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2014年8月24日日曜日

30、31日に防災訓練へ米軍参加への抗議行動

兵庫県・阪神地域合同防災訓練への在日米軍の参加に抗議する集会・行動が訓練の前日と当日、芦屋市内で行われます。

兵庫県・阪神地域合同防災訓練への在日米軍の参加に抗議する集会と行動/抗議集会:30日(土)午後4時、芦屋市宮塚公園、集会後JR芦屋駅までデモ/抗議行動:31日(日)午前9時、潮芦屋フリーゾーン(芦屋市海洋町)周辺/Tel. 090‐8194‐4441(芦屋地区実行委員会:田中)、078‐371‐2360(安保破棄実行委員会)

(2014年8月24日付「兵庫民報」掲載)

防災訓練米軍参加:県主導で強行へ

許せない!―新婦人が中止要請


中止を求める「私は言いたいカード」を手渡す岸本会長

新婦人県本部と阪神間7支部は、8月31日に芦屋浜で行われる県防災訓練への米軍参加を中止するよう、8月11日、県防災課に申し入れました。要請には県本部はじめ、訓練地となる芦屋、自衛隊部隊のある伊丹、また川西や尼崎の阪神各支部と神戸北、兵庫、西から16人が参加、「命を守る防災訓練に軍隊は不要。即刻中止を」と強く要請しました。

県防災訓練は、毎年行われ、今年は阪神7市1町と県で行うもので、兵庫県は今年初めて米軍参加を発表。県本部はその直後から、中止を求め兵庫県に要請。阪神各支部も機敏に自治体に要請行動にとりくんできました。

今回の申し入れでは、全県支部、班から届いた知事あての怒りと不安、中止を求める「私は言いたいカード」260通をこの日に手渡しました。

「なぜ米軍参加なのか。訓練の内容は?」と聞くと、県は「南海トラフ大地震に備え、東日本大震災時のトモダチ作戦のような連携が必要」と言いながら、 「神奈川のキャンプ座間からブラックホーク(ヘリ)1機が来る。想定されるけが人輸送は当日は行わない」などと説明し、実際の災害時を想定するよりも、米軍との友好をアピールするデモンストレーションであることが明らかになりました。

「防災訓練の費用は600万円で市民・県民の税金、住民不在の強行は納得できない」「軍隊の主任務は人殺し。日本に基地があることも嫌なのに、米兵が市民の前に姿を現しアピールするなんて絶対許せない」「防災訓練ではもっと必要なことがあるはず」「芦屋市民は、住民主体の防災訓練だと思い参加するつもりだったが、突如米軍参加を押し付けられ、大変困惑している。中止を」「南海トラフ地震にそなえるというなら、どうして県はこども病院をポーアイに移転するのか。どうして県の職員を削減するのか。県本来のやるべきことはほかにあるはず」と迫りました。

県は「市町村にはご理解いただいているが、県としてイニシアチブを発揮しなければいけない時もある」と、国と県が強行したことを認め、「集団的自衛権とは全く関係ない」と言い訳すると、いっせいに「そんなはずはない。関係ないなら米軍を参加させるな」と批判の声があがりました。

住民の自治体への要請や超党派議員が52人もの反対があることに耳を傾けず、最初から「米軍参加ありき」とは、県政のあり方として大問題、と岸本友代会長が指摘。「これからも毎年米軍を呼ぶのか」の追及に県は「毎年とは限らない」と答えました。

集団的自衛権行使の閣議決定・「戦争する国」づくりの安倍政権の下、住民の命と平和をまもる自治体の責任と努力がいっそう求められています。

非核「神戸方式」を持つ兵庫の地に、「防災訓練」を口実に、イラクなどで今も爆撃を続ける米軍を呼び込み、子どもたち、住民に戦闘機を見せることは平和憲法にも大きく逸脱しています。県のこの愚行を、女性たちは認めるわけにはいきません。なんとしてもストップに追い込みたいと考えます。
桜井文子=新婦人県本部事務局長)

