Web版の発行はしばらく休止します

「兵庫民報」編集部は2012年11月から専任1人で続けてきましたが、その1人も2020年末で退職し、2021年1月からは嘱託となりました。編集業務の整理のため、「兵庫民報Web版」はしばらく休止いたします。それにともないTwitterへの転送も休止します。 紙版の通常号のご購読をお願いします。

2014年7月6日日曜日

兵庫県赤旗まつりはきょう!

第32回兵庫県赤旗まつりはきょう7月6日午前10時から神戸・メリケンパークで開催です。

メインステージでは、山下よしき書記局長が講演します。国民の圧倒的批判に背き集団的自衛権の行使容認の立場を鮮明にしている安倍政権は、暴走する端から国民との矛盾をひろげています。山下書記局長は、安倍政権の無謀な暴走ぶりと、国民との矛盾をリアルな国会でのやりとりも紹介しながら語り、参加者にたたかう勇気と展望をひろげます。

また、いっせい地方選、中間選挙勝利にむけ、後援会テント、候補者パフォーマンスで大いに交流します。物産店、模擬店もこれまで以上の出店で賑わい、子どもの広場、囲碁・将棋コーナー、赤旗・民報紹介コーナーなど多彩な企画でお待ちしています。

青年企画では、山下書記局長がかけつけ、青年と生トークを行います。

みなさんの参加をお待ちしています。

(2014年7月6日付「兵庫民報」掲載)

若者憲法集会:次の取り組みへ意欲


6月22日、東京で行われた「若者憲法集会」に兵庫県から22名の青年が参加しました。

集会当日は、「アジアの若者と考える平和主義と安全保障」「靖国神社フィールドワーク」「紛争解決のプロと話す集団的自衛権」など8つの分科会からスタート。

分科会はどこでも立ち見が出るほど盛況で、なかでも「靖国神社フィールドワーク」が好評でした。ここでは靖国神社と遊就館を見学。参加したメンバーは「本来あるべき戦争の悲惨さや被害者に関する展示が全くなく、あるのはいかに戦前の日本人がすばらしかったかという美談ばかり。そこに違和感を感じた」と感想を話します。

そして1056人が集まったメイン集会では田中悠民青同盟中央委員長が開会挨拶。その後、大飯原発差し止め判決や「すき家」のたたかいなど全国各地の取り組みのが映像で紹介され、兵庫の「恋するフォーチュン憲法」の取り組みも紹介されました。

メイン講演・ゲストスピーカーはイラク支援に取り組んでいる高遠菜穂子氏と明日の自由を守る若手弁護士の会の黒澤いつき氏。

高遠菜穂子氏はイラクで現在も続いている戦争による被害を写真や映像を使いながら紹介し、「これは最近の話ではなくて、イラクではこの10年間ずっとこういう事態におかれています」と話しました。そして自身がイラクへ初めて行った時の現地の様子を紹介しながら「中東の人たちは『平和の国ジャパン』というイメージをもって日本人をみています。日本の自衛隊が戦場で現地の人を殺すことになってしまえばこれは大変なニュースになる。そうなると現地でビジネスしている日本人もターゲットになってしまう」と集団的自衛権行使容認の危険性について指摘しました。

黒澤いつき氏は憲法について書いた絵本を紹介しながら、「自由、人権が私たちにとってどれだけ大事か、失ってからでは遅い。想像力を駆使して人間にとって自由ってなんだろう、人権ってなんだろうと考えていかないといけない。憲法13条『すべて国民は個人として尊重される』は『あなたはあなたらしく生きていっていいんだよ』というメッセージ。すべての自由や人権の思想の根源になっている条文です」と述べました。

続いて全国各地での取り組み交流、集会アピール採択のあと閉会しました。

集会後は渋谷区の宮下公園を出発し、渋谷センター街など若者でにぎわう渋谷の街を800人でデモしました。「集団的自衛権はいらない」「言うこと聞かせる番だおれたちが」などラップのコールや、ドラムのリズムに合わせたコールが大注目を浴び、スマートフォンで写真を撮ったり、飛び入りで参加する青年もいました。

