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2014年4月20日日曜日

観感楽学

国は昨年末に再改定した原爆症認定基準で、裁判中の原告七人の審査をやり直し三人を認定、他の四人はなお却下とした。同様に係争中の百九人について再審査を行った▼裁判所はそれでも却下とされた四人を認定する判決を行った(三月二十日)。今回の判決は、国の再改定基準が極めて不十分だと断罪したものだ。しかし、これまで却下されて裁判できなかった数千人の被爆者は再審査されない。「認定して欲しければ裁判に訴えればよい」などという不当で不公平な行政が行われているのだ▼国は敗訴した原告のうち一人について控訴した。八十二歳で肝臓ガンを再発し、判決当日もご子息の押す車椅子で法廷までたどり着くという健康状況の原告だ。国の控訴は、このような原告にさらに訴訟の負担を強いる非人道的な暴挙であり許せない▼国は、「今後、訴訟の場で争う必要のないよう」に定期協議の場で解決するとの「集団訴訟終結確認書」(〇九年八月)を交わしている。今回の控訴は、この合意を踏みにじり、被爆者に訴訟を強いてさらなる苦痛を与えるものだ。司法判断、原爆被害の実態に合致するよう認定基準を改めることが急がれている。(K)

(2014年4月20日付「兵庫民報」掲載)

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