記事を検索

2015年6月7日日曜日

堀内衆院議員の厚生労働委員会での質問(5月27、28日):労働者派遣法

労働者派遣法の改悪案の審議が続いている厚生労働委員会で、堀内照文衆院議員は、5月27日、28日の両日質問にたちました。

*

27日は、再開された法案質疑。堀内氏は、派遣期間を延長する際の労働組合からの意見聴取の義務付けについて、聴取を拒否された場合はどうなるのかと追及。坂口卓派遣・有期労働対策部長は「(聴取できなくても)違反にはならない」と答えたため、堀内氏は「『努力義務』と実質変わらない」と批判しました。

堀内氏は、キャリアアップ措置について、「派遣社員は、キャリアがないから正社員になれないのではない」と実態をふまえ告発しました。

「ある製造業の派遣社員。24時間操業、40度近くあがる現場で12時間2交代。偽装請負から派遣社員になった。しかし彼は、正社員よりもベテランで、機械音を耳で判断して『今日は機械の調子が悪いから回転数をおとそう』『湿度なども考慮して、材料をまぜるタイミングをかえる』など感覚・技術をとぎすませてきた。そういう努力のなかで、不良率を30%から5%へ引き下げるなど文字どおり正社員よりも仕事に熟達していた」と紹介したうえで「派遣社員である彼は、いつ自分が使い捨てられるか不安で、後輩にはその技術を教えられないといいます。派遣労働の制度そのものが、ものづくりの技術継承を妨げている。雇用は正社員があたりまえの大原則にもどすべきだ」と厳しく迫りました。

*

28日は、参考人質疑に立ちました。意見陳述では、自由法曹団の鷲見賢一郎弁護士は、現行法で定める「業務単位の期間制限は直接雇用につながるものだ」と指摘。これに対して、改悪案では「過半数労働組合から意見聴取しさえすれば派遣受け入れを永続的に継続できる」と批判しました。改悪案にある「均衡処遇」は格差を容認するものであり、「キャリアアップによる正社員化」についても、条文の規定はないと語りました。

また、10月1日に施行される「労働契約申し込みみなし制度」の発動を回避するために、政府・厚労省が改悪案の9月1日施行をねらっている問題について、「派遣労働者に対する背信であり、立法政策として間違っている」と批判しました。

堀内議員は「派遣について労働者のニーズがあるというが、どう考えるか」と聞きました。鷲見氏は「多様な働き方というが、実際は労働者保護がないまま働かされている。改正案は、その流れを加速させるものだ」と指摘しました。

また、法案の付則で常用代替が常態化する場合の見直し規定を設けていることについて堀内議員が質問。鷲見氏は「派遣が増え正社員が派遣に置き換えられる。派遣先にとって使い勝手のいい法律になっている。リーマン・ショックで起きたような事態を拡大するような法案だ」と語りました。

労働者派遣法改悪案の審議は、論戦のたびに問題点があきらかにされています。過去2回提出され、今回は3回目ですがこれまでも、条文のミスや答弁がころころかわるということがあり、2回とも廃案になっています。今回も10月1日の「労働契約みなし規定」をなきものにする意図が明確になるなか、法案の不備はあきらかです。徹底審議し廃案にするしかありません。

(2015年6月7日付「兵庫民報」掲載)

日付順目次