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2014年11月30日日曜日

被災者の憤りに胸が裂かれる思い

福島ボランティアツアー

日本共産党川西市議 黒田みち

11月13日~15日の3日間、東日本大震災救援バザー実行委員会主催(日本共産党兵庫県委員会)の福島ボランティアツアーに参加しました。私にとっては5回目の福島訪問です。

今回訪問したのは、放射線量が高く制限付きでしか帰ることができない浪江町と、帰る見通しもたたない富岡町の方がお住まいの郡山市内の仮設住宅。支援物資の配布・炊き出しと、現状などを聴かせていただく懇談会に参加しました。

距離で住民を分断


総勢39名の参加者は、仙台空港からバスに乗車。車内で、廃業を余儀なくされた浪江町・請戸の漁師さんから現状を聴きながら、福島原発事故地から10㌔㍍圏内の、ようやく除染の重機が短時間入り始めたばかりのところ、津波で大きな被害があった場所、浪江町役場など現場を見学、説明を受けました。

「『金目でしょ…』って言うなら住民にしっかり補償してから言ってほしいよ。事故地から何㌔㍍でばっさりと切られて補償に差が出る。線量の値じゃなく、道一本で住民が分断されてしまう。仮設住宅の中での大きな矛盾になってるよ」

―など日常生活にあらわれる矛盾や苦しさを聞き、本当に酷いと感じました。

最後まで責任を問う


その後、浪江町・警戒区域内の「希望の牧場ふくしま」を訪問。国や自治体は牛・豚・鶏の殺処分を決めたが、その事に抵抗。放射能を浴び、汚染された草を食べている牛が今後どうなっていくのかを調査し、国と東京電力の責任を最後まで問うていくと頑張っておられる方のお話を聴きました。「目の前の電線はね、福島原発から東京に電気を運ぶ電線なんだよ。この町に原発は作らせなかったのに、放射能汚染の被害だけ受けるなんて。生き延びた300頭を超える牛の命はまっとうさせてやりたい」。

放射能の影響調査もしない国、この事実を報道しないマスコミ、「浪江は捨てられた」と繰り返し絞り出される言葉と夕日を浴びて悠々と草を食べる牛たちを眺めながら、胸が張り裂けそうになりました。

もちむぎ麺が大人気


仮設住宅での救援物資配布(撮影:成山太志)

兵庫から運んできた、淡路島の玉ねぎ、神戸の水、みかん、白菜、大根、福崎町のもちむぎ麺、手編みのアクリルたわしをお渡しして、炊き出しは「もちむぎ麺」と挽きたてコーヒー。とっても良い香りの美味しい「麺」はおかわり続出の大人気。

食べながらの懇談で、「誰とも話をしないこともあるよ。こうして話をしてくれるだけで嬉しい」と他愛もない話に花が咲き笑顔がこぼれていました。

高齢化、複雑化で課題噴出


仮設住宅での被災者との懇談(撮影:成山太志)

富岡町の方が住む郡山市の仮設住宅で懇談しました。

富岡町は2016(平成28)年3月までは帰らないと宣言しています。復興住宅の建設の遅れに加え、部屋の広さや高額家賃、保証人の問題、立地条件など、高齢者やひとり暮しが多い中で課題が噴出。結局、現場を見ず、「上」からの押し付け復興になっていることがよくわかります。ここでも「補償」「引越先」などで住民同士がバラバラにされている事例が多く出されました。

あの事故から3年8か月。時間の経過と共に、高齢化が進み、問題が複雑化。個人で解決できなくなっています。

飛散し続ける放射能と汚染水の垂れ流しなど先の見えない不安・憤りが一番多く聴こえてきます。自己責任にされないように連帯し、「権力者」のされるがままにならないよう、私たちも意識的につながっていかなければと強く感じました。

「フラガール」に感動


2日目の宿泊は、映画『フラガール』で有名になった「スパリゾートハワイアンズ」。「東北の宝塚」と言われる常磐音楽舞踊学院卒業生の素晴らしい踊り「ポリネシアンショー」を見学しました。

国のエネルギー政策転換によって炭鉱産業が衰退・閉山に追い込まれていく歴史を描いた『真実のフラガール』、東日本大震災で大きな被害を受けた同施設の苦悩や再建を描いた『がんばっぺフラガール』をバスの中で鑑賞。まちおこしや復興が地元住民の実態や声、願いを大切にすることこそ基本にすれば困難も乗り越えられることがとてもよくわかりました。

「オリンピックもいいが…」


「東京オリンピックに反対じゃないよ。けど、その準備がはじまれば資材や工事する人間はそっちばっかりにいくんじゃないか? 誰も放射能汚染地に好き好んで来ないだろう?」と何人もの方が話されました。「最前線の原発労働者は、酷い労働環境で働かされているよ。給料も含めて…」とも。

結局ごく一部の大企業には大きな税金が流れていくが、末端は負担と被害ばかりが押し付けられている矛盾があらわになっています。

「わしらがこんな苦労しているのに、何が原発再稼働じゃ!」との憤りが強く感じられました。

「忘れないでほしい」


「忘れないでほしい」この言葉に尽きます。見て聴いてきたことをしっかりと周りの人にお伝えして、原発再稼働を許さない世論をもっともっと広げていきましょう。

衆議院解散・総選挙が迫るなか、参加した誰もが「安倍・自公政治の暴走をストップさせよう」と固い握手を交わし、それぞれの地へ熱い思いを持って帰りました。

*

今回のツアーには、たぶち静子宝塚市議、平岡きぬゑ佐用町議も参加。衆院兵庫2区予定候補の平松順子さんは実行委員として活躍しました。

(2014年11月30日付「兵庫民報」掲載)

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