兵庫県から参加した青年は「高遠菜穂子さんのお話がすごく良かった」「あんなデモを兵庫県でもやりたい」と感動を口々に話し、次の取り組みの意欲も高まっています。

(2014年7月6日付「兵庫民報」掲載)

憲法が危ない!緊急丹波集会


集団的自衛権の閣議決定が迫る情勢の中、丹波市内で緊急の「平和憲法が危ない! 6・28丹波集会」が開催されました。主催は丹波市革新懇で、丹波市柏原自治会館で開かれ60数名が参加し、1般新聞の集会記事を見て駆けつけた方もいて、熱気に溢れた集会になりました。

講演は速水2郎氏(兵庫県憲法共同センター事務局次長)で、安倍政権がねらっている憲法改悪の内容、集団的自衛権容認は若者を戦場に送るものであること、秘密保護法など様々な憲法改悪策動が進められていると訴えられました。

そして、集団的自衛権容認反対のとりくみが、全国7000を超える9条の会や各地域の憲法共同センターで広がっていること、保守層や野党の中にも広がり始めていると述べれました。また、憲法改正の国民投票も頭におき、憲法共同センターや革新懇などの活動の強化が求められていると訴えられました。

質疑も活溌に行われ、「安保闘争のようなとりくみを」「マスコミへの対策を」「運動をもっと広げるには」「連合系労組にも訴える必要がある」など沢山の質疑・意見が出ました。

最後に「集団的自衛権容認反対」「憲法9条を守れ」「若者を戦場に送るな」の要請を政府に送ることを決めました。

集会後、軽トラックパレードの出発式を行いました。「集団的自衛権容認反対」「憲法9条を守れ」「若者を戦場に送るな」のシュプレヒコールで軽トラックを送り出しました。軽トラック17台、宣伝カー2台で市内を1時間パレードしました。翌日の神戸新聞丹波版に大きく報道されました。
西脇秀隆=丹波市議)

(2014年7月6日付「兵庫民報」掲載)

関学9条の会講演会満席


関学9条の会が講演会「集団的自衛権と東アジアの平和」を6月27日、関西学院大学上ヶ原キャンパスで開きました。約200名収容の教室は、地域住民や多くの学生で埋まり、立ち見が出る大盛況でした。
講演は長岡徹法学部教授(憲法学)と山本俊正商学部教授(宗教主事)の2氏。


長岡教授は「集団的自衛権と憲法9条」と題して講演しました。

集団的自衛権をすすめようとする安倍政権の言い分に対し、「アメリカ政府に日本人を避難させることなどありえない。また、在外邦人の駆け付け警護についても実際にNGOの人たちは自分たちの身を守るために軍隊と行動するのはありえない。ありえないことをさもありえるように言い立てる詐欺的商法だ」と批判。

また、閣議決定案についても「政府は必要最小限度の範囲内に限定するというが、今出されている閣議決定案にそって例えばイラク戦争のような場合を想定してみると、限定できないことは明らかだ」と指摘しました。


続いて山本教授は「東アジアの平和構築と憲法9条の可能性」と題して講演しました。

東アジアの平和構築を阻む要因として①日韓の若者の歴史認識の違い②植民地支配の加害と被害の認識の違い③抑止論という戦後の平和理論④日朝の国交が回復されていないこと―の4つをあげ、そしてそれらを乗り越える方向として、北東アジアでの北朝鮮を含めた不戦共同体が必要だと提起しました。

その際に憲法9条がもつ意義について「20世紀は東アジアにとって過酷な時代だった。侵略戦争、革命と反革命、中でも東アジアでのほとんどの戦争が日本が起こした侵略戦争だった。そんな中で東アジアの人々が日本を脅威と思わずにこれたのは憲法9条があったからだ」と指摘しまた。

