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2014年10月19日日曜日

尼崎市長選挙にひろせ幸夫氏:「市民の暮らしに寄り添うあたたかい市政をめざします」


11月9日告示・16日投票で行われる尼崎市長選挙へ、ひろせ幸夫氏(67)=新=日本共産党尼崎地区委員長=と尼崎民主市政の会、日本共産党尼崎地区委員会の3者は10月9日、政策協定に調印。ひろせ幸夫氏が、同地区委員会と民主市政の会の推薦を受け、「憲法を暮らしにいかし、市民の暮らしに寄り添うあたたかい市政」をめざし、市長選挙をたたかいます。(写真は右から土谷洋男尼崎民商会長、尾島紘之民主市政の会筆頭代表、ひろせ幸夫氏、流目茂党尼崎地区委員長代理、辻修党市議団幹事長、松村ヤス子党市議団長)

尼崎の現市政は、「市債を減らすこと」を最優先し、市民からの徴収強化などを進めています。県「行革」にも追随し、母子家庭の福祉医療助成を削減するなど、市民に冷たい態度をとっています。消費税増税にも反対していません。

ひろせ幸夫氏

これに対し、ひろせ幸夫氏と民主市政の会、党地区委員会が結んだ「政策協定」は―

政治姿勢として①憲法を市政に生かし、「地方自治の本旨」を堅持②一党一派にくみせず特定の団体・組織に片寄らない③暮らし直結の課題ではとことん住民合意をめざす④公約を守り市民に誠実な市政運営につとめる⑤福祉犠牲ではなく、不要不急事業の徹底的見直しや行政の無駄を省き財政再建⑥国の悪政に立ち向かう―

政策の柱として①育児・保育支援、35人学級拡充、こども医療費無料化、中学校完全給食など「子育てするなら尼崎といわれるまち」②国保料引き下げ、医療・介護充実、地域交通確保など「元気で長生きできるまち」③中小企業振興条例、公契約条例などで「暮らし・経済、安全安心のまち」④原発ゼロ、CO2削減、平和市長会議参加、市民活動支援など「環境・平和・市民文化のまち」⑤「公開・参加・協働・自治のまち」―をめざすことを掲げ、これらを実現する上で、「政党・団体・個人の平等を尊重し、清潔・公正・民主・市民共同を重視」するとしています。


【ひろせ幸夫氏略歴】
1947年、富山県生まれ。中学校卒業後、集団就職で尼崎の住友金属工業鋼管製造所に。働きながら市立城内高校(定時制)を卒業。70年から日本共産党専従。ふじき洋子衆院議員事務所長など歴任。98年から尼崎地区委員長。



(2014年10月19日付「兵庫民報」掲載)

県議会決算特別委員会(上)

ねりき恵子議員 きだ結議員

10月7日から21日まで兵庫県議会・決算特別委員会が開かれ、日本共産党のねりき恵子県議と、きだ結県議が質問にたちました。(2回連載:「下は次号」

ルネサス北伊丹閉鎖:退職強要やめさせよ


ねりき県議は、「関東への転勤か、応じなければ解雇に追い込まれている」と、障害者の30代男性の例もあげ、県として調査と是正を求めるべきと迫りました。

また、ルネサスが「再就職支援」として契約している、パソナ・リクルートや外資系コンサルタントなど5社のセミナーには、労働者が会社から言われて参加し、「転職すればバラ色」の説明だけ聞かされ、退職届と引き換えに申し込みをさせられる仕組みだと指摘。安倍内閣の助成金(労働移動助成金)から、申込者1人あたり10万円、転職で最大60万円が会社にわたり、国の助成金で雇用破壊が行われていることを批判し、政策転換を求めました。

兵庫県は、伊丹市や労働局との対策会議を2回開いただけで、ルネサスの計画は「解雇が前提ではなく、全員の配置転換の再編で、いまのところルネサスへの要請は考えていない」「障害者の解雇は1人でも届出義務があり、申告すれば調査される」などと答弁し、労働者が退職強要や自主退職などを押しつけられている実態を無視した答弁。

