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2015年3月29日日曜日

尼崎アスベスト訴訟(労災型)神戸地裁判決:国とクボタの責任認めず

神戸地裁へ向かう原告団・弁護団・「会」の人々(右端は庄本えつこ氏)

尼崎のクボタの工場への石綿(アスベスト)原料搬入・製品の搬出に1,961~7年、従事していたトラック運転手と、同工場で水道管の製造・加工に68~97年、従事していた溶接工が、それぞれ石綿曝露が原因で肺がんなどにかかり死亡したため、遺族が、石綿使用の規制を怠った国と安全配慮義務を怠ったクボタに対し賠償を求めた裁判で、神戸地裁第1民事部(松井千鶴子裁判長)は3月23日、原告の請求を棄却し、被告(国・クボタ)の賠償責任を認めない判決を言い渡しました。

原告団・弁護団とアスベスト被害からいのちと健康を守る尼崎の会は同日、声明を発表し、安全性に疑念を抱かせる程度の抽象的な危惧であれば足りるとする従来の裁判例を否定し、どの程度の曝露で健康被害が出るかについての医学的知見が確立していない限りは自由な企業活動ができるという「人の健康を軽視して企業活動を優先する特異な判断」だと指摘。大阪・泉南アスベスト最高裁判決などで国や加害企業に責任の一端が明らかになったにもかかわらず、この判決は、それを全面的に否定しており極めて不当な判決だと強く批判しています。

原告団・弁護団と「会」は、直ちに控訴するとともに、国と石綿関連企業に対し被害者に対する医療と生活面への全面的な補償を行う制度を確立することを求めるとして、さらに運動を広げていくことを表明しています。

(2015年3月29日付「兵庫民報」掲載)

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