そして「20世紀はアジアの人たちにとって過酷だったが、同時に、パリ不戦条約や国連憲章、EUの設立にみられるように戦争の違法化がすすんだ時代でもあり、人々が理想と希望をもってたたかった世紀でもあった。憲法はこうした理想を掲げて国民が国家に対して強制しているもの。9条の会など草の根の運動がこれまで発展していることが今の希望です」と締めくくりました。

(2014年7月6日付「兵庫民報」掲載)

宝塚で『レーン・宮沢事件』上映会


「秘密保護法廃止を求める市民の会・宝塚」の主催で、映画『レーン・宮沢事件』上映と意見交換会が6月28日、西公民館ホールで開催されました。

レーン・宮沢事件とは、太平洋戦争開戦日の1941年12月8日、北大工学部2年の宮沢弘幸さんと、北大予科の英語教師ハロルド・レーンさん、妻のポーリンさんの3人が「軍機保護法」違反などの疑いで逮捕された事件です。宮沢弘幸さんは1945年10月に釈放されましたが、獄中で結核を患い、1年4か月後に死亡しました。その後、事件が表面化することはありませんでしたが、1986年の国家秘密法反対運動の中で事実が明らかになり、運動の広がりは秘密法制定を断念させるまで政府を追い込みました。

この作品は、関係者が「事件を風化させてはならない」と1993年12月に制作されたものですが、特定秘密保護法の廃止を求める運動が広がる中、再び事件がクローズアップされ、本作品が注目を集めています。

参加者からは「戦争を知る人がどんどん減ってきている。今こそ戦争体験を語るとき」「現在の阪神競馬場は川西航空機宝塚製作所として戦争で使用する航空機が製造されていた。空襲によって多くの人が犠牲になった。宝塚における戦争記録を伝承していくことも大切」など、たくさんの感想や今後の活動に対する意見が寄せられました。

***
心の通った国際交流が「スパイ行為」とされ、突然逮捕された宮沢弘幸さん。4年近くも投獄され、27歳で亡くなった無念さを思うと胸が締め付けられます。宮沢さんの家族もまた同じです。妹の秋間美江子さん(87)は今年2月、東京・西新宿で講演し「法は通ってしまったが今からでも手遅れではない。(協力を)お願いします」と語り、特定秘密保護法の廃止を訴えました。
集団的自衛権の行使も秘密保護法の実施も許さない、1986年を上回る大運動が求められています。
田中こう=宝塚市議)

(2014年7月6日付「兵庫民報」掲載)

明石で党がシール投票


日本共産党明石市委員会と後援会は、6月28日夕、明石駅前広場で、「戦争する国にするな」と宣伝・署名とシール投票を41人の参加でにぎやかに行いました。

多くの若者が「戦争はいやや」「シール貼る」と参加。3種とも100を超えるシールが貼られました。

集団的自衛権行使容認に賛成は1人、反対は113人。消費税増税に賛成は5人、反対は108人。原発再稼働に賛成は5人、反対は99人でした。
新町みちよ


(2014年7月6日付「兵庫民報」掲載)

加古川市議選をたたかって

党を大きくして得票伸ばし、「自共対決」を実感

日本共産党東播地区委員長 山口博明

(後列左から)山口地区委員長と、当選した井上、岸本、高木の3氏

「安倍政権が怖いから共産党に入れたよ」選挙後に聞いた有権者の反応です。

日本共産党が選挙戦で訴えた「安倍暴走ストップ、消費税大増税ノー、憲法守れ」が市民の共感を得ることができ、加古川から安倍政権への厳しい審判を下すことができたと思います。今回、民主党は候補者を擁立できず、公明党は得票率を減らしました。まさに「自共対決」時代が始まったことを実感することができました。

