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2014年11月16日日曜日

観感楽学

原爆症裁判で国の非人道的態度が際だっている。集団訴訟の終結を合意した2009年以来初めての控訴審が闘われている。武田武俊さんは認定申請から6年も費やして勝訴し認定証書を手に故郷長崎に帰省することまで予定していた▼国控訴で落胆した武田さんは入院。認定証書を手にすることなく亡くなった。08年、肝臓がんで申請後、国から追加資料を求められ、少なくない費用も要して病身をおして走り回ったが結果は却下▼国は同様のことを他の多くの被爆者にも行なっているのだろうか。あの時の無念さ、理不尽さは是非話しておきたかった―武田さんが裁判に訴えた思いだ▼原爆症認定されないまま亡くなった被爆者、裁判や申請すらできない被爆者などの無念を晴らすためにも〝国は認定制度を見直して〟とご遺族は語る▼国は、「塵や埃を吸いこんだだけでがんになるという判決は科学的に見て明らかに誤り」などと武田さんの入市被爆を否定。入市被爆者の放射線影響を否定するのは明らかに福島対策を念頭に置いたものだ▼原爆症認定をかちとる闘いは被爆者への理不尽を正すとともに国の原発政策・ヒバク対策の変更を迫る闘いでもある。 (K)

(2014年11月16日付「兵庫民報」掲載)

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