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2014年9月14日日曜日

消費税増税分転嫁「全くできていない」29%


消費税は、税法上の納税義務者と実際に負担する担税者とが不一致であることが予定されています。特に市場競争力の弱い中小企業の場合は、顧客を獲得するために、消費税を当該納税義務者自身が自らの利益を削って販売することはしばしば行われています。租税の転嫁は、あくまで税法の建前にしか過ぎません。

原材料・燃料などの値上がりに苦しむ


日本商工会議所が実施した「8月の早期景気観測調査」(8月15日~21日、会員企業3,150社を対象)によれば――

原材料等の仕入れ価格については、「上昇している」と答えた企業(全産業)は92・5%。上昇分を販売価格に「全く転嫁できていない」が11・3%、「一部しか転嫁できていない」が72・3%、合わせて8割以上を占めています。

燃料費についても「上昇している」と答えた企業は94・9%にのぼり、販売価格への転嫁が「全く転嫁できていない」34・3%、「一部しか転嫁できていない」が59・6%でした。

こうしたなか、「原材料価格や電力料金の上昇により採算が悪化。消費者向けの商品は消費税率引き上げ分の転嫁も困難な状況」(水産食料品製造・販売業)との声も紹介されています。

消費税増税分も売上に転嫁できず


兵庫県商工団体連合会(県下30民商加盟)が、8月に「消費税8%増税」による緊急影響調査アンケート(9月8日現在・回答950人)を実施しています。材料仕入や経費が上昇している方へ、「上昇分(3%)は売上(販売価格や請負価格)に転嫁できていますか」と問うものです。①100%またはほぼできている16%、②5割以上はできている11%、③1割から5割程度できている23%、④全くできていない29%、⑤もともと転嫁できていない15%です。

二つの結果が示すように、消費税は営業破壊税であり10%になれば、中小企業・小規模事業者にとって、その転嫁が一層困難になることは明らかであり、見送ることが肝要です。

藤原紀嘉=消費税をなくす兵庫の会事務局長)

(2014年9月14日付「兵庫民報」掲載)

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