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2015年3月8日日曜日

2015年度県予算案:大企業・開発優先、安倍暴走政治を反映

「5年連続の緊縮」の予算規模


新聞各紙に「5年連続の緊縮」と報道された新年度の県予算。中小企業制度融資枠の見直し影響(793億円減)や「行革」路線の継続で、前年度比マイナス1.4%の1兆9220億円の一般会計で、特別会計や企業会計もあわせた全体は、3兆4225億円(前年比マイナス3.5%)となっています。

企業立地補助金、反省なく拡充


アベノミクスによる恩恵は、一部の輸出に強い大企業や資産家にだけまわっています。

県は、新年度の法人事業税の大幅な増(前年比プラス25%)を見込んでいますが、業種別にみると、電力、鉄鋼、電機など大手が並びます。

いま問われているのは、トリクルダウンと呼ばれる、大企業「呼び込み」型の経済対策からの転換です。

兵庫県は、これまで全国でもまれな天井知らずの大企業立地のための補助金をつづけてきましたが、尼崎のパナソニック工場が全面撤退して、その破綻が明らかとなり、知事も「地域の元気づくりには、トリクルダウンと正反対の地域の内発的発展をめざすのが基本」(提案説明で)と認めざるをえなくなってきました。

しかし、新年度予算では、国の「地方再生」路線に沿って、「本社機能の移転」などを名目に企業立地補助金を拡充。予算額を昨年から4億円も上乗せし、18億円に。

中小企業の応援の予算や賃上げにつながる政策にこそもっと予算をつけるべきです。

社会保障改悪の「防波堤」の県予算こそ


安倍政権がすすめる、消費税の増税にあわせた「社会保障税・一体改革」と称した改悪がすすめられようとしていますが、井戸知事は、根っからの「消費税増税論者」。安倍政権の暴走の「防波堤」になるどころか、ストレートに反映させているのです。

保育
  • 4月から「子ども・子育て支援新制度」
介護
  • 要支援者外し
  • 介護報酬の引き下げ
医療
  • 70歳からの患者負担増
  • 病床削減
  • 国保広域化へ


「医療介護推進基金」(90億円)では、国のお金を積み立て、県に医療ビジョンをつくらせ、国の方針にそって病院の病床を削減していこうとねらっています。

また、国保の広域化、都道府県への移行によって、住民の意見が反映しづらくなり、「保険証とりあげ」「差し押え」などが増加する危険性も。

さらに、県は、2018(平成30)年までの「行革」方針で、昨年、高齢者や母子家庭などの福祉医療を改悪し、新年度も継続しています。

県は消費税アップにより、社会保障関係が「245億円も充実」と説明していますが、その全額が実質的な充実だとはいえません。

保育分野で見てみると「子ども・子育て支援新制度」で154億円の予算額。充実分(消費税充当)は「140億円」ですが、その内訳は、以前県予算を通過していなかった政令・中核市分の80億円、別予算だった幼稚園の28億円などでかさ上げしたものです。実質の充実・改善は、配置基準などで1割ほどにすぎません。

住宅耐震化補助が増額



年度ごとの住宅耐震改修戸数
2003年度 17戸
2004年度 63戸
2005年度 136戸
2006年度 240戸
2007年度 200戸
2008年度 275戸
2009年度 469戸
2010年度 553戸
2011年度 224戸
2012年度 304戸
2013年度 387戸

2003年臨時県議会で日本共産党が質問したのをきっかけにスタートした県の民間住宅耐震化補助。はじめは金額も戸数も多くありませんでしたが、新年度は改修補助が100万円にまで拡充、建替えや簡易改修などの制度もつくられ、予算も増額されました(グラフ)。

また、土砂災害対策箇所の上乗せ、学童保育の土日加算の復活、神戸電鉄の粟生線利活用検討などの予算がつきました。

一方で、不要・不急の大型開発、名神湾岸連絡線の調査費(1,000万円)、播磨臨海地域道路の調査費(1,500万円)や、但馬空港の羽田直行便のPR(630万円)なども相変わらずすすめており、今後もきびしいチェックが必要です。



(2015年3月8日付「兵庫民報」掲載)

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