また、答弁のなかで、ルネサス側から8月末に提出されている「再就職支援計画」のなかで、関連会社も含め合計89名の「早期退職優遇制度」利用者があったことが明らかになりました。

こども医療費無料化を、精神2級も福祉医療で


きだ県議は、乳幼児・こどもの医療費助成を「県行革」で所得制限を厳しくしたもとで、県下市町の所得制限が、「なしが10、独自緩和が22」などバラバラになっており、全国ワースト5位に入る県制度の厳しい所得制限の緩和・撤廃や、一部負担金をなくして無料化することを求めました。

ねりき県議は、9月に開催した県政懇談会で、精神障害者家族会などから要望をもらい、精神障害手帳2級も、精神疾患以外の医療費が3割負担になっており、「手帳所持者の半数以上が9万円未満の月収しかない」「県下の9つの市町で2級を独自に対象にしている」ことを示して、県制度(重度心身障害者医療費助成)の対象にして、医療費の負担を軽減するよう強く求めました。

県当局は、「(こども医療費の)自己負担・受益者負担は必要。支援の必要な人を対象にするための所得制限」、「精神障害2級は、他人の手を借りなくても生活できる」と生活実態を考慮しない冷たい答弁をしました。

看護師確保のために


きだ県議は、看護師を養成し確保するために、県が「行革」で廃止した看護学生むけ奨学金制度の復活を要望しました。

全国で41都道府県に制度が存在し、日本学生支援機構の奨学金では、返済免除の規定がないことから、「最高額で卒業時に576万円もの借金を背負うことになる」として、地元の中小の医療機関などに一定期間勤めれば奨学金の返済が免除される県奨学金制度の復活を求めました。

(次号に続く)

(2014年10月19日付「兵庫民報」掲載)

8議席以上の日本共産党県議団へ:入江じろうさん

「政治を変えたい」の思いにこたえ:姫路市(定数8)


夢前産廃計画地を調査する入江さん(中央)

3月末に県会予定候補者となってから半年が経過しました。来年4月のいっせい地方選挙まで約半年となり県会候補者活動としての折り返し点を迎えています。

この間、議会活動の合間を縫って、真夏の日の長い時期には1日250軒を訪問するなど、訪問活動を中心に4千軒を越える訪問を行ってきました。聞こえてくる声は「誰がやっても政治は変わらん」「県議会の政務活動費なんやあれ?」など、政治の行き詰まりと議員不信の声ばかりです。

「神戸新聞」が10月4日付で発表した世論調査では消費税増税反対が72%、原発再稼働反対は前回3月調査比で7ポイントも増え61%にもなっています。「…政治は変わらん」の言葉の中には「政治を変えたい」という強い思いが内包されているように対話の中で感じます。

また、この間の政務活動費問題では姫路選出県議2名の疑惑も浮上し、うち1名については議場廊下から路上までマスコミから走り回って逃げる議員の姿がテレビ中継され、地元には衝撃とこれまでにない議員不信が高まっています。

「政治を変えたい」という本質の思いに対し根本から政治を変える提案を持つ党の政策、「議員不信」については金権腐敗とは全く無縁の党議員の資質と値打ちを大いに、ていねいに語っていく事が非常に大事だと感じています。

*

今期、姫路党市議団は子ども医療費無料化、エコパーク爆発事故被害者賠償問題、産業廃棄物不法投棄問題及び産廃建設計画反対運動など、住民運動と議会論戦の力によって現実政治を動かし、住民要求実現・苦難軽減のため献身してきました。

半年後に迫ったいっせい地方選挙に向け、日本共産党の政策、党議員の資質と値打ちを大いに語り、西播・姫路地域で唯一の共産党県議席確保、市議会5議席(1議席増)獲得をめざし、県会候補者としてその先頭に立ち全力で走り抜きます。

(2014年10月19日付「兵庫民報」掲載)

