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2015年3月1日日曜日

阪神北小林多喜二祭

講演する尾西氏

阪神北「小林多喜二祭」実行委員会は2月22日、伊丹市内で第13回阪神北「小林多喜二祭」を開催し、80人が集いました。

開会にあたり、主催者を代表して実行委員長の藤木洋子さんが挨拶をしました。

第1部は、「小林多喜二と現代」と題して尾西康充三重大学教授が記念講演を行いました。

小林多喜二の文学を読み返しながら現代を考えると切り出した尾西康充氏は、「多喜二や野呂栄太郎は『白色テロ』で虐殺された。現代、そのようなテロは影を潜めているが、『合法的』に民主主義を妨げている、その最たるものが小選挙区制。自民党が4割台の得票で7~8割もの議席を独占したことは、民意の『虐殺』だ。多喜二の時代と同じようなことが、昨年から時代に逆行した状況が起きている」と指摘しました。

また、「多喜二の文学は、歴史を直視して支配勢力の行為を徹底して暴きだした」と述べ、多喜二と同時代の作家の思想とリアリズムの関係を探求しつつ、石川達三の文学を紹介しました。

石川は「生きている兵隊」のなかでは、戦争に従軍した一般市民が虐殺行為をするという、人間が人間で無くなる状況をリアルに描く作品を出しながらも、官憲に反戦思想を問われて「非」と答えたことで、多喜二と分かれた決定的な事例となったと解明し、「現代を生きる我々は、達三を責めるのでなく、そんな時代にならないよう、私たちが多喜二の意思を受け継ぎ発展させ、人間らしく生きられる世の中にするため、いま頑張ろう」と呼びかけました。

第2部・文化行事では、ケイ・シュガーさんの美しい歌声が参加者を魅了。「まぼろしの影を追いて(多喜二へのレクイエム)」では、多喜二の思いを参加者みんなで共有しました。
(山本博昭)

(2015年3月1日付「兵庫民報」掲載)

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