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2015年2月8日日曜日

選挙活動の自由を:憲法違反の公選法とのたたかい〈下〉

濱嶋隆昌(日本国民救援会兵庫県本部事務局次長)

養父市議選不当捜査事件で県警本部に抗議する人々(13年8月)

多年にわたる自由獲得の努力が追い詰める


公選法が「集会、結社及び言論・出版その他一切の言論表現の自由」を保障した日本国憲法に違反していることは明らかです。しかし最高裁は、選挙運動を自由化すると競争が激化し、戸別訪問を自由化すると買収が横行するなど、弊害があるので、「公共の福祉」のための規制は合憲だとしてきました。しかし、そもそも選挙とは競争することに意味があり、買収がいけないなら戸別訪問ではなく、買収を取り締まるべきです。

国内でねばりづよいたたかい


1950年代以降、多くの市民が公選法で逮捕・起訴されてきました。しかし、この60年余、150件以上の裁判で「公選法は憲法違反だ」と、たたかうなかで、60年代には地裁・簡裁で違憲・無罪判決をかちとる事件がでてきて、80年代には高裁でも無罪判決が出され、ついに最高裁でも「公共の福祉論には説得力がない」という少数意見が出るまでになりました。

こうしたなか1979年、日本は国際人権(自由権)規約という条約を批准します。その第19条は表現の自由について、「この権利には、口頭、手書き若しくは印刷、芸術の形態又は自ら選択する他の方法により…あらゆる種類の情報及び考えを求め、受け及び伝える自由を含む」と規定しています。この条文は国内法(公選法)より優位して日本国内に直接、適用されます。

国連からも度重なる勧告


規約の解釈をつかさどる国連の自由権規約委員会は、国民救援会や自由法曹団など日本のNGOから選挙弾圧の報告を受け、1993年以来、くり返し懸念を表明してきました。そして08年には公選法の「制限規定を廃止すべき」と勧告。11年には公選法の規制が規約に適合しないという解釈(ゼネラルコメント34)を全締約国に示し、さらに昨年(14年)、公共の福祉を理由とした言論制限は「いかなるものも控える」べきと勧告しました(この審査には、神戸市西区ポスター事件や養父市議選事件の実態も報告しています)。

日本国憲法第98条は、「締結した条約及び確立された国際法規は、これを誠実に遵守する」と規定しています。

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自由を求める人びとの「多年にわたる自由獲得の努力(憲法第97条)」が、公選法をじわじわと、かつ、確実に追いつめています。選挙運動を自由化し、小選挙区制など民意をゆがめる制度を改正すれば、日本の政治は大きく変わるでしょう。
(終わり)

(2015年2月8日付「兵庫民報」掲載)

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