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2014年8月24日日曜日

図書紹介:内藤美代子『いのちへの誓い』

あっという間に「軍国教師」に…その反省を学び直すとき



〝内藤美代子〟という名は、同じ地区に勤める先輩教師としてだけでなく、新任の私に母親運動を教えた人として記憶に残っています。

本を手にしたとき、教職員組合運動、女性運動、保育運動の内藤として、退職してからもなお、中心となった活動した人が、自らを「軍国教師」と名乗ったことに「なぜ?」の思いを強くしました。

戦後に「教え子を再び戦場に送るまい」のスローガンを掲げて教職員組合運動が進んできたことは知っていましたが、その反省を胸に刻んだ人々の一人が内藤先生であったのです。あっという間に軍国教師につくられていくくだりが、今の情勢と重なって背筋の寒くなる思いがしました。

私が教師になった44年前にさえ当たり前にあった権利、「産前産後16週」「公立保育所」「学童保育」が、内藤さんとそれに賛同する仲間の手で、一つ一つ勝ち取られたことがわかりました。後を引き継いだ私たちの世代は、さまざまなたたかいを語り継いでもらった世代であり、のびやかな子どもとの教育実践を直接学んだ世代です。この本の中には「そうだったのか」と学び直すことがいくつも出てきます。

生い立ちは、この本で初めて知りました。当時の世相がよくあらわされています。

94歳でなくなった著者が、生前、書き溜めたものを、娘真己子さんが自費出版されました。感情的にならず淡々と描かれているからこそ、読む人に思いが伝わります。

中村治子=兵庫県母親運動連絡会)


内藤美代子『いのちへの誓い――軍国教師だった私が遺したいこと』
光陽出版社刊、46判、208頁、定価(本体1,500円+税)。党県委員会でも扱っています。

(2014年8月24日付「兵庫民報」掲載)

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