加古川市政のあり方については「大型開発優先の自民党型政治を続ける市政か、市民のくらし・福祉をまもる市政か」が大きな争点になりました。

前回の選挙で現職から新人へ3人総入れ替えで市議会に送ってもらってから、議員団は「2つの市民病院を残してほしい」「中学校給食を実現してほしい」との切実な願いを届ける要求実現運動の先頭に立ってきました。この4年間、党議員の奮闘で、国保料の引き下げ、中3までの入院費の無料化などの公約を実現することができ、実績として評価されたと思います。

選挙戦では34種類、400000枚(1世帯4枚)のビラ配布、後援会ニュースと「応援カード」を持っての「折り入って作戦」、選挙ハガキが届いたところへの電話、テレデータを使っての「声の全戸訪問」を全県、全地区からの支援で取り組むことができました。

また、党を大きくして選挙をたたかおうと党勢拡大に力を入れました。山田兼3元南光町長を迎えて取り組んだ「つどい」で入党された党員がアナウンサーなどで奮闘されたのをはじめ、新しい党員を迎えた地域で得票を大きく伸ばしました。

兵庫民報の読者の皆さん、私たちは、市議選で訴えた公約実現に奮闘するとともに、来春の加古川市での県議席奪還にむけ、強く大きな党をつくるために、がんばる決意です。




加古川市長選・市議選は6月22日投開票で行われました。

市長選では明るい加古川市をつくる市民の会の岸本勝氏(67)は8,321票(得票率7・60%)を獲得。残念ながら及びませんでしたが、市民病院問題を争点に押し上げ、健闘しました。当選は元衆院議員の岡田康裕氏(38)。投票率52.49%。

市議選(定数31・立候補33人)では日本共産党の岸本たてき(59)、井上つなお(45)、高木えり(39)の3現職がそろって当選。得票合計は10,594票(得票率9・75%)。前回得票7,637票の1.4倍、昨年年の参院比例票9,210票の1.2倍に伸ばしました。投票率52.48%。


(2014年7月6日付「兵庫民報」掲載)

災害援護資金返済免除を内閣府に要請

要請する(左から)岩田事務局長、森本市議ら

阪神・淡路大震災救援・復興兵庫県民会議は6月27日、岩田伸彦事務局長らが上京し、災害援護資金の返済問題で内閣府と懇談するとともに、「すべての借受人が救われる措置を」とあらためて要請しました。

これには、被災者ネットワークの石田健1郎さん、日本共産党の森本真神戸市議、山下よしき参院議員とこくた恵2衆院議員の秘書、党県委員会、兵庫県議団、神戸市議団の事務局らが参加。内閣府の担当者が応対しました。

災害援護資金をめぐり国はことし3月、返済期限から10年を過ぎても「無資力またはこれに近い状態」であれば返済を免除するという東日本大震災の規定を、阪神・淡路大震災にも適用する方針を示していました。

神戸市などでは、来年6月から同規定の適用者が生まれますが、国は、「過去に例がなく、初めての適用になる。返済者との不公平感にも配慮が必要。論点を整理し、検討する」としてきました。

この日の懇談・要請で、岩田氏らは、被災者支援法などの支援策がまったくないもとで、阪神・淡路大震災の被災者が活用できた唯1ともいえる制度が災害援護資金だったと指摘。多くの被災者が少額償還でこつこつと返済をつづけているものの、3%もの利息のもとで、残額も減らず、なお生活再建に苦しんでいる実態や、連帯保証人への請求やとりたてによって、家庭不和が生じるなどの深刻な事例も紹介しました、

兵庫県や神戸市など自治体からの聴取だけではなく、直接、現地にも足を運び、返済に苦しむ被災者の生の声に耳を傾けて、すべての借受人を対象に、返済免除の具体化を早期に決断してほしいと訴えました。

(2014年7月6日付「兵庫民報」掲載)

借り上げ住宅入居継続を求める裁判を展望

自由法曹団が例会で検討



自由法曹団兵庫県支部借り上げ復興住宅問題を主題に6月25日、神戸市内で例会を開き、入居者や支援者、県議・市議らとともに今後の対応を話し合いました。

吉田維1弁護士は、阪神・淡路大震災以降の借り上げの経緯と概況を報告。当初は神戸市も「コミュニティづくりの支援」「21年目以降も借り上げ継続」を「市営住宅マネジメント計画」(2000年)で表明していながら、2010年の「第2次マネジメント計画」で1転、退去方針に転換したこと、西宮市も退去方針を依然とっていることを報告しました。

