記事を検索

2014年7月20日日曜日

観感楽学

原爆症認定近畿訴訟で「原子爆弾による放射線被曝と健康影響に関する意見書」が提出された。「放射線による健康影響に関わる…学問を専門として、研究、臨床や教育に真摯に取り組んできた者」と自称する35人の連名▼裁判では放射線起因性の判断基準について「内部被曝の影響の地理的範囲及び線量評価方法の両方において過小評価の疑いがある」と国の主張が断罪された▼「意見書」は、「科学的知見」なるものを連発し、33回に及ぶ判決に対して、「科学的知見を超えて広い範囲で放射線起因性を認めることは、国民に大きな誤解をもたらす」と糾弾する。被爆による急性症状(下痢や出血、脱毛など)も「必ずしも被曝に特異的でない症状」と一蹴する▼裁判では被爆の影響は解明されつくされていないとの立場で、被爆者の被爆状況、被爆後の症状など被爆者に生じた事実を重視すべきことが強調された▼3月に勝訴したKさんは国の控訴後に亡くなった。控訴が大きな打撃になったに違いない。被爆者手帳所持者が20万人を割り込んだ(3月末)。被爆者には時間がない。被爆の実態に基づいて被爆者を救済することこそが国の責務ではないか。 (K)

(2014年7月20日付「兵庫民報」掲載)

日付順目次