(2014年8月24日付「兵庫民報」掲載)

終戦記念日に日本共産党が宣伝

憲法の平和主義守り抜く決意


訴える宮本衆院議員と前田、堀内の各氏

戦後69年の終戦記念日、日本共産党兵庫県委員会は宮本たけし衆院議員とともに神戸元町・大丸前で宣伝・街頭演説を行い、日本軍国主義が推し進めた侵略戦争と植民地支配の犠牲となった内外のすべての人々に対し深い哀悼の意を表明するとともに、日本国憲法の恒久平和主義を国民と力をあわせて守り抜く決意を表明しました。この宣伝には堀内照文県副委員長、前田みさ子兵庫区県政対策委員長も参加しました。

(2014年8月24日付「兵庫民報」掲載)

台風11号・16日豪雨災害で党県議団が県に要請

台風11号と8月16日の豪雨による災害の対策について、日本共産党兵庫県議団は8月18日、県防災監へ緊急要望を行いました。

▽災害救助法を12分に活用すること
▽被災者生活再建支援法の適用を国に求め、法の適用が受けられない全壊・大規模半壊にも同等の支援が受けられるようにすること
▽共済制度と引き換えに止めた県独自支援金を支給すること
▽土砂災害箇所や河川の堤防崩落箇所などは応急措置を急ぐとともに、復旧の際、住民の意見を10分きき、住民負担軽減の支援をすること

―などを求めました。


要望書全文はこちら

(2014年8月24日付「兵庫民報」掲載)

借り上げ住宅:理不尽な移転、威圧的に迫る神戸市


「ひょうご借り上げ住宅協議会」は8月14日、借り上げ住宅問題について神戸市と交渉しました。この交渉では、①転居させられ苦しんでいる長田区の重度障害者の問題②市の再開発に協力しながら、3棟のうち2棟が借り上げ住宅とされ、転居対象にされている問題――の2点を中心に追及しました。

不要な移転を重度障害者に強要


長田区の借り上げ住宅に住んでいたKさんは妻と義母から介護を受けている難病で重度障害者(1級)です。神戸市はこのKさんに「退去しなければ家賃が数倍になる。転居費用も出なくなるかも」と言葉巧みに脅し市営住宅に転居させました。重度障害者のKさんを転居させること自体ひどい話ですが、彼が住んでいた借上住宅は、その後、神戸市が買い上げました。それなら転居しなくてよかったのです。

それを知ったKさんが「元の住宅に戻して」と要請すると、市は「自分の意思で出たのだから」と拒否。それどころか、斡旋されて入居した住宅は14階で1万1のときに不安だから変えてほしいとの要請に対しても、「市営住宅間の移動は公営住宅法で禁止だから」と認めませんでした。

机をたたいて威圧する市側


思い余ったKさんは、こうした経緯を書いた文書を借り上げ住宅長田区連絡会の代表に託しました。ところが、今回の交渉で、この依頼文を元に質問する連絡会メンバーに対し、課長は「強制などしていない、Kさん本人が決めたことだ」と大声で反論、係長もバンバンと机をたたいて威圧しました。

連絡会メンバーがみんなで「そうか、あんたらはこうやって高齢者を脅して退去させてるんや。ようわかったわ」と批判すると、市側は「いや、いろいろいわれたのでつい腹が立って」と言い訳しました。

同じく再開発に協力したのに

1方、灘区のウェルブ6甲道の借り上げ住宅問題は、再開発に協力した地権者の受け皿住宅のはずが、2棟は住民の了解もなく借り上げ住宅にされて、転居を迫られているというものです。「こんな馬鹿な話があるか! 明らかに差別ではないか」と追及し、交渉は2時間半に及びました。協議会は近く市長に公開質問状を提出する予定です。

段野太一=同協議会運営委員)

