現在、市内三十五の中学校のうち二十九校が選択制デリバリー方式を採用。業者弁当によるデリバリー給食と、家庭弁当を選べますが、デリバリー給食を利用する生徒は年々減少し、今年度(二〇一三年度)は一八・七%にすぎません。なお、残り、四校が共同調理場方式による全員給食、二校が給食を行っていません。
市教育委員会は、三月七日の文教常任委員会に報告資料として提出した『姫路市学校給食推進基本方針』で、デリバリー給食の利用率の低さについて「食缶方式を期待していた利用者との意識の乖離や、ランチボックス方式となったために温かい副食が提供できないこと」(注参照)を要因にあげています。
その上で、「中学校給食の課題」の項で「保護者からはランチボックスではなく、小学校と同様の食缶などを用いた全員給食を望む声が多くあります」と認め、「基本方針」の第一に「学校給食の全員実施」を掲げています。しかし、実施方式については、「給食室の建設敷地の確保の困難」などを理由に、共同調理場方式を基本とするとしています。
日本共産党姫路市議団は、本来ならば全ての学校での自校方式が望ましいが、用地の取得や、合併による市域の広がりなど、対応がむずかしい条件の下、親子方式が可能な学校には臨機応変に対応するとしているなど、評価できる部分もあるとし、食育が生かされた地産地消の中学校給食になるよう、引き続き、市民とともに取り組みを続けたいとしています。
【注】ランチボックスで温かい副食が提供できない事情(『姫路市学校給食推進基本方針』から要約)
厚生労働省「大量調理施設衛生管理マニュアル」では、調理後直ちに提供されない食品は、病原菌を抑えるため「10℃以下又は65℃以上で管理することが必要」と規定しています。
給食の場合、保温食缶なら65℃以上の管理が可能ですが、ランチボックスではそれができないため10℃以下で管理しなければならず、冷たいものとなってしまいます。
(2014年3月16日付「兵庫民報」掲載)
