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2015年3月1日日曜日

合同歌集『クリスタル』第2号より

クリスタル短歌会は新日本婦人の会のサークル活動として2001年6月に発足。以来、安武ひろ子さんの指導を受けながら、途切れることなく毎月1回の歌会を開いています。04年に続き、14年12月に発行した合同歌集第2号から一人一首ずつ紹介します。

早咲きのさくらふぶきのトンネルを抜けるがに母は一世を閉じぬ
植村千鶴

亡き母の記した日記読みゆけば「赤旗」増やし嬉しきとあり
大西千鶴子

やわらかき春の空気と水の青どこか似ている今日は母の日
岡本征子

三才の私を残してチチハルに戦死せる父なに思いいし
小林百代

原爆の悲惨さ語り炎天下 歩いてみたよ平和行進
塩野菜美

節分の豆まき迷信と言う夫が恵方向いて太巻食す
島田国子

幼き日野草を摘みし野辺に立つ被災の故郷復興遠く
清水淑子

久々の勝利に酔いて 杯重ね仲間と語る我喜寿の夜
正津房子

祝宴の輪のまん中に晴れやかな笑みはじけいる吾子は花嫁
西嶋節子

派兵許すなと呼びかけたればさりげなく応えくれたる若者ありき
長谷川一枝

子の部屋をわが寝室となしてよりジェームスディーンに見られて眠る
平野万里子

琵琶の音によみがえり来るあの朝にビルの地下より這い出たる吾子よ
三浦良子

迎春に漬ける白菜寒き白母の手つきと味思いつつ
宮川菊代

つくし摘み母に習いし佃煮をつくれば今年もほろ苦き味
森ひろ美

罪認め泣いて欲しいよ総理様従軍慰安婦の心の痛みに
増田稲子

壇上にミモザの花をあふれしめ国際婦人デーのあつまりあつき
渡辺夏紀

(増田さん、渡辺さんは故人)

(2015年3月1日付「兵庫民報」掲載)

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