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2015年3月15日日曜日

陳述者全員が「原発再稼働+電気料金値上げ」に反対:電力料金値上げ公聴会

速水二郎(電力兵庫の会)

関西電力は、「平成27年度(2015)に3,240億円不足するので、一般家庭などは1.23%、大口などは13.93%値上げしたい」と2013年に続き再度電気料金の値上げを申請していますが、反対の声は日に日に増加しています。

3月3日、大阪合同庁舎1号館で関西電力による電気料金値上げに関する近畿経済産業局の公聴会が丸1日かけて行われました。会場には経産省、関電トップ、電気料金審査専門委員などが出席、傍聴人やマスコミも含め午前中は満員、午後はやや減少し150人程度で延々と発言、質疑が続きました。

関電の2年前に続く今回の電気料金値上げ申請は「電源構成変分認可制度」に基づくとしています。この制度は、前回値上げ時に、国民の原発反対の声に押され、(もし原発再稼働出来ないとき)〝簡単に電気代を値上げしてもよい〟として、2012年3月に経産省が有識者だけを集めて導入した消費者無視の省令です。従って主催者は注意事項として、「電気供給約款の変更に関わる公聴会」なので「事案の範囲を超える発言は出来ない」なかで行われました。つまり〝原発問題の是非〟を問うような公聴会ではないと繰り返し座長は述べていました。

ところが、女性11人を含む31人の陳述人は「原発を停止したので火力発電等の燃料費が増加したから値上げする」「高浜原発等が再稼働出来なければさらに値上げが必要」との、関電の申請理由を逆手に取って、全て「原発問題」を中心に据え、原発に関する被害の様相を31通り説明するような発言で値上げ反対の声を集中しました。審査委員たちも陳述人発言のコメントで、「限られた制度の範囲」にも関わらず「原発に関連する意見が多数あることがよくわかった」と述べざるを得ませんでした。

また、この申請が認可されると、最大の原発を持つ関電の電気料金は、北海道電力に次ぐ高い料金となります。そのため女性の発言者は、貧困と格差が広がる暮らしの実態や、2年前の関電の値上げで生活が限界に来ている実態を詳しく述べました。大阪の新婦人の会の代表は会員による「私は(関電に)言いたい!」と手書きされたピンクのB4判の要求カードを10数人分読み上げ、座長を通じて八木誠社長に手渡しました。

電力兵庫の会からは4人が陳述しました。そのうち若い2人は、関電重役と、ライフラインを維持するための現場で働く労働者とは区別すべきで、労働条件を切り下げてはならないと強調しました。この点は労働者の人件費攻撃がすさまじかった2年前と比較し、報酬数1,000万円の関電トップと、賞与を4回分カットされ借金生活を余儀なくされる労働者との違いの実態がようやく消費者に理解され始めたようで、他の陳述者からも「当然だ」との発言が出されました。

また、「超豪華な大阪中之島の関電ビル群、神戸支店ビルなどはグループ約60社に隠している〝埋蔵金〟ではないのか」「化石燃料代よりも高浜原発などを動かす方がはるかに高額の浪費となる」「他社からの電力購入では金額は、普通の商取引よりばかげた高額だ」「原発原価は安いというのは計算方法の基礎が誤っているではないか」なども指摘しました。

審査委員は、買電購入価格や、ビルなどの〝隠し資産〟については、「新たな視点としてお聞きした」との意見をコメントでまとめました。

(2015年3月15日付「兵庫民報」掲載)

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