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2014年9月14日日曜日

観感楽学

日本語として定着していても、他言語にそのまま当てはまる語がない言葉があります▼その一つが「学力(がくりょく)」という言葉です。日本語の意味する「学力」は「人間活動における基礎となる学ぶ力のこと」「人間の基礎的な能力の一つ」とされています。英語では「学究的能力」を意味するacademic abilityや「業績、達成」を意味するachievementと訳されますが、本来の日本語の持つ意味からすると狭義なとらえ方となります▼本来の意味での「学力」を身につける教育とは何なのか。親世代の貧困化や片親世帯の増加、子どものうつの増加やいじめ問題など、子どもたちを取り巻く状況が深刻化する今こそ真剣に考える時です▼2014年全国778校で文科省が行った調査(小6と中3の保護者対象)では、世帯収入や家庭環境が子どもの学力に大きく影響していることが明らかになり、思春期になるほどその影響を受けやすいことがわかりました▼狭義の「学力」ではなく、主体性や自律性、協調性など本来の意味での「学力」を身につける教育、経済面や家庭環境によって子どもの学ぶ権利を左右されない仕組みづくりが望まれています。(A)

(2014年9月14日付「兵庫民報」掲載)

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