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2015年4月26日日曜日

福井地裁の高浜原発仮処分決定について:金持徹さん

福井地裁民事第2部(樋口英明裁判長)は4月14日、関西電力高浜原発3・4号機の運転を差し止める仮処分決定を下しました。決定は、原子力規制委員会が策定した原発の新規制基準は「緩やかにすぎ、これに適合しても本件原発の安全性は確保されていない」「合理性を欠く」と指摘しています。関電は保全異議の申し立てや本裁判で決定を覆すことができなければ、法律上は再稼働できなくなりました。

この決定について原発をなくし自然エネルギーを推進する兵庫の会代表の金持徹神戸大学名誉教授に寄稿していただきました。(見出しは編集部)

原発推進の暴走政治 国民の投票行動で変えよう

原発をなくし自然エネルギーを推進する兵庫の会代表 金持 徹

金持徹氏
昨年5月に、大飯原発の再稼働の差し止めを求めた福井地裁の判決が出てからおよそ1年。今度は高浜原発3、4号機の再稼働を禁じる仮処分の決定が出た。昨年の「差し止め判決」に対して原発側は、早速「控訴」をして、判決を無効にしようとしているが、今回の「仮処分判決」には同じ手段がとれない。原発の危険を心配し、なんとか再稼働を止めたいと願う国民の側からすれば、とても有難い判決である。

しかし、この判決のおかげで高浜原発の再稼働は何年くらい引き延ばせるのだろうか。そして、その期間を利用して、我々は何をしなければならないのか。また、今後も各地の裁判所で、同様の「仮処分決定」をしてもらえるのかも問題である。

日本国では、首相が議会の多数党の党首を兼ねていて暴走ができる。例えば、「原子力規制委員会」は、純粋に科学的見地から意見を出す「独立した第三者機関」のはずだったが、そこの副委員長だった地震学者さんが、各地の原発の直下の活断層について強い懸念を表明すると、簡単に別の人と交代させられてしまった。

昨年と今年と、2回も我々に「国のあるべき姿」をさし示して下さった樋口英明裁判長は、4月1日付で名古屋家裁に異動された。(編注=今回の差し止め訴訟は、名古屋高裁が職務代行を発令し、樋口裁判長が引き続き担当した)。

こうした状況を根本的に変える手段は何か。それは、国民の投票行動であろう。政府は、各種の世論調査がどんな結果を示しても、そんな「民意」は少しも気にしないで暴走を続けるが、もし議席数が激減すれば色を失うに違いない。それには、目先の地方選挙をはじめ、あらゆる選挙を重視し、ていねいに国民に働きかける努力が基本であろう。

いま、日本政府は原発維持のために、再生可能エネルギー発電をおさえ込もうと必死だが、現在、再生可能エネルギー発電の総発電量の世界最大は中国、2位がアメリカ、全発電量の中での再生エネルギー発電の比率がトップは、ヨーロッパ諸国、そして日本は後進国である。

(2015年4月26日付「兵庫民報」掲載)

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