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2015年3月8日日曜日

生活保護・神戸過少支給裁判高裁判決:「収入認定は福祉事務所の職責」

利用者夫妻への過少分全額と慰謝料支払い命じる


高裁門前で勝訴を喜ぶ支援する会の人々

神戸市北区に住む生活保護利用者A夫妻について、北福祉事務所が正確な収入認定を怠り、2年3カ月にわたり生活保護費を過少に支給。A夫妻がその過少分の支給と慰謝料の支払いを求め、神戸市を相手に起こした国家賠償請求裁判の控訴審で、大阪高裁第14民事部(森義之裁判長)は2月26日、神戸市の違法行為を認め、過少分の全額と慰謝料の支払いを市に命じる判決を言い渡しました。

1審の神戸地裁第4民事部(植屋伸一裁判長)の判決(昨年8月26日)は、収入を正確に計算する責任が生活保護利用者にあるとして、原告の請求をすべて棄却していました。

高裁判決は、「収入の認定は生活保護の実施機関の職責であり、実施機関が、被保護者の届出の内容やその他の資料に基づいて職権で行うべきもの」「職責を適切に果たさず、収入の認定を誤った場合には、国家賠償法上も違法になり、損害賠償責任が発生する場合がある」と神戸市の行為を検証しています。

最初のケースワーカーB氏については、純収入の計算方法についてA夫妻に誤った説明をしたことを違法行為だと判断。その説明がA夫妻を混乱させ、収入申告を誤らせたが、後任のC氏が「極めて発見が容易な事項について、それを発見するためのわずかな注意も払わず、誤った収入を認定した」ことは違法行為だと判断。これらの結果生じた損害を賠償する責任があるとしています。

また、A夫妻の収入申告の誤りも一因であるとはいえ、福祉事務所の責任・違法行為との過失相殺をすることは相当ではないと判断しました。

さらに、2年以上にわたって最低限度の生活を下回る生活を余儀なくされていたことから、A夫妻の慰謝料請求を認めました。

A夫妻の国家賠償請求裁判を支援する会は、神戸市に対し、上告しないよう求めるとともに、過少支給の再発防止に努め、福祉事務所の体制を強化することなどを求めています。判決の翌日27日には神戸市役所前で宣伝。市長あての要請はがき運動も展開しています。
(2015年3月8日付「兵庫民報」掲載)

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