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2014年7月2日水曜日

集団的自衛権:兵庫関係の国会議員(秘書)の対応は

6月22日の「若者憲法集会」の翌日、青年たちが国会議員への要請行動に取り組みました。兵庫県関係の議員(秘書)の対応はどうだったのか、民青兵庫県委員長の上園隆さんのレポートです。


国会が閉会したということでみんな地元に戻っており、秘書対応でした。
どの議員の部屋でもまず初めに、「昨日若者憲法集会を開いて、千人の若者が集団的自衛権はやめてほしい、解釈だけで憲法を変えないでほしいと訴えました。取り組みの中で多くの兵庫県の若者と対話してきましたが、集団的自衛権について本当に知られていない。でも、その中身について説明すると、『知らない間に憲法を変えるなんてやめてほしい』『戦争したくない』など不安や懸念の声がたくさん出されました。こうした状況の中で、解釈だけで憲法を変えるなんてやめてほしいと思います。こうした声を真摯に受け止めてください」と訴えました。
その後は、それぞれの議員秘書によって対応が違いました。

自民党

自民党の末松信介参院議員(2010年・兵庫選挙区)の部屋では秘書もおらず事務職員が対応しました。また自民党の渡海紀三朗衆院議員の部屋では秘書が「渡しておく」というだけで、「渡海さんの見解はどういったお考えですか?」と聞いても全く話さないという状況でした。

維新の会

昨年の参院選兵庫選挙区から当選した維新の会の清水貴之議員の部屋では、対応した秘書は、「集団的自衛権は認めるべき。例えば海外で日本人が拉致されたり、事件に巻き込まれた時に自衛隊は助けられない」と話しました。
そこでイラクでの人道支援に取り組んでいる高遠菜穂子さんが話していた「『平和の国ジャパン』というブランドがあるからこそ中東の人びとから信頼されている。集団的自衛権行使容認はその名誉を深く傷つけ、現地で支援する日本人を逆に危険にさらす」ということについて指摘すると「確かにそれはそうだが…。やはり選択肢を増やすのが大事」と話しました。
「それでは、集団的自衛権を認めるべき立場だとして、これだけの不安の声を前にして、正当な手続きをふまず解釈だけで憲法を変えることについてはどうか」と聞くと、それも認める立場でした。
「多くの国民は不安に思っているし、若者の中で集団的自衛権のことがあまりよく知られていないのに、解釈だけで勝手に変えるなんて納得できない」と言うと
「それは個別的自衛権の話も同じだ。解釈による判断ということでいえば、政府の判断だ」と話しました。
「国民の不安を無視するのか」と問い詰めると「だから、集団的自衛権を認めるけど、そのうえで歯止めはかけるべきだ」と話しました。「歯止めというけど、いったん認めたら歯止めはかからない」と話したところで、話は平行線に。
しかし最後には「維新の会にいると、改憲派の人たちとしか話す機会がない。こうして立場の違う声を聞くのは勉強になるし、ありがたい。ぜひまた来てください」と話しました。かなり論争になりましたが、論争をさせてくれるという点ではそれなりに若者の声を気にしているのを感じました。

結いの党

また、結いの党の畠中光成衆院議員(兵庫7区で立候補・比例近畿ブロックで当選)のところでは秘書が開口一番「集会お疲れさまでした」と話し、「集団的自衛権の問題はみなさんと同じ立場。拙速な改憲は許されない」と話しました。
そこで、「いま責任野党などと言って安倍政権に迎合する態度をとっているが、それならキッパリと集団的自衛権の行使反対!解釈だけで憲法を変えるな!と強く安倍政権に迫ってほしい」と話すと「ただ、頭ごなしに反対ではいけない。集団的自衛権のどこが問題点なのかは議論の中で吟味しないと」と話しました。
「それではどこが問題点だとお考えか」と聞くとそれには答えず、「議論の中で吟味すべき」と繰り返しました。やはり明確な反対の立場や論拠は持っていないんだなと分かりました。


集団的自衛権の解釈改憲を推進する側も安倍首相が主張する邦人救護などありえない想定を根拠に話しており、正面から論争をすると決着がつくという実感を持てたのと、彼らも彼らなりに国民の不安の声や懸念の声を気にしているなというのを感じました。

(Web版のみ)