、労働者、「9条の会西ひめじ」代表のトーク、「若者9条の会」の紙芝居が披露されました。実行委員会では、与野党の国会・県会・市会議員に案内を出し、出席した入江県会議員があいさつしました。

千人針を縫った悲しみを語り、「あやまちは繰り返させぬ原爆碑」と読んだ川柳作家が「若い人の元気な姿に勇気を得た」という集会になりました。

集会後は60人が参加してパレード、青年たちのリズムに乗ったリードで元気よくシュプレヒコールして網干の人々にアピールしました。
(安積弘允)


(2015年8月23日付「兵庫民報」掲載)

9条の会かわにしが大型看板


9条の会かわにしはこのほど、「海外で戦争する国にさせない!~憲法9条を守り活かそう」と書かれた大型看板を設置し、話題になっています。

場所は、国道173 号線市立川西病院交差点信号西入すぐ右手、奥山鉄工所(西畦野3丁目6番)の壁面。縦1.8m、横9mの大きさです。奥山鉄工所の奥山敏也さんから「今の安倍政権の暴走は恐い。何としても憲法を守り抜きたい。良かったらうちの広告看板スペースを使ってください」と申し出があり、会が制作しました。

同会の世話人会では「費用面から考え半分のスペースにしては」などの意見も出ましたが、「安倍暴走を食い止めるために思い切ってフルスペースでつくり、市民にアピールしよう」「結成10周年の記念にもなる」と決断しました。費用は10年間の会費とカンパの積立金を充当しました。


看板を見た人から、「良く目立っている」「思い切ったことをしたね」「グッドタイミング。安保=戦争法案廃案へ励みになる」などの声が寄せられています。(竹村明)

(Web版のみ)

「駅前文化祭」中止問題で西播労連が姫路市相手に提訴

西播労連などが姫路駅北にぎわい交流広場で7月24日に開いた「駅前文化祭」を姫路市が出演者の安倍政権批判を理由に途中で中止させた件で、西播労連は8月11日、神戸地裁姫路支部に損害賠償の訴訟を起こし記者会見を行いました。

記者会見する出田西播労連事務局長(中央)ら
*
西播労連の出田馨事務局長は――

  • 「今回の件は、姫路市が使用許可した集会を内容が政権批判であることを問題に途中で中止命令を出すという、憲法21条が保障した集会の自由を侵害し、地方自治法244条に反するもので許すわけにはいかない」
  • 「同時に何が何でも訴訟で決着をつける意向ではない。しかし、事件報道後に姫路市が謝罪する噂も聞いたが、謝罪したとする市長会見の後に、私たちに謝罪したいと連絡するという対応や、姫路市側から〝中止は主催者が決めた、駅前広場を管理する委託業者と連携が不10分だった〟など市の責任をあいまいにする説明が流されるなど極めて不誠実であり、形式的謝罪で終わらせるわけにいかない」
  • 「戦争法案が国民の世論によって廃案にできるか否か極めて緊迫した情勢の中で、責任の所在をなおざりに解決をすることで、戦争法案反対の世論に委縮効果を残したままにしておくことは、全国各地で戦争法案反対の声を上げている人たちに申し開きができないとの思いから、姫路市に慰謝料等の賠償を求める訴訟を神戸地裁姫路支部に提訴した」

―と説明しました。

また、提訴に先立ち、姫路市に対し

  • ①本件中止命令が憲法違反であることを認めた上での謝罪、
  • ②姫路市及び委託業者職員らに対して憲法教育等の再発防止策を講じること、
  • ③姫路駅前文化祭を無料でやり直しさせることを求める「申し入れ」書を提出し、要求に真摯に応えてもらえるのであれば、訴訟を取り下げ、金銭請求も放棄することも通知した

ことも説明しました。

*
会見に同席した姫路綜合法律事務所の吉田竜一弁護士も――

  • 「委託業者は姫路市とは別に判断をしたとは考えられず、市の参事も政権批判を問題にしたことを明確に認めており責任は明らか」
  • 「申請内容と実際に行われた内容が異なると言うが、政権批判がどの規定に反するのか、憲法違反の理解がない。今後〝規約等の見直し〟など、集会内容により途中で市が中止させられる危険な方向も言い出しており黙過できない」


―と批判。集会の内容に自治体は介入できないし、姫路市自身も田母神氏の改憲講演会について市民から批判が出た時には、「集会の内容判断に入らない」と議会答弁しており理由にならないと指摘しました。

*
同席した兵庫労連津川知久議長も、姫路市は反省・謝罪をすること、この件は組合活動に対する弾圧でもあり、公務員の憲法遵守義務を定めた憲法99条違反でもあると厳しく批判しました。

(2015年8月23日付「兵庫民報」掲載)

若者9条の会たけのこ:手柄山で戦争と憲法について学ぶ

紙芝居「戦争のつくりかた」


若者9条の会たけのこは姫路の若者を中心に、小学生から楽しめるイベントを通して、憲法9条について学ぶ活動をしています。

8月9日は学習会と手柄山の太平洋戦全国戦災都市空爆死没者慰霊塔・姫路市平和資料館見学を行いました。

最初に、9条や自衛隊・日米安保について知ることができる、「9条すごろく」をしました。良い出来事があったマスに止まり進むと歓声、悪い出来事があったマスに止まり戻ると悲鳴が聞かれました。クイズが出題されるマスもあり、正解すると景品がもらえ、間違えると1回休みになります。正解が意外なものだと感心した様子で聞いてもらえて、手間と時間をかけて準備をしてきて良かったと思いました。

次に「戦争のつくりかた」を紙芝居で鑑賞しました。これは未来を予言する形で、日本が再び戦争ができる国になるまでを描かれた絵本です。

太平洋戦全国戦災都市空爆死没者慰霊塔

それから、慰霊塔を見学しました。周りに建つ側柱のうち113本に、各都市が空襲を受けた回数や死者数・被災者数が刻まれています。全国の大きな街のほとんどが空襲で焼かれたことを実感します。また、市長など復興の責任者の名前も書いてあり、街の再建への強い思いが伝わってきます。

最後に平和資料館に行き、戦争、特に空襲を受けたときの様子を詳しく知ることができました。

容易ではなさそうですが、何としても平和な世の中をこれからも守っていきたいと改めて感じました。
(平和をあいするイワティ)

(2015年8月23日付「兵庫民報」掲載)