播磨・神戸・丹波など在住、対応に追われる各自治体
兵庫労働局をはじめ、兵庫県や関係市町では「緊急雇用対策本部」を設置するなど、対応に追われています。
同社は、イスラエルの半導体企業「タワーセミコンダクター」(ブランド名=タワージャズ)が二〇一一年六月、別の半導体企業から西脇工場を買収して、設立した日本法人です。
タワーセミコンタクター社は、北陸にあるパナソニックの半導体三工場(魚津、砺波、新井)を譲り受けて、パナソニックとの合弁会社を設立すること、これに伴い、西脇工場を閉鎖する方針を、ことし四月一日、発表しました。
西脇工場を取得し、日本法人を発足させて、わずか三年で閉鎖しようというものです。
同社は、西脇工場の閉鎖について、ホームページで「これにより、年間固定費約一億三千万ドルが削減できます」「ビジネスと株主価値のため」とのべ、「日本の転職支援会社を通じて、西脇の従業員の就職支援活動を進めていきます」などとしています。
各市町の社員数
西脇市 229人
加東市 146人
小野市 112人
神戸市 66人
加古川市 57人
加西市 52人
三木市 45人
多可郡 36人
三田市 24人
姫路市 23人
明石市 21人
丹波市 13人
神崎郡 12人
加古郡 9人
高砂市 5人
その他 38人
東日本大震災の復興補助金の交付先に採択されたのに
タワージャズジャパンは、政府の「東日本大震災からの復興の基本方針」を踏まえてつくられた「国内立地推進事業費補助金」の交付先として、二〇一二年二月に採択されていることが、明らかになりました。
この補助金は、「震災を契機に…産業の空洞化が加速するおそれがあることに鑑み」「生産拠点…研究開発拠点に対し、国内立地補助を措置する」として、国が約三千億円を予算化してつくられました。補助金の目的として「立地環境の改善を図りつつ、国内への新たな投資を促進し、雇用を維持・創出すること」、その効果として「約二十万人の雇用創出」が掲げられました。
同社は当時、ホームページで(交付先として)「当社を採択して頂いたことを大変うれしく思います」「地域密着のファンドリ専業企業として能力を発展させる」と表明していました。それからわずか二年で閉鎖を決めたことになります。「雇用の維持・創出」「地域密着」との「公約」への社会的責任が問われます。
(2014年5月11日付「兵庫民報」掲載)
