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2014年9月28日日曜日

JAL争議支援兵庫連絡会などシンポジウム「交通の安全」:規制緩和・リストラがもたらす危険

声あげる労働組合の役割が重要
許せない解雇攻撃


シンポジウム「交通の安全―セウォル号・JALの整備不良・バス事故―規制緩和・リストラがもたらす危険」をJAL争議支援兵庫連絡会などが9月17日、神戸市内で開催しました。

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はじめに安部誠治関西大学教授が「規制緩和と運輸の安全を考える」のテーマで講演しました。


安部氏はこれまでの鉄道・航空など社会的原因によって起こる事故の原因解明がどうすすんでできたか実例をあげて概括し――事故の原因を個々の労働者の自覚の不足に求めるのではなく、労働条件などヒューマンエラーを防ぐ対策が世界でも当たり前になってきている――一方、日本では規制緩和がすすみ、予想を越えた大きな事故が起こるなど安全が脅かされている――安全対策をすすめる上で労働組合の果たす役割が大きい――と語りました。

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シンポは八木和也弁護士をコーディネイターに、観光分野での実態について労協国際ツーリストビューローの松岡武弘理事、JRの問題について武本由之国労兵庫地区本部委員長、バス業界の問題について濱田卓司建交労兵庫合同支部副執行委員長、JALの問題について宝地戸百合子JAL争議原告団から報告しました。


松岡氏は、1995年の政府答申以来の規制緩和による異常な「格安」競争の実態も示し、権利である旅行が「安いから仕方ない」ものに荒廃していると指摘。さらに政府が東京オリンピックまでに海外からの観光客の2.5倍化を掲げ、安全までコスト呼ばわりする事態を告発しました。

武本氏は、JR北海道の相次ぐ事故の問題について、分割・民営によって安全確保は民間企業まかせになり、ローカル線廃止と人員削減など利益至上の経営を、ものをいう労組の排除ですすめ、費用を減らすために保線データの改ざんなど安全に無関心な企業になってきたと指摘。JR西日本も福知山事故から7年を経て、経営効率優先に舵を切り直し、非正規化、国労差別もある、労働者の人間性を配慮した安心して働ける職場づくりが必要だと訴えました。

濱田氏は、規制緩和で非正規化が公営も含めて広がり、劣悪な労働条件、人員不足が慢性化し、在職死亡も相次いでいること、新たに組合を結成した阪急バスでも、路線バスの勤務表が初めから法律違反になって労基署から是正勧告を出される営業所もあることなどをあげ、労働条件の抜本的改善や規制が必要だと報告。

宝地戸氏は、LCCではいま着陸から20分で離陸するため客室乗務員が清掃やパイロットに機体点検までさせている、これで安全を守れるかと疑念を表明。また、JALは解雇を強行しつつ新人を採用、教えるベテランがおらずミスが多発し、退職者も多く、異常な労務管理、評価システムがミスを隠す温床になっていると告発。安全を確保するためには、ものをいう労組の役割は重要であり、その労組への異常な解雇攻撃は許せないと述べ、争議への支援を訴えました。

最後にコーディネイターの八木氏が、「現場の労働組合が声をあげることが交通の安全を守るためにかかせないことが明らかになった。今後もがんばりましょう」と締めくくりました。

参加者は「濃い内容だった。もっと時間かけて論議しかたかった」「びっくりするような話を聞けてよかった」と感想を語っていました。

JAL不当解雇撤回キャラバン始まる


キャラバン出発式で訴える争議団のメンバー

同日17日朝には、「JAL不当解雇撤回、近畿・東海キャラバン」がJR姫路駅前から始まり、JAL争議団、争議支援兵庫連絡会、国労や西播労連が宣伝。原告の訴え訴えを聞いて署名する人が相次ぎました。また、通りかかったパイロットから激励もありました。

宣伝後、出発式も行い、原告団を先頭に県内の国会議員要請などにとりくみました。



(2014年9月28日付「兵庫民報」掲載)

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