(2014年8月24日付「兵庫民報」掲載)

原水爆禁止世界大会海外代表との交流会

台風11号が兵庫県を直撃した8月11日の午後、原水爆禁止2014年世界大会海外代表交流集会が神戸市内で開催され、交通手段が寸断されたにもかかわらず、約50人が参加。4人の海外代表、ジョゼフ・ガースンさん(アメリカフレンズ奉仕委員会)、アン・シュルテスさん(イギリスCND運動・組織担当)、アレックス・ターベイさん(シュルテスさんのパートナー)、ニーニョ・マラカステ・デシエルトさん(フィリピン・ミンダナオ民族平和運動の青年リーダー)をむかえて交流を深めました。

津川知久兵庫県原水協筆頭代表理事が開会挨拶をし、今回の原水禁世界大会の意義と役割を報告、来年のNPT再検討会議にむけて、多くの署名を集めて兵庫県から多くの代表団を送り出すことが重要と訴えました。

梶本修史県原水協事務局長の司会で、まず3人の海外代表からの報告のあと、参加者からの質問・意見、それに海外代表が応えるという流れですすめられました。

ガースン氏は「今回のウクライナ危機は2つの核超大国の核軍備への依存度を高めることになった」危険性や、東アジアの情勢・特に安倍政権の暴走について危惧を表明しながらも、「アメリカをはじめとする核保有国が2010年のNPT合意を守っていないが、一方で、核兵器の人道的影響に関する議論がはじまり、マーシャル諸島共和国が核保有国を告発するなど、核保有国の孤立は明らかだ」と指摘。「市民団体の運動の力が重要、来年のNPT会議に原水協のみなさんがたくさんの署名をもって大挙してニューヨークに来てくれることを期待する」と訴えました。

シュルテス氏は「安倍政権の解釈改憲の閣議決定はNATOと日本の新連携協定に調印した2カ月後に行われた。NATOの軍事的世界支配をめざす動きの強化と連動している」と指摘。CNDが9月にイギリスで開かれるNATOサミットにむけ、「戦争はいらない」「戦費は払わない」という運動を広げるとともに、新たな核兵器システムに更新することを阻止する取り組みをすすめていることを報告しました。さらに核兵器の非人道性を訴えるためには被爆者の証言が大事と、日本の運動を激励しました。

デシエルト氏は、日本の平和行進に参加した経験が大変貴重なものであったことを報告し、その時につくった自作の歌などを披露し、参加者はその歌声に魅了されました。

最後にアコーディオンに合わせて「原爆許すまじ」や「勝利はわれらに」などを参加者全員で合唱し、来年のNPTにむけてのたたかいの決意を固めあいました。

(2014年8月24日付「兵庫民報」掲載)

タワージャズ労組を訪問:「OECD指針」が大きな力に

この春、西脇市内最大の工場、半導体製造のタワージャズジャパンが7月末で工場閉鎖・約900人全員を解雇し企業は解散を発表。イスラエルに本社のある親企業のタワージャズは、北陸でパナソニックと合弁会社を設立しパナソニックの半導体製造3工場で生産をすると発表しました。

途中、経営主体は入れ替わってきたものの20年間も続いた約1,000人もの労働者の雇用を、倒産でもないのに、断ち切るという、地域も雇用も顧みない同社の身勝手な行動に、各自治体首長からも、こんなやり方は許せないと批判の声があがり、兵庫県も副知事を対策責任者に同社に要請しました。また、労働者も個人加盟で労働組合を結成し、団体交渉を行ってきました。

会社は、〝退職金は閉鎖時に半分支払い、残る半分は工場の機械が売れたら払う〟ことへの了解を書面で全労働者に強要。労組は抗議し、満額支給を強く要求しました。行政も満額支給を要請。