また、法律関係では、阪神・淡路大震災の借り上げ住宅は1995年成立した公営住宅法の遡及は受けず、借地借家法にもとづく入居契約とみるのが妥当であること、公営住宅法が適用されるとしても借り上げ期間満了後の退去は契約前に入居者に通知する義務があるのに、それが怠られていたことなどの問題点を指摘。「入居者の声に根ざし、地域コミュニティを保護する政策、入居者によりそう相談態勢が必要だ」と強調しました。

入居者連絡会の段野太1事務局長は、神戸市が借り上げ住宅にかかる市の負担を国からの財政支援を含めず多額に説明するなど、入居者に不当に肩身の狭い思いをさせていることなどを報告。味口としゆき神戸市議、松尾まさひで西宮市議、きだ結県議らもそれぞれ各市・県の状況を報告しました。

また、西宮UR借り上げ市営住宅連絡会の松田康雄代表や神戸市内の借り上げ住宅入居者らも発言しました。「入居許可証には退去期限は書いてなかった。市の対応は後出しじゃんけんのようで卑怯だ」などの訴えがありました。

自由法曹団兵庫県支部では、入居継続を求める裁判が多発することが予想されることから、弁護士会の他の弁護士にも呼びかけ、弁護団を結成してとりくむ方針です。

(2014年7月6日付「兵庫民報」掲載)

中央区革新懇が第25回総会

中央区革新懇は6月20日、第25回総会を開き、33人が参加しました。

2004年から続けている「憲法改悪反対・9条守れ」の〝3の日宣伝〟が連続125回になり、引き続き大きな運動を起こしていくことや「史跡・旧跡めぐり」などの学び楽しく元気が出る行事を企画していくことなどが報告され、来年の結成30周年に向けて対話の輪を広げ、旺盛な活動に取り組もうと決めました。


大前まさひろ運営委員は「安心して住み続けられる街づくり」として発言。中央区の地域要求である阪急春日野道、阪急花隈、阪神西元町や加納町3丁目の交差点の歩道橋などにエレベータをつけてバリアフリーをすすめる提案などについて報告しました(写真)。

第2部の記念講演では津川知久兵庫県革新懇代表世話人が「安倍教育改革について」講演しました。

(2014年7月6日付「兵庫民報」掲載)

関西電力株主総会レポート

安倍政権たのみの傲慢さの一方で、世論の高まりに余裕なくす

速水二郎(電力兵庫の会)

原発再稼働に固執、高姿勢・すりかえ答弁に終始


会場前での株主への宣伝

ポートアイランド・ワールド記念ホールで、関電の第90回株主総会が開かれ2000人席にもかかわらず816人の参加で、一般株主の離反が目立つ総会となりました。今年は、いま関電に立ち塞がる3つの壁をどう乗り越えるのかが注目されていました。原発再稼働、再稼働できないときの電気料金値上げ、一般家庭までの電力自由化です。ところが開会と同時に役員総起立で頭を下げたのは、株配当金ゼロへのお詫びと今夏の節電のお願いでした。

引き続く営業報告や対処すべき課題の説明に移ると、原発推進に全力上げる強行姿勢ばかりが目立ちました。昨年の総会では供給電源を原発を含む「ベストミックス」論で主張していましたが、今年は安倍政権の「原発回帰のエネルギー基本計画」を持ち上げ、原発を「重要なベースロード電源」とする立場を鮮明にしました。再稼働は世界最高水準めざす対策を規制委の指導でやっているので早く運転したいと言い続けました。

