記事を検索

2015年3月22日日曜日

なまの舞台をごいっしょに:劇団昴『親の顔が見たい』

神戸演劇鑑賞会4月例会



冬の日の午後7時頃。女子中学校の会議室に保護者8人が集められた。この女子中学校は都内のカトリック系の有名私立学校である。保護者たちは集められた原因にまったく見当が付かない。あたりさわりのない会話を交わしている。

やがて、校長の中野渡が学年主任の原田を伴ってやって来た。校長は、保護者に着席をすすめ、原田に、既にテレビや夕刊等で報道されている事件の説明を促した。

2年3組の井上道子が〝いじめ〟が原因で今朝、教室で自殺を遂げ、遺書が残されていた。そこに5人の生徒、志乃、翠、のどか、麗良、愛理の名前が書かれていた。集められた保護者はこの5人の生徒の親たちだった。思いも寄らない報告に親たちは、戸惑うばかり。

舞台は、この親たちの〝思いも寄らない〟心の動きを推理劇のように詰めてゆく。しかも、テンポよく。いじめを通して浮き上がって来たのは、生徒たちの顔でなく、親たちの顔、顔、だった。

作者は現役の高校の教師。主に青森を拠点に、旺盛な演劇活動を続けている。「毒のある題材だが、正義が揺らぐ瞬間を描きたかった」と述べている。
 (小谷博子)


劇団昴公演『親の顔が見たい』/作=畑澤聖悟(渡辺源四郎商店)/演出=黒岩亮(青年座)/出演=小沢寿美恵、宮本充ほか/①4月5日(日)15時30分②6日(月)18時30分/神戸文化ホール中ホール/会員制(入会時に入会金1,000円と月会費2カ月前納)、月会費3,500円(大学生2,000円、中高生1,000円)/☎078・222・8651、Fax 078・222・8653

(2015年3月22日付「兵庫民報」掲載)

日付順目次