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2015年5月3日日曜日

生活保護費過少支給事件に思う(下)

再発防止へ〝根っこ〟を変える必要

元ケースワーカー 大久保嘉浩

ケースワーカーの増員と質の向上を

今回の事件の再発防止を言うのなら、まず、生活保護の実施体制の見直し、ケースワーカーの増員と質の向上が必要です。

Aさん夫妻を担当したケースワーカーは、今回の裁判陳述の中で「常時100ケースくらいを担当し」「調査や確認は事実上不可能」と嘆いています。

今、福祉事務所のケースワーカーは事務に忙殺され、弱者市民に寄り添う余裕をなくしてしまっています。また、ケースワーカーを指導する立場にある査察指導員は現場経験の少ない人が多く、ケースワーカーの指導どころではありません。

こうした中で本来なら「事件」にならないものを神戸市が「事件」にしてしまったのです。

〝根っこ〟にある「弱いものいじめ体質」

さらに、再発防止には〝根っこ〟を変える必要があります。敗訴しても「残念」と平気で言ってしまう、神戸市政の「弱いものいじめ体質」を変えることです。

ここ10年余り、神戸市の生活保護実施状況は大きく変わりました。

生活保護を利用せざるを得なくなった人たちの生活を支え続けてきた夏冬の見舞金、上下水道料金減免、福祉パスなど神戸市の独自事業が次々と切り捨てられてきました。さらに今、現場では、生活保護実施要領で認定されるはずの「一時扶助」の出し渋りが横行しています。

今回の「生活保護費過少支給事件」は、弱いものいじめがたくさんあるうちのたった一つですが、〝根っこ〟は同じです。Aさん夫妻の勇気ある告発に励まされながら、私も〝根っこ〟退治に頑張らなければと思いました。

(2015年5月3日付「兵庫民報」掲載)

(上)は前号→ http://hyogo-minpo.blogspot.jp/2015/04/blog-post_13.html
 

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