さらに幾つかの答弁で高姿勢が目立ちました。

「世界最高水準」問題の質問で、欧州原発の原子炉が2重構造でメルトダウン防止構造になっていると指摘されても「関電炉は冷却水スプレーで底に水が貯留できるようになっている」ので何ら変わらないと答えました。

万が一、福島事故規模が起きたとき30km圏の住民避難はどうするのかの質問には、国が決めて自治体が実施することになっているので「できるだけ支援したい」と関電は関係がないといわんばかりの唖然とするような答弁でした。

福島事故で避難している16万人のうち、関電管内に来ている母子家庭などへ同じ電力会社としての社会的責任として賠償相談の窓口くらいは造るべきだとの意見に対してはCSRの説明だけなので「まともに答えろ」の声も飛び交いました。

再稼働によって使用済み核燃料の中間貯蔵施設がさらに必要となる事態だがどうするのかの質問には、原発立地の福井県以外の「電力消費で恩恵を受けている」地域の皆さんにお願いのため全社1丸となって取り組んでいると答えました。

また、規制委の新基準適合へ1071億円円もの費用をかけ今後さらに膨らむ問題など原発固執はいっそう経営困難になるはずだと指摘されても原発は重要電源との見解は譲りません。「福井地裁判決敗訴は極めて遺憾だ、控訴審で1層頑張る」と答弁し、規制委員長が判決直後に「司法にとらわれない」といった姿勢と同じと述べました。

自然エネルギーへの転換など株主提案を数の力で否決


空席が目立つ会場

かたくなな原発推進固執の関電経営者に対し、「エネルギー未来を考える市民株主と仲間の会(市民株主の会)」「脱原発へ!関電株主行動の会」「大阪市」「京都市」は、25に及ぶ今後の改善議案を提案しました。多少違いはあるものの、5月21日に出された大飯原発再稼働差し止め福井地裁判決の内容を引用しながら提案や討論を数時間続けました。

大阪市は第1位株主、神戸市は第3位の株主です。長らく株主総会には無縁でしたが、福島原発事故以降総会に出席するようになり提案もするようになりました。今年も橋下市長の「独演」が中心かのようなTV報道がありましたが、京都市長、神戸市長もふくめ「脱原発と再生可能エネルギーへの転換」は共通でした。ただ、安全が確認できれば必要最小限の再稼働は認めるとの立場でした。

「市民株主の会」は、原発から自然エネルギーへの転換、地球環境保全、自由化されてもライフライン維持発展、消費者と従業員の声による民主的な運営などを、関電の定款前文として新たにかかげ、社内外に宣言するよう求めました。毎年、多くの株主から建設的な提案があるにもかかわらず杜撰な議事録に終始してきたことを批判しました。今年も梅雨に入っても異常気象が続く中、1日でも早く温暖化ガスを削減し、温暖化対策でも原発から再生可能エネルギー・地域分散型への転換を求めました。365日24時間、電力の安定供給のために働くグループ従業員への労働条件切り下げに反対する意見も述べました。

*

しかし関電株主総会は、関電側提案への賛成討論は全くゼロにも関わらず、財界や動員株主の数の力で、25議案に及ぶ今後の建設的な改善提案にことごとく反対し、否決しました。

全労連近畿ブロック・原発なくす兵庫の会などのビラに株主注目


原発の是非をめぐる重要な関電株主総会だけに、多くの人々が駆けつけました。「市民株主の会」「原発ゼロの会・大阪」などのチラシを総会参加者へ配布する行動は大変です。なぜなら、ポートライナー市民広場駅から会場まで、関電は警察と相談し1定の通路を確保して「案内」する措置を今年も行いました。ビラ・マイク禁止の大型立て看板を立て、ハンドマイクでしゃべると関電社員が取り巻いて中止させ、いざこざがあるとすぐ県警が出動するという異常な状況でした。

こうした中、全労連近畿ブロック、「原発をなくす兵庫の会」「原発ゼロ・大阪」の合計84名の皆さんが早朝から配布に参加されました。株主との対話や、立ち止まっての解説も含め、共同の力は大きく約600部が届けられました。会場内には発言者や傍聴者も30名以上が入り、討論を激励していました。一般参加の方々が長時間チラシを隅々まで読んでいる姿が多く見られました。

