憲法9条に守られ平和に暮らしてきた
立花九条の会代表・産婦人科医 土肥定さん
集団的自衛権とは、要するに自衛隊が同盟国のために海外で戦争が出来るようにすると言うことです。私は大正生まれですから戦争の過酷さをいやと言うほど知っています。私の兄は軍医としてフィリピンに出征、身心共にボロボロになって帰国、立ち直るのに半年かかりました。
終戦から今まで、憲法九条に守られて平和に暮らして来た有難さを、戦争を知らない今の政治家は知らんのでしょう。乱用にならないよう色々歯止めを設けるとか言っていますけれど、「蟻の一穴」、箍たがが緩むと拡大解釈でどうとでも都合の良いようにされますよ。
日本人は今後とも、「力は正義」「殴られる前に殴ってしまえ」と言う風に単純で乱暴な国にならないように、国民が政府を監視していく必要があります。
富国強兵をめざしている「アベノミクス」
マダムノンの会 大道秀子さん
原発や武器を輸出し、平和を破壊する行為を「経済活動」と呼んでいます。安倍政権のめざすものが、戦前の「ほしがりません勝つまでは」で国民をしばり大きな不幸を招いた時代を思い出させてなりません。
「積極的平和主義」―私が使いたい良いセリフです。その言葉を活かしたいのなら、彼は、今こそ平和憲法を守りなさい。
先日高校(定時制)の同窓会がありました。「九条のおばちゃん」と書いたタスキを作ってきた人がいて私にかけるんです。笑いながら、泣きながら過去を語り合いました。男性の多くが両親を大阪大空襲で亡くしているのがわかりました。町工場で真っ黒になって働き鉄工所の社長になった人。一人一人、いとしい人に思えてなりません。
人間愛を失った権力者を選ばないようあらためて心に誓いました。
戦争は基本的人権の破壊に
尼崎医療生協病院九条の会・医師 上山桂さん
今、日本の国のあり方が大きく変えられようとしている。その転換点に私たちは生きています。
憲法解釈を変えて、集団的自衛権を認める。まさに日本の若者の命を米国の戦争に差し出し、私たちの税金を米国の戦争に湯水のように使う。一歩、戦争が出来る国に踏み出せばそこには戦後六十九年間、平和憲法の下で私たちが享受してきた平和と自由はなくなってしまうでしょう。
私たちは、〝お金のあるなしで命の差別はしないこと〟を掲げて医療活動を行っています。
尼崎には高額な健康保険料を払えない人がたくさんいます。私たちの医療機関で行っている無料低額診療制度を利用する人も年々増えています。
健康を害し本当に困った時こそ、誰もが安心して医療を受けられるようにと、今までの医療改悪に反対の声をあげてきました。
ひとたび戦争が出来る国になれば、人間の命は軽んじられ、社会保障はどんどん削られ、弱者が切り捨てられていくのは自明です。
憲法二十五条で保障された生存権と憲法九条に裏打ちされた平和が何よりも国民の生活を保障するものです。
私たち「病院九条の会」は、戦争ができる国に変えてしまう「集団的自衛権行使」容認に、断固反対します。
(2014年6月15日付「兵庫民報」掲載)