借り上げ市営住宅:URへの返還に固執する西宮市

西宮市の担当者ら(左手前)と交渉する借り上げ住宅入居者ら

震災復興ひょうご借上住宅協議会と西宮UR借り上げ市営住宅連絡会は10月9日、西宮市都市局長、住宅部長らと面談・交渉し、①入居期限の記載がない入居承諾書に対して、20年で退去を求める根拠②借り上げ住宅の財政収支―を問い、継続入居を強く求めました。

ひょうご借上住宅協議会からは安田秋成代表らが、西宮借り上げ市住連絡会からは松田康雄代表はじめ入居者ら10数人が参加しました。

市側は、①入居承諾書に期限の記載がないことは認めながら、リーフレットなどで転居のお願いをすることがあると記載している②財政収支についても「他の被災者との公平性」を強調し、借り上げ継続は困難――と強弁しました。

これに対し入居者らは、期限が記載されていない承諾書は公営住宅法からも不適切であること、国土交通大臣らも「入居者の希望を踏まえ、複数の選択肢を示す」と答弁していることを指摘。「転居のできない高齢者にまで〝法的措置をとる〟ことは許せない」と訴えました。

しかし、伊藤裕美都市局長らは「URへ返還する基本方針は変わらない。転居困難な方にも住み替えを求める」と聞く耳を持たない態度を続けました。

日本共産党の佐藤みち子、杉山たかのり、まつお正秀各市議、いそみ恵子県議も同席しました。

(2014年10月19日付「兵庫民報」掲載)

兵庫県議会:政務活動費の点検結果を発表

兵庫県議会で10日、過去の政務活動費の点検結果が公表されました。日本共産党県議団が求めた会派ごとの点検と公表が実現したものです。

各会派と議会事務局が共同で、現職議員の2011年度~13年度の政務活動費について、使途や視察内容、換金の可能性のある物品、政務活動以外の活動の混入などを点検。この日、開かれた「政務活動費のあり方検討委員会」で、▽県議20人1,221件で約462万円の返還▽県議4人9件の金額訂正▽県議6人36件の誤記などの訂正―が報告されました。

会派別の返還額は自民6人約281万円、民主6人約168万円、公明4人約7万円、共産1人380円、その他3人約6万円です。

特に返還額が大きいのは、夫人同伴の視察などが問題となっている加茂忍県議(自民・川西市区選出)が100万円余、岩谷英雄県議(自民・姫路市区選出)のガソリンや事務用品など169万円余の返還です。

また、切手の大量購入や領収書の疑惑については、住民監査請求の「結論を踏まえて対応する」としています。

発表された点検結果のうち、日本共産党のきだ結県議の支出分で、自家用車で駐車場を利用したときに誤ってバス代を重複して請求し、380円の返還を伴う訂正1件がありました。

日本共産党県議団は同日、「貴重な県民の税金を原資とする政務活動費の支出に誤りがあったことを日本共産党兵庫県議団としておわびします。点検した過去の収支報告書等については、県議団のホームページに自主公開しています。今後、県民の目線でより厳格に活用するための努力をつづけていきます」とのコメントを発表しました。

党県議団ホームページ http://hyogo.jcp-giin.net/


(2014年10月19日付「兵庫民報」掲載)

仮設校舎が急増:神戸市の小中学校

神戸市の市立小中学校のプレハブの仮設校舎が急増しています。仮設校舎は、2007年度に9校(東灘2、灘1、北1、西5)だったものが、2014年度には9行政区すべてに広がり、30校となっています(2014年9月現在・小学167校、中学82校、分校のぞく)。

小学生4人に1人が仮設校舎を経験


小学校では27校に仮設校舎があり、その児童数は2万2,033人です。市立小学校に通う7万7,103人の28・5%にのぼり、小学生の4人に1人以上が在学中、仮設校舎での授業を経験することになります。

さらに仮設校舎は、運動場など学校の敷地内に建設されるため、ただでさえ過密の狭い運動場での学校生活をよぎなくされています。灘区のある小学校では、学校長が児童に対して「運動場では走ってはいけません」「ボール遊びも禁止です」と指導しなければいけない事態になっています。