これに対し会社社長は、労組に「労働債権は最優先されるべき」と語るなど、口頭では払う印象を与えていました。しかし、閉鎖時、実際に支払われた退職金は半分でした。

*

日本共産党はこの間、関係市町の議員、県議団、予定候補を先頭に大企業の無法から地域経済と雇用を守るために、兵庫県や自治体首長と懇談し、情報を交流し、行動の要請も行いました。

このなかで、兵庫県もいままでにない取り組みを行うという変化も生まれ、共同の努力もすすめてきました。

また結成された労組を訪問し、ネスレ日本の労組攻撃を謝罪させた「OECD多国籍企業行動指針」も紹介してたたかいを励ましてきました。労組はこの行動指針を使ってたたかうことにし、今月中に連合本部から政府に申告することになりました。(「OECD多国籍企業行動指針」(外務省訳)はこちら

*

8月5日、この労組を辻誠一多可町議とともに訪問し、現在の状況をお聞きしました。

労組からは、「こんな無法は許せない、今後満額払わないことを前例にさせてはならない」と公的機関への訴えなどあらゆる手立てをとってたたかうとの決意が表明されました。また、いままでにない自治体などの努力もあり、退職者を上回る正規雇用口数が確保され、ハローワークの相談会も行われていることが紹介され、「この点ではちょっと安心している」とも語られました。

また、「OECD指針の紹介に感謝。相手は外資、自治体も危惧を持っている企業であり、今回のような追及は初めて、今後も情報交換など力を貸して欲しい」と要請されました。

*

日本共産党は、労組の要求である退職金満額支払いを直ちに行わせることをはじめ、退職者全員の雇用を保証し地域経済を守るルールある経済社会つくるため、議員・予定候補を先頭にさらに頑張る決意です。

小林明男=党県委員会労働部長)

(2014年8月24日付「兵庫民報」掲載)

ノーモアヒバクシャ近畿訴訟・傍聴記:余話

被曝影響の過小評価は、核開発に狂奔した米当局者の言い分の「コピペ」

副島圀義

神戸演劇鑑賞会7月例会の劇団昴公演『イノセントピープル』~原爆を作った男たちの65年~に触発され、あらためて読んだ本の印象などに、紙面を割いていただきました。

『原爆はこうして開発された』(山崎正勝、日野川静枝・編)の一節。まだ核分裂連鎖反応の爆弾としての実用化が見通せなかった1941年頃、原子炉で作られる「死の灰」を、通常爆弾で敵地にばらまくアイデアがあった、と紹介されています。今では劣化ウラン弾として実用に供されており、アメリカはそれが「放射能兵器」であることを否認しますが、核兵器開発のもっとも初期から、放射線の危険性を承知のうえ、兵器として利用する意図をもっていたのです。

核実験に駆り出され、さまざまな放射線障害で苦しめられた米軍兵士の証言集『カウントダウン・ゼロ』(オービル・ケリー、トーマス・サッファー・著)から。兵士らが国に救済・補償を求めたときに、当局は「君があの日、そこにいたかどうかも確かではない」「君が受けた放射線量はごくわずかだ。病気になるはずがない」と、認めようとしません。ノーモアヒバクシャ訴訟での国側代理人らの「決まり文句」にそっくりです。

次のAとBを読み比べてみましょう(いずれも要旨)。

(A)「低レベル放射線被曝が重大な健康被害をもたらすとの印象・誤解によって、原子力推進計画が重大なダメージを受け、放射性物質の医療利用にも問題を引き起こす」(同書から。米国防総省高官・1980年) 
(B)「一般的知見を超えて放射線の人体への影響があるとの司法判断がされれば、誤った認識が国民に浸透し、大きな影響が及ぶ」(原爆症認定訴訟への原子力ムラ学者らの連名意見書・2014年5月)

原爆症認定を拒否する日本政府らの言い分は、核開発に狂奔する米当局のそれを忠実に「コピペ」したものに他なりません。


(2014年8月24日付「兵庫民報」掲載)