傍聴した「原発をなくす兵庫の会」の代表は、前々回参加の際に感じたこととの違いを次のように述べています。

「2年前は鉄面皮、何を言ってもガードを堅く、必死の守りという姿勢だった。だが今回は、〝原発なくせ〟の圧倒的多数である国民との関係で余裕がなく、しかし安倍政権がしっかり支えていることを頼りにした〝傲ごう慢まんさ〟がないまぜになっている」「関電役員たちは『お客さまと社会の役に立つ、これが当社の理念』と言うが、『いつ自分と子どもたち孫たちの命が奪われるかもしれない』という恐れ・不安を抱きながら、独占ゆえに仕方なく電気を関電から買わされている客とのずれを認識しない。それは人間の形をした強欲資本主義の造形物のようにみえる」と語りました。

(2014年7月6日付「兵庫民報」掲載)

兵庫県知事・産業労働部長がタワージャズに要請

西脇市にある半導体生産のタワージャズジャパンが法人を解散・工場閉鎖で約900人を解雇する問題で日本共産党県議団、各自治体議員、党支部が懇談、共同のとりくみをすすめるなかで、企業の無法から地域経済を守る共感が広がり、当該企業が退職金完全支給を約束すると言い出すなどたたかいが前進しています。

日本共産党は、関係者や労組を結成した播労連(連合)にも聞き取りや懇談を行い、会社が労働者に退職金を2回に分けて払い、半分は支給するが残りは機械が売れたら支払うことを了解するよう書面で合意を迫っていたことをつかみました。同社は西脇市で最大の工場であり、経営体は変わってきましたが約20年間操業してきました。働く人も30~40代が中心で、まさに地域が破壊されるものです。

党が関係自治体首長、県民局に要請、懇談し、党がつかんでいる情報を提供すると、自治体も、自身で雇用をつくるなど就職口を確保する努力がどこでも語られ、退職金完全支給を企業に求めること、企業が地域に対する責任を果たすべきだとの声が出されました。党は「OECD多国籍企業行動指針」も示し、イスラエルの本社に責任を問うとりくみも提起してきました。

自治体との懇談をふまえ、先ごろ党県会議員団先とともに兵庫県知事へ要請を行いました。県も「同じ気持ちである」と述べ、企業に退職金の満額支払い、雇用を確保する責任を果たさせるあらゆる手立てを検討していると答えました。

その後、県知事名で親企業のイスラエル本社に書面で要請し、産業労働部長が企業にも直接、要請を行うという、これまでにない努力を開始しました。

これを受けて企業側が退職金支払いのめどがたったと表明しました。

退職金のめどはたっても雇用の確保はこれからです。日本共産党は、各議員先頭に工場の存続も含めてたたかいに全力をあげる決意です。

(小林明男=党県労働部長)

(2014年7月6日付「兵庫民報」掲載)

JAL争議東京高裁判決報告集会


JAL争議支援兵庫連絡会主催の「東京高裁不当判決・支援集会」が6月25日、神戸市内で開催されました。

主催者挨拶で支援連の津川知久代表(兵庫労連議長)は、「双方の言い分を聞くのが裁判。原告の主張に対するJALの釈明を求めず、JALを勝たせる酷い判決。運動で打ち破ろう」と呼びかけました。

報告をした上条貞夫弁護団長は、「高裁では、原告側は労働法学、倒産法学、会計学の学者・研究者からの意見書を提出し、解雇の違法性と必要性が無かったことを立証した。原告側の立証にJALは全く反論できなかった。にもかかわらず判決は、解雇を正当と判断した。これは、裁判所自らが訴訟手続きのルールを破って会社を勝たせたものだ」と厳しく批判しました。

