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2014年10月19日日曜日

観感楽学

陸上自衛隊姫路駐屯地に戦争博物館といえる史料館がある。戦前の陸軍部隊が関った日露戦争から太平洋戦争(「満州事変」「支那事変」など)までの戦歴、功績を顕彰する写真、旧陸軍幹部の遺書・遺品、兵器などが展示されている▼敷地内の記念碑には、中国への侵略のあとをたどる軍の戦歴が、戦果を誇るかのように刻まれている。これらの史料展示の特徴は、侵略戦争への反省がなく戦争の被害も加害も伝えていないことだ▼市民公開日(10月5日)には、各部隊在住地の名産を売る模擬店が並び、同時に155㍉りゅう弾砲の砲撃(空砲)や戦車、装甲車など総出の演習も見学させる。安倍内閣の改憲の動きと歩調を合わせて自衛隊の市民社会への浸透計画が活発化している▼県議会への「憲法改定」を求める請願、日本会議の宣伝行動やヘイトスピーチ・デモなど侵略戦争肯定の世論づくりと合わせてトライやる・ウイークで中学生を自衛隊に受け入れ、各地の市民行事への自衛隊参加など危険な動きが目立つ▼旧軍の歴史を無批判に継承する自衛隊史料館は全国24カ所に及ぶという。これを維持し続ける自衛隊の市民社会への影響を軽視してはならない。(K)

(2014年10月19日付「兵庫民報」掲載)

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