高砂市議選8月31日告示:大塚・さかべ氏が全力

高砂市議選(定数1減の21)は8月31日告示・9月7日投票で行われます。

日本共産党は、現職の大塚よし子氏(59)と新人の、さかべ勝彦氏(56)が、現有2議席と議案提案権の確保をめざします。

大塚氏とさかべ氏は「暮らしを守り、福祉充実を」と主張。特に事業費600億円以上の大型ゴミ処理施設計画の中止を主張し、国保料・介護保険料の引き下げ、全中学校での給食の早期実現、住宅リフォーム助成制度の実現などを訴えています。

また、「市民の暮らしをよくするのに役立つ党はどの党か」と、中学卒業までの医療費無料化、介護保険料負担の軽減などこの間の党議員団の実績を示すとともに、反戦・平和を貫いてきた日本共産党の値打ちを語っています。


さかべ勝彦(56)新

中筋小、松陽中、東洋大姫路高卒。センバツ(甲子園)大会に出場し、準決勝進出。大阪体育大学卒。高校教諭・野球部監督など。現在、党市政対策委員長。






大塚よし子(59)現

藤森看護専門学校卒。姫路医療生協看護部長・理事、ケアマネジャーなど。2006年、高砂市議初当選、現在、2期目。






(2014年8月24日付「兵庫民報」掲載)

政務活動費:議員のあり方と資質でも日本共産党の優位性発揮を

中嘉信(日本共産党県自治体部長)

政務活動費の不正着服で議員辞職に追い込まれた野々村竜太郎前県議の「号泣会見」は、日本国内にとどまらず全世界を驚かせました。県議会では7月から政務活動費について、検討がすすめられており9月議会で条例改正が行われる予定です。あらためて今回の問題を考えてみます。

(1)議員の資質と資格が根底から疑われる事態


野々村前県議の政務活動費不正着服問題は、議員の資質と資格が根底から疑われるものといわなければなりません。不正に着服した金額の大きさ、その手口とともに、「号泣会見」に見られる異様な姿に、国民・有権者の怒りが寄せられました。アベノミクスが順調と宣伝されながら実感できずに、劣悪な労働・雇用環境にある低所得者や経営難の中小零細業者、未来が見えない農林漁業者など、同じこの社会で起きた事件だけに、国民・有権者の怒りと批判もそれだけ大きいのは当然です。

同じ時期に、セクハラヤジの元自民都議が政治資金でも不正疑惑を暴露され、神奈川の県議が危険ドラッグの常習で辞職が起こり、大阪維新大阪府議のLINE騒動などなど、議員の資質と資格が根底から疑われる事態が相ついでいます。

こうした背景に、今日の政党状況と無関係ではない議員・政治家の「劣化」ともいうべき現象を指摘せざるをえません。

2005年以降、「小泉チルドレン」や「小沢チルドレン」の大量誕生と大量落選、維新やみんなの一挙の躍進と衰退をくり返すなかで、政治的立場は別としてそれなりに有権者に浸透し良かれ悪しかれ試された政治家が減る一方、当選目当ての「公募候補」や、はやりの看板の風で当選した議員が急増しました。地方選挙でも、07年から09年当時は「民主」の看板だけで、11年ごろは「維新」や「みんな」の看板で、13年には「自民公認」なら当選できるような状況が広がり、それに伴って議員・政治家の「劣化」現象が広がってきたのです。野々村前県議自身が前回の県議選で「西宮維新」を名乗り当選した議員でした。みんなの党の前神戸市議は保険金詐欺で逮捕されています。

政治のあり方、政党と議員のあり方が根本から問われていることをとらえ、国民・有権者を裏切らないもっとも政党らしい政党として日本共産党と党議員の値打ちを語り広げることが重要です。

(2)不祥事・犯罪を許さないとりくみを


政務活動費の不祥事・犯罪を抑えるために、使途の透明化をはかることは決定的な問題です。かつては領収書添付もなく公開もされていなかった政務調査費(昨年から政務活動費に名称変更)について、いっかんして領収書添付の義務化と公開制度を求めて奮闘してきたのが党県議団でした。