仮設校舎が、7年間で3倍に、一気に膨れあがった原因はなんでしょうか――

学校建設抑制が原因


それは、「長期的には児童は減少する」から「中長期を見渡した最低限の再編」にとどめるという、学校新築を抑制する政策を神戸市がとり続けているからです。

そのため民間のマンション建設や宅地開発で子育て世代の入居が進んでも、学校や校舎の建設を極力さけ、登校区の調整や仮設校舎で対応し続けています。仮設校舎がある学校には、神戸市が児童数の減少を見込んで合併した、こうべ小学校や、だいち小学校もふくまれます。

大かわら鈴子議員
日本共産党の大かわら鈴子議員は、10月2日に開催された神戸市議会決算特別委員会で仮設校舎問題をとりあげ、学校の新設を求めました。

仮設校舎がある学校区の児童の今後の推移をみても、普通教室が仮設となっている21校のうち14校が仮設解消の「見込み」5年以上です。

東灘区の本山第2小学校の仮設校舎は、神戸市教育委員会は5年以内に「解消の見込み」と回答しています。大かわら議員は「2011年にこの問題をとりあげたときに、神戸市の教育委員会は『本山第2小学校は、子どもの数はピークを終え、ここ1~2年ぐらいで仮教室の解消が見込まれる』と答弁していた」と指摘しました。神戸市の仮設解消の見通しが、学校建設を回避するためのご都合主義の推計であることが浮き彫りになりました。

また、西区の西神南ニュータウンにある井吹台中学校は、31クラス1,116人の日本屈指の過密マンモス校です。現在、仮設校舎はありませんが、今後の生徒数は1,400人を超えることも予想されています。西神南ニュータウンは神戸市が造成した団地で、もう1校分の中学校建設用地を神戸市が保有しています。市教育委員会は「ニュータウンの児童数が大規模になるのは一時的で、その後は減少する傾向がある。学校は60~70年使うのが前提で、児童・生徒が増えた場合は仮設の教室で対応したい」と答弁しています。

林まさひと党西区市政対策委員長の談話

林まさひと氏
私も井吹台で中学校の新設を求める方々と一緒に運動してきて、今の神戸市は、1人ひとりの子どもたちに寄り添う姿勢が欠けていると痛感しました。学校の校舎を費用対効果で考え、子どもたちには、プレハブや狭い運動場で我慢を押し付けるのは本末転倒です。こうして支出を決める一方、神戸市には110億円以上の余剰金(財政調整基金)が発生しています。こうした予算を活用し、神戸の未来をになう子どもたちの成長を最優先する市政への転換に向けがんばります。


仮設校舎のある小中学校とその解消見込み

(2014年9月時点)

東灘区
  • 福池小学校 5年以上
  • 魚崎小学校 5年以内※
  • 本山第1小学校 ※
  • 本山第2小学校 5年以内
  • 本山第3小学校 ※
  • 御影北小学校 ※

灘区

  • 成徳小学校 5年以上
  • 美野丘小学校 5年以上
  • 高羽小学校 5年以上

中央区

  • なぎさ小学校 5年以上
  • 宮本小学校 5年以上
  • こうべ小学校 5年以上

兵庫区

  • 明親小学校 5年以上

北区 

  • 長尾小学校 5年以上
  • 八多小学校 ※
  • 小部小学校 5年以内
  • 大沢中学校 ※
  • 八多中学校 ※

長田区

  • 蓮池小学校 5年以内

須磨区

  • だいち小学校 5年以上

垂水区

  • 本多聞小学校 2015年度末
  • 名谷小学校 ※
  • 東舞子小学校 5年以上
  • 小束山小学校 5年以上

西区

  • 有瀬小学校 5年以内
  • 東町小学校 5年以上
  • 伊川谷小学校 2015年度末
  • 高津橋小学校 5年以上
  • 出合小学校 ※
  • 長坂中学校 ※


解消見込は普通教室の仮設
※は図工・音楽室など特別教室が仮設

(2014年10月19日付「兵庫民報」掲載)