パイロット原告の山口宏弥団長は、「安倍内閣の雇用破壊と判決は共通する。全ての労働者に関わる闘いになった。負ける訳にいかない」と決意を表明しました。

また、CA原告の内田妙子団長は、「JALの経営破綻に対して誰も責任を取っていない。それどころか、現在の執行役員は経営破綻させた張本人と解雇した労務担当ばかり。不当判決は悔しいが最高裁で勝利し、JALに自主解決を決断させるまで闘うのでご支援を」と支援を訴えました。

支援連からは、「兵庫キャラバン第2弾」(7月23日姫路、24日神戸、25日尼崎)、9月17日の「シンポジウム『交通の安全』―セウォル号、JALの整備不良、バス事故―」への参加が訴えられました。


(2014年7月6日付「兵庫民報」掲載)

兵庫山河の会『山河』43号から


教科書に政府見解書かすという「通せんぼ」せん「いつか来た道」
古賀哲夫

宇宙すら滅びるものを今を生きる命愛おしすべての命が
安武ひろ子

スーパーで買い物するたび怒りわく民のかまどは勢いもなし
山下 勇

TPP揺れる国策なんのその水張る田には早苗がそよぐ
塩谷凉子

戦争を知らぬ政治屋許さんぞ平和築いた高齢者たち
西澤 愼

40年前支援に来たる竹田駅「解同」と闘ふ勇気偲びぬ
岸本 守

金もなく官邸前の座り込み断食ぐらいやってもいいよ
長谷川京夢

坂道の胸突き八丁その横に憲法守れのポスターのあり
山下洋美

(2014年7月6日付「兵庫民報」掲載)

NO! NUKES!:880枚の写真でポスター

尼崎のNPO・IPPOが作成



尼崎のNPO法人IPPOは東日本大震災後、様々な形で原発反対と被災地支援を取り組んできました。

今年2月からは、原発から自然エネルギーへと言う世論をもっと身近なところから広げていかなければと、原発反対メッセージ写真を撮り続けています。

反原発のポスターやプラカードを持っている人の写真を集め、ポスターにしたり、横断幕にして訴えるという取り組みです。2750人分の写真をあつめて人文字ならぬ写真文字で「原発いらん!」の横断幕を持って地域のイベントなどに参加しようと取り組んでいます。

この間約5カ月の取り組みを通して880枚の写真が集まり、このたびポスターを作製しました。山下よしき書記局長の写真もあります。

このポスターは50円。兵庫県「赤旗まつり」にも出店します。

IPPOでは、「ぜひ街に張り出して下さい。街のあちらこちらから『原発いらん!』の風を大いに吹かせたい」と呼びかけています。

(2014年7月6日付「兵庫民報」掲載)

ひなたぽっころりん(536)



(2014年7月6日付「兵庫民報」掲載)

観感楽学

「依存症」問題を研究している専門家の話によると、日本における、いわゆる「依存症」患者の数は、約3千万人だそうだ。「依存症」にもさまざまな種類があるが、そのうち最も多いのがタバコ依存症で1250万人、そして第2位がなんとギャンブル依存症で、アルコール依存症(230万人)の2倍以上いる▼いま、世界中の国々は「依存症」をなくそうと国を挙げて努力している。韓国は2006年にパチンコの換金を法律で禁止し、同国におけるパチンコ産業は事実上崩壊したと言われている。台湾でも台北ではパチンコを禁止した▼「依存症」は病気で、それも「意思が壊される病気」であるため、治療しない限り治らない。ダルク(DARC)という薬物依存症からの回復と社会復帰を目指すNPO法人、神戸にはないが全国に約50カ所ある。そこで献身的に関わっている知人の話によると、薬物依存者は200万人以上、薬物依存にはまるきっかけの1つが賭博だという▼日本の国民が1年間で賭博に負ける金額は5兆6000億円。なんという国だ。それなのにカジノを「成長戦略」として経済成長の柱にしようとは……まさに亡国の政治である。(D)

(2014年7月6日付「兵庫民報」掲載)