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2015年3月22日日曜日

兵庫自治体問題研究所が震災20年でシンポ

求められるのは「人間復興」


兵庫県自治体問題研究所は3月14日、「阪神・淡路大震災20年と『創造的復興』シンポジウム」を神戸市の生田文化会館で開催しました。

報告は、池田清神戸松蔭女子学院大学教授、加藤擁一兵庫県保険医協会副理事長、田結庄良昭神戸大学名誉教授、増田紘兵庫研副理事長の4名が行ないました。

池田氏は基調報告で、同日から仙台市で開かれる第3回国連防災世界会議が、国際防災の枠組みを決める重要なものであるものの、福島原発事故がメインテーマになっていないことや、兵庫県が提起する「創造的復興」が国際的な防災指針になるのか、などについて批判しました。

シンポで、池田氏は、「創造的復興」の経験と教訓を明らかにして憲法を被災者の暮らしの再建と被災地の再生に生かす「人間復興」こそが、国際防災に求められることを強調しました。特に兵庫県や神戸市が進めた復興は、多国籍企業の誘致やグロバール都市づくりを目標に「医療産業都市」や神戸空港、高規格港湾、大規模再開発事業などを優先して進めた結果、被災自治体の税収減や被災者の暮らしの再建につながらなかったことを示し検証しました。

加藤氏は、神戸の「医療産業都市」が、震災復興事業であるにもかかわらず、国家戦略特区指定で「混合診療」「自由診療」で世界の大富豪を呼び込むことをめざすなど、社会保障から営利目的へ医療を変質することや、医療資源が実験医療に使われ地域医療にしわ寄せされかねないことなどを指摘しました。

田結庄氏は、県立こども病院(移設中)や中央市民病院が立地するポートアイランドは南海トラフ巨大地震からの津波や液状化の心配が懸念され、兵庫県の津波高想定が津波高の1.5倍になる遡上高を想定していない点を明らかにしました。

増田氏は、新長田駅南再開発事業が、被災地経済を無視した呼びこみ型の開発となったことを批判。高い管理料など被災商業者の営業実態を報告し、支援を求めました。

コーディネーターの岡田章宏理事長からは、阪神・淡路大震災から二十年の現実をふまえ「人間復興」として提言をさらに深めていこうと呼びかけました。

小田桐功=同研究所事務局長)

(2015年3月22日付「兵庫民報」掲載)

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