NO NUKES 10/10:西宮でも100回

◎西宮
原発をなくす西宮の会がJR西宮駅駅前で行っている行動が10月10日に100回目となりました。(写真は阿波角孝治氏提供)



◎神戸


10月10日、119回目の関電神戸支店前行動は65人が参加しました。

九州電力川内原発再稼働反対の行動に参加した人は「川内原発の周辺は田園風景でとてもいい所だった。福井地裁判決のいう国土とはまさにこのことだと思いました」と発言しました。

また山口県の上関町(中国電力が原発建設を計画)へ行った方は「現地の反対運動にずっと関わってきたかたにお話を聞きました。とにかく原発反対の一点で共同を広げてきたことが力になったそうです。私たちも頑張りましょう」と呼びかけました。

終了後は「安倍晋三首相は原発やめろ」「やめられないならあなたが辞めろ」などドラムのリズムとともにコールしながら神戸マルイまでパレードしました。

(2014年10月19日付「兵庫民報」掲載)

9条の会・尼崎ネットワーク:9周年総会と記念講演会


9条の会・尼崎ネットワークは「9周年総会&記念講演会」を10月11日、尼崎市立小田公民館で行いました。140名の参加で会場が満員で大いに盛り上がりました。

オープニングはギター&歌と読み聞かせ「ちまんと」。第1部の総会では、新しく共同代表として高原周治氏(高原クリニック院長)と森宣雄氏(聖トマス大学准教授)が加わることを承認し、引き続いて、2013年度の活動報告と今後の活動案が提案され、全体を拍手で確認しました。

第2部として、梅田章二弁護士(大阪憲法会議幹事長)による講演会「特定秘密保護法廃止、集団的自衛権の行使容認反対――『戦争をする国にさせない』」を開催しました。

梅田氏は、▽「戦争する国づくり」への安倍政権の暴走▽閣議決定の内容▽集団的自衛権が海外でどのような場合に行使されてきたか▽世論の反発に対する自民党の慌てぶり▽閣議決定で「戦争する国」なったわけではなく立法化が必要であること―などを分かりやすく講演し、好評でした。

最後に当面の課題が提案され、参加者全員で「がんばろう」と意志を固めあいました。


(2014年10月19日付「兵庫民報」掲載)

ノーモアヒバクシャ近畿訴訟・傍聴記:9/26,9/30,10/10

戦争被害者同士を対立させ、残留放射能の健康への影響を過小評価…
安倍政権の姿勢あらわ

副島圀義

9月26日と30日に大阪地裁、10月10日に高裁と、公判が連続しました。



10日の控訴審での国側冒頭陳述は―
一般の戦争犠牲者はなんの保障もなく我慢している。原爆被害者だけは医療費の無料や手当てなどで優遇されている。
原爆投下から9日後に爆心地近くに数時間いてチリやホコリをすった位で病気になるはずがない。
―等々、若い国側代理人が供述するのを聞いていると、戦争についても、福島原発事故についても、いかに安倍政権が無反省か露わにしたものでした。
学徒動員が解除されて実家に帰る途中の中学生が、4日間も、他の被爆者を助けて家族探しや瓦礫撤去をするはずがない。
―この主張に至っては〝戦争を知らないエリート官僚の感覚で被爆青年の行動を推し量るな〟と言いたくなりました。



これまでの全国の判決は繰り返し「機械的一律的に基準を当てはめるのでなく、1人ひとりの被爆状況、急性症状の態様、戦後の生活・疾病歴等を総合的に判断。内部被曝、遠距離被曝、2次・残留放射線被曝なども考慮」としています。

にもかかわらず、最近の裁判で国側は―
「急性症状」があったというが何レムの放射線を浴びたか立証できるか?
国の審査基準は科学的合理的で最大限広げたもので、それ以上の認定は誤り。
―等々、挑戦的です。

