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2014年8月3日日曜日

ノーモアヒバクシャ近畿訴訟・傍聴記:7/22

国側代理人の不真面目さの背後には?

副島圀義

大阪地裁、7月22日の法廷では原告Uさんについて弁護士が意見陳述しました。

Uさんは、長崎で被爆(当時13歳)。数日間は井戸水を飲んだり焼け残ったものを食べたりしながら防空壕ですごし、その後避難先に移ります。途中、爆心地近くを通り、多くの遺体が残る駅前で避難列車を待ちました。

18歳で神戸に出てきて36歳で乳がんを発症。原爆症との認定を求めたが却下され、提訴しました。

直爆では助かった両親、姉、弟が次々とがんで亡くなり、胎内被爆の妹さんも乳がんで闘病中です。

家族全員の様子からも発病と被爆の因果関係は明らかなのに、国側は「何レムの放射線被曝だったかの立証がない」と、現実無視の被曝線量基準に固執。しかも書面は提出しても、公判廷では何も語ろうとしません。

さらに国側は〝(機械的線引きを正当化する)「総論」への原告側反論が出るまでは「各論(個々の原告の訴えについての審理)」に応じない〟との態度をとり、原告側が厳しく批判。裁判長も「総論・各論並行して審理します」と国側の「引き伸ばし戦術」を退けました。

この間、国は地裁判決に対する控訴、「原子力ムラ学者」連名の「意見書」提出、など司法判断の流れを根本からくつがえそうとしてきています。

また、いったん原爆症と認定した方に対して「要医療性がなくなったから」と更新申請を大量却下する事態も起こっています。

「原発は潜在的核抑止力」と公言し、核武装まで視野にいれて、日本を戦争できる国に引っ張っていこうとする安倍内閣。福島原発事故の被災者対策を極力切り縮めようとする安倍内閣。国側代理人にその圧力が働いていることは、まず間違いなさそう、と感じました。

(2014年8月3日付「兵庫民報」掲載)

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