政務調査費は自治法改正にともなって、2001年から条例にもとづいて支給されるものとなりましたが、その県条例を制定した01年3月の県議会で党県議団は議案提案権を活用して、領収書と帳簿の添付、公開を必要とする独自の条例案を提案して、透明性・公開制の確保を強く主張しました。

それ以来、党議員団は、03年6月議会、04年3月議会、06年6月議会、06年12月議会、と5回にわたって領収書添付、公開の政務調査費の条例案を提起してきました。これらの間に、各地で政務調査費をめぐる不祥事の発覚、裁判など世論の変化もあり、領収書添付を拒んできた与党会派は、06年の12月議会で「1件5万円以上」の領収書添付の条例改正を行いました。

07年の県議選で、残念ながら党議員団は議案提案権を失いましたが、一致点での共同を追求して、07年9月議会に無所属議員らと共同で、6度目となる条例提案を行いました。

こうした党議員団の奮闘と県民世論の包囲の前に、与党議員らも抵抗しきれず、10年の9月議会で、条例が改正されて領収書の添付義務づけが行われるようになり、11年県議選で当選した今期の議員の任期から適用されることになったのです。

今回、6月30日に公開された昨年度の政務活動費収支報告を閲覧した神戸新聞の記者が、野々村氏の不正着服に気づくことができたのは透明性・公開制の確保を実現した成果でもあったと思います。

ただ、今回の事態を受けて、せっかく県議団の奮闘でかちとった領収書添付、公開の制度であるのに、党機関として昨年、1昨年の公開時に収支報告のチェックを行っていなかったことを反省しています。制度の改善が行われたもとで、まさかこんな着服事件が起きるとは想像もしていなかった甘さがあったと言わざるを得ないと思っています。

今回の事態を受けて、他会派・議員の政務活動費の収支報告書や政治資金報告書などを必要に応じてチェックすることは、不祥事・犯罪を抑えるためにも必要なことです。そのことが、党議員の優位性の発揮にもつながると確信します。


(2014年8月24日付「兵庫民報」掲載)

人形劇団プーク『怪談 牡丹燈籠』

神戸演劇鑑賞会9月例会

©劇団プーク

「四谷怪談」「皿屋敷」と並んで、日本3大怪談と言われている『怪談 牡丹燈籠』は、三遊亭円朝(1839~1900年)が今から109年前に書いた作品です。

カランコロンと下駄の音を響かせながら恋しい新三郎の許に通うお露の話は、有名で、今だに語りつがれている。劇団プークはこの物語を人形に演じさせました。等身大の人形を、半頭巾に黒衣装の操作者(俳優)が、人形と同じ舞台で同時に動く一人遣いの手法です。俳優は人形を遣いながら、同時に台詞も述べる。そこに、文楽でもなく、マリオネットでもない、劇団プークの独特の創作が感じられる。舞台は、紗幕を有効に使い、円朝を狂言廻しとして登場させ、物語を進める。沢山の花・花・花を象徴的に配し、舞台に色を添え、人間では表現出来ない幻想的な舞台を創りあげている。

*

17歳のお露は、浪人者の萩原新三郎に人目惚れをしたあげく、焦がれ死にをする。後を追って死んだ女中のお米と共に、夜な夜な牡丹燈籠を片手に、新三郎の許に通う。さて、それから、1年近く過ぎたころ。中山道栗橋の在。伴蔵とおみねの夫婦は、手に入れた金を元に雑貨屋をはじめていました。商いは順調に行き懐が膨らんだ頃、伴蔵は、おみねに飽きたらず、女に手を出し始める。それを知ったおみねは…。

