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2015年4月19日日曜日

企業が儲かればあとは野となれ山となれ:そんな政治を切り替えなくては

兵庫県議選、神戸市議選で政治の流れを切り替えようと、沖縄から、福島から日本共産党議員が応援に駆けつけました。演説会での訴えを紹介します。(文責編集部)

福島県の阿部裕美子県議の灘区での訴え


阿部裕美子県議

阪神・淡路大震災の時、長男が大学1年生で神戸にお世話になっておりました。あれから20年、復興へご苦労をなさった神戸の皆さんに、原発事故という今まで経験したことのない困難に直面している福島の現状をお伝えし、政治を変えたいという思いをお伝えしたく、駆けつけてまいりました。

福島は、2011年3月11日の地震、津波、そして原発事故、あれから丸4年が経ちました。

当時の民主党・野田政権は原発事故が起きたその年の12月に早々と事故収束宣言を出したままです。撤回はしていません。しかし、福島の現状は「収束した」などとはとても言えません。

福島県民約12万人が県内外で避難生活を強いられています。兵庫県には約500人がお世話になっています。長引く避難生活で体調を崩される方、亡くなられる方―震災関連死者が1,888人となりました。震災関連の自殺者が64人、岩手県、宮城県、福島県の被災3県で震災関連死者も自殺者も福島県が最も多いという状況です。

先祖代々何100年にもわたって築き上げたものが一瞬にして奪われてしまいました。人生を狂わされました。子どもも、家族も、地域もばらばらにされてしまいました。

わたしが住んでいる伊達市は避難指示は出されなかったけれども特定避難勧奨地点ということで、お隣同士「あなたは避難してください」「あなたはここに居ていいです」という、差別・選別をやられた地域です。

福島県は自然のたいへん豊かなところです。その農林水産業が大打撃を受けました。わたしのところは、あんぽ柿という特産品を製造・販売している地域です。3年目にしてようやく一部、4年目に作れるところがもう少し広がりましたが、事故前の3割ちょっとというところです。

避難指示区域はもちろん米も作れなくなりましたし、作った米も全袋、放射能検査をし、安全なものを出荷しています。福島県では、農産物もすべて出荷の前に測定をして安全を確認して、食べるものもみんな安全を確認して生活をしています。

除染をして、フレコンバッグに詰め込んだものが、いっぱい積みあがっています。中間貯蔵施設についても、地権者が2,300人いますが合意できたのはたった1人です。これからどう進めるのか見通しがたっていないのが現状です。

「原発は安全だ」と、国策によって進められてきたわけですが、いったん事故を起こせばとんでもない事態になってしまう。このことをわたしたち福島県民は身をもって直面しています。

このような状況の中で、昨年12月25日に商工業の賠償打ち切りが東京電力から出されました。賠償されているから、なんとか営業を続けられているのです。打ち切られれば3割は廃業せざるを得ない。商工業も漁協も農協も旅館組合も、各界のみなさんが東京電力・国に抗議と要望の活動を続け、なんとか延期させていますが国は、はやばやと打ち切っていきたいという状況だと思います。

安倍総理は国際オリンピック委員会(IOC)総会で行った東京への招致演説で、福島第1原発事故の放射性物質汚染水漏れについて、「状況はコントロールされている」「福島第1原発の港湾内の0.3平方キロメートルの範囲内で完全にブロックされています」と述べました。真っ赤なうそです。

湾内は全部閉まっているわけではないんです。うそだと裏付ける新たな事実が発表されました。ことし2月、東京電力は、高濃度放射能汚染雨水が海に流されていた、と発表しました。しかも、去年の1月から確認しながら隠していたことが発表されました。

わたしはIOC総会で安倍総理が発言した時、世界に向かってうそをつくことができるんだ、こういう総理大臣をもっているんだと、怒りを通り越して悲しい思いになりました。

この福島の現状をみれば、原発の再稼働なんてとても信じられません。まして海外に輸出していくなどとんでもない。たとえ新しい基準を作りそれをクリアして再稼働させたとしても、使用済み燃料は出てきます。その処理方法がわからないままに再稼働させてどうしようというのでしょう。これほど無責任な話はないと思います。孫子の代まで負の遺産を残していっていいのか。企業が儲かればあとは野となれ山となれという政治こそ切り替えなくてはならないと、私は強く思います。

企業が儲かればあとはどうでもいいという、今の政治の在り方を変えたいと思います。

(2015年4月19日付「兵庫民報」掲載)

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