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2015年1月1日木曜日

大震災から20年:いま、何が問題になっているか(上)

日本共産党神戸市議 森本 真

被災から20年経過しても、なお未解決問題が残されています。また高齢化した被災者をさらに苦しめる施策も進められています。

借り上げ住宅


その1つが、借り上げ災害復興住宅からの被災者追い出しです。

兵庫県や神戸市、西宮市は「入居期限は20年だ」として、入居者に転居を迫っています。被災から20年。80歳、90歳を超す人もあります。こうした高齢者は不安を抱えながらの生活を余儀なくされています。

神戸市は、2010年8月、借り上げ住宅入居者に対して、突然「第2次市営住宅マネジメント計画のお知らせ」というパンフレットを配布しました。そこには「(借り上げ住宅)入居者の皆様には借り上げ期間が満了する前に他の市営住宅等へ住み替えていただく必要があります」と、まさに「追い出し通知」と言える内容でした。

マネジメント計画では、市営住宅管理戸数を5万3千戸から4万6千戸へ7千戸減らすとされており、その対象とされたのが借り上げ住宅です。

日本共産党市議団が借り上げ住宅入居者を対象にアンケートを実施。入居者の圧倒的多数は「このまま住み続けたい」と答えています。また、民間オーナーにもアンケートを行い、圧倒的多数が「このまま市営住宅として継続してほしい」との回答が寄せられました。

神戸市兵庫区のキャナルタウンでの「借り上げ住宅入居者『懇談会』」(2014年3月16日)

兵庫県や神戸市の突然の「追い出し通知」に対し入居者らは、借り上げ住宅入居者協議会を結成。同様の西宮市の入居者も合流し「ひょうご震災復興借り上げ住宅協議会」として発展しています。「希望するすべての入居者が継続入居できるように」と議会ごとに陳情や「転居しません」ステッカー運動などをくり広げました。

宝塚市では、2010年12月、中川智子市長が、いち早く入居者と直接話をし、「入居者の皆様が不安に感じられることを考慮し、その不安をなるべく早期に和らげたいと考え、入居者の皆様が引き続き入居していただけるようURと協議をはじめる」と全員継続入居の決定を行いました。

神戸市は、2013年1月に有識者による「借上住宅懇談会」を開催。懇談内容を参考にすると述べ、3月に「年齢85歳以上、要介護3以上、身障2級以上」の3条件で継続入居を認め、4月には日本共産党の追及で、URから借り上げているシルバーハイツや特養など福祉施設の合築住宅、新長田の再開発住宅など12団地553戸を神戸市が市営住宅として買い取りすることを明言しました。

兵庫県も、「80歳以上、要介護3以上、身障2級以上」を継続入居要件としたうえで、社会関係性の項目を考慮して判定委員会の判定で妥当と認められる世帯や義務教育の子どもがいる世帯、末期がん患者がいる世帯など継続入居基準を引き下げてきました。

ところが西宮市は「原則退去。要介護3以上、重度障害は5年間の猶予」という、冷たい対応のままです。

同協議会の安田秋成代表(89)は「震災後、高齢者は弱者と呼ばれました。弱者は震災で死に、避難所で死に、仮設住宅で死に、復興住宅でも死にました。4度の危機を乗り越えた弱者に5回目の危機が迫っています」と、行政の姿勢を厳しく批判し、「希望者継続入居」を実現するための運動の先頭に立っています。 (次号に続く

(2015年1月4日付「兵庫民報」掲載)

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