お露の底を知らない愛欲、伴蔵とおみねの深い物欲。何時の世も、人間の中に巣くっている弱さや、強かさを、人形が見事に演じている、新しい舞台に堪能するでしょう。

小谷博子



人形劇団プーク公演『怪談 牡丹燈籠』/原作=3遊亭円朝、脚色=川尻泰司、潤色・演出=井上幸子、出演=柴崎喜彦、山越美和ほか/①9月4日(木)18時30分②5日(金)18時30分③6日(土)13時30分/神戸文化ホール中ホール/会員制(入会時に入会金1,000円と月会費2カ月前納)、月会費310,005,100円(大学生21,000円、中高生1,000円)/☎078・222・8,651、Fax078・222・8,653

(2014年8月24日付「兵庫民報」掲載)

図書紹介:内藤美代子『いのちへの誓い』

あっという間に「軍国教師」に…その反省を学び直すとき



〝内藤美代子〟という名は、同じ地区に勤める先輩教師としてだけでなく、新任の私に母親運動を教えた人として記憶に残っています。

本を手にしたとき、教職員組合運動、女性運動、保育運動の内藤として、退職してからもなお、中心となった活動した人が、自らを「軍国教師」と名乗ったことに「なぜ?」の思いを強くしました。

戦後に「教え子を再び戦場に送るまい」のスローガンを掲げて教職員組合運動が進んできたことは知っていましたが、その反省を胸に刻んだ人々の一人が内藤先生であったのです。あっという間に軍国教師につくられていくくだりが、今の情勢と重なって背筋の寒くなる思いがしました。

私が教師になった44年前にさえ当たり前にあった権利、「産前産後16週」「公立保育所」「学童保育」が、内藤さんとそれに賛同する仲間の手で、一つ一つ勝ち取られたことがわかりました。後を引き継いだ私たちの世代は、さまざまなたたかいを語り継いでもらった世代であり、のびやかな子どもとの教育実践を直接学んだ世代です。この本の中には「そうだったのか」と学び直すことがいくつも出てきます。

生い立ちは、この本で初めて知りました。当時の世相がよくあらわされています。

94歳でなくなった著者が、生前、書き溜めたものを、娘真己子さんが自費出版されました。感情的にならず淡々と描かれているからこそ、読む人に思いが伝わります。

中村治子=兵庫県母親運動連絡会)


内藤美代子『いのちへの誓い――軍国教師だった私が遺したいこと』
光陽出版社刊、46判、208頁、定価(本体1,500円+税)。党県委員会でも扱っています。

(2014年8月24日付「兵庫民報」掲載)

ひなたぽっころりん(538)



(2014年8月24日付「兵庫民報」掲載)

観感楽学

「国民に丁寧に説明する」―秘密保護法、解釈改憲の閣議決定などの強行の後に繰り返された安倍首相の常套句だ▼沖縄・辺野古の新米軍基地建設で40台以上もの大型トレーラーが建設資材を運び込んだのは午前2時半。住民の海上抗議行動を排除するため工事水域への立入り禁止範囲を示すブイ設置の作業は未明4時に開始された▼京丹後のXバンドレーダー基地は前日午後の通告で翌午前にいきなり建設工事を始めた。「丁寧な説明」どころか国民の目が届かない時間帯に「急襲」する卑劣ぶりだ▼秘密保護法でも公聴会で公述人7人全員が法案反対や慎重審議を求めたのにその翌日に強行可決。集団的自衛権の行使容認の閣議決定についても「現行の憲法解釈の考え方はなんら変わらない」と強弁。東京5輪招致の際、原発の汚染水について『コントロールされている』と世界に向けてウソを語った▼警察予備隊(自衛隊の前身)の創設で「戦力でない」と説明されたことに米軍事顧問団幕僚長は「時代の大うそ」と語った。卑怯な手法、ウソで通そうというのは国民の目を恐れている表れではあるが、「独裁政治」としか言いようがなく許せないことだ。(K)

(2014年8月24日付「兵庫民報」掲載)