これに対し、原告側弁護士は―
いままでの訴訟で決着済の議論を最初から蒸し返そうとするもので、司法への冒涜・高齢原告に対するいやがらせだ。
国の新基準自体、偏った構成の検討会が被団協などの異論を無視して強引につくったものだ。
被爆者援護法の立法趣旨や麻生首相(当時)が被団協と交わした合意にたちかえれ。
国が出してきた「専門家連名意見書」はUNSCEAR(国連放射線影響研究所)報告をまったく読み違えている。報告は、通常の被曝について低線量被曝の健康影響はまだ明らかになっていない。が、被爆者について低線量でも健康に影響があることは明らかだとしている。
―等々と批判しました。



公判後の集会では―
来春には一連の判決がでそろう。医療介護の全面改悪も進行中。大事な局面だ。
被爆者援護にも、核廃絶にも安倍政権は後ろ向き。社会の流れを前に向ける一端を担いたい。
福島の被害者、原発事故に立ち向かっている作業員の方々の被曝にきちんと対応するためにもがんばっていきたい。
―と弁護団の決意が伝わってきます。


訂正】前回(7月22日の公判・掲載は8月3日付)の傍聴記に2カ所間違いがありました。おわびして訂正します。①本文2行目と5行目の「原告Iさん」を「原告Uさん」に②本文6行目「当時2歳」を「当時13歳」に。


(2014年10月19日付「兵庫民報」掲載)

しんぶん赤旗囲碁将棋兵庫県大会

しんぶん赤旗囲碁将棋兵庫県大会が10月12日、神戸市立新長田勤労市民センターで開催されました。

囲碁
将棋

兵庫県下の地区大会を勝ち上がった強豪たち63人が集結、熱戦をくりひろげました。小学生から70代の人まで幅広い年齢層でした。

全国大会代表には、囲碁・李沪さん(神戸地区)、将棋・長森優作さん(東播地区)が選ばれました。

囲碁A優勝:李沪氏将棋A優勝:長森優作氏

各クラスの上位入賞者は次のとおりです(敬称略)。

囲碁A①李沪(神戸地区)②河本弘(神戸地区)③吉岡章雄(西播地区)④井𡈽雄介(西播地区)
囲碁B①大山満(神戸地区)②関泰憲(東播地区)③谷垣邦雄(但馬地区)④冨田力(阪神地区)
将棋A①長森優作(東播地区)②枝川真也(西播地区)③家大佑(西播地区)④伊藤尚(阪神地区)
将棋B①古家慎一(神戸地区)②芦北翔琉(東播地区)③桑名浩光(神戸地区)④松井康守(阪神地区)

(2014年10月19日付「兵庫民報」掲載)

ひなたぽっころりん(541)



(2014年10月19日付「兵庫民報」掲載)

観感楽学

陸上自衛隊姫路駐屯地に戦争博物館といえる史料館がある。戦前の陸軍部隊が関った日露戦争から太平洋戦争(「満州事変」「支那事変」など)までの戦歴、功績を顕彰する写真、旧陸軍幹部の遺書・遺品、兵器などが展示されている▼敷地内の記念碑には、中国への侵略のあとをたどる軍の戦歴が、戦果を誇るかのように刻まれている。これらの史料展示の特徴は、侵略戦争への反省がなく戦争の被害も加害も伝えていないことだ▼市民公開日(10月5日)には、各部隊在住地の名産を売る模擬店が並び、同時に155㍉りゅう弾砲の砲撃(空砲)や戦車、装甲車など総出の演習も見学させる。安倍内閣の改憲の動きと歩調を合わせて自衛隊の市民社会への浸透計画が活発化している▼県議会への「憲法改定」を求める請願、日本会議の宣伝行動やヘイトスピーチ・デモなど侵略戦争肯定の世論づくりと合わせてトライやる・ウイークで中学生を自衛隊に受け入れ、各地の市民行事への自衛隊参加など危険な動きが目立つ▼旧軍の歴史を無批判に継承する自衛隊史料館は全国24カ所に及ぶという。これを維持し続ける自衛隊の市民社会への影響を軽視してはならない。(K)

(2014年10月19日付